5月1日。火。曇り。仙台。2315/80キロ。
予報は降水確率50〜60%だったので、合羽を着て出発したのだが、幸い仙台まで降らなかった。
東北は五年前年輪ピックの囲碁で、いわきに一度だけ来たことがある。それ以外は東京から北は初めてである。東北は素晴らしい。人情が厚い。道路が整備されている。
人影もまばらだったので、やむを得ず反対側の歩道を歩いていた娘さんに道を尋ねたら、わざわざこちら側の歩道まで横断して来て、丁寧に教えてくれた。東北で道に迷うのは幸せだ。知りたい道以上の道を教えて貰える。
6号線も、福島県に入ると急に歩道が歩道らしくなる。あの波乗りのような起伏に富んだ芸術的歩道は、東北には無い。道路交通法上厳密に言うと自転車は、許された歩道しか走れないが、時速60キロを越える大型弾丸が飛び交う車道に命を掛けるよりは、少々違反を承知で、歩道を走って危険を避ける。最近「危険を避ける場合自転車の歩道乗り入れも許される」と改正されたとも聞くが・・・。
いわき以降は、交互通行だが完全に立派な歩道が整備されていた。
行政も優しい。
歩道の切れ目に、「ここから歩道がありません。横断歩道を渡って下さい」と、優しい標識がある。横断歩道の押しボタン信号も、歩行者優先、待つほどもなく青に変わる。極め付きは、「歩道狭し、歩行注意」という標識まであった。
少し例えがおかしいかもしれないが、「讃岐の人は皆うどんの味を知っている。だから讃岐うどんは美味しい」。「東北の人は皆優しい。だから行政も優しい」。
文句を言っても行政は変わらない。行政は、住民を映す鏡だ。
たんぽぽに 行き先を問う 田んぼ道
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