5月14日。月。曇り。士別。3025/55キロ。
旭川は、国道40号線の起点である。道路標識上に、初めて稚内の文字が現れた。ここから251キロ。いよいよ第四コーナーを回った。
旭川を出て約30キロ、塩狩峠の頂上付近で走行メーターが丁度3000キロを指し示した。3の後の0が綺麗に並ぶ。
自転車を停め、ヘルメットを脱いで、過ぎこし方に感謝の手を合わせる。眼下に霞む空知の山並み、その向こうのその又向こうの、はるかに向こうの海の向こうから来たのだ。
更に、峠の向こうの見えない彼方に、安全を祈願して手を合わせる。気分はもう着いた気分だが、残りは200キロを越える。四国の端から端まで、松山〜徳島は200キロ。まだまだ気は許せない。
峠の桜はまだ八分咲き。峠を越え和寒に入ると、周りの風景が一段と北海道らしくなってきた。遠く万年雪を頂いた山脈、手前の丘陵には唐松と白樺の林、点在する赤い屋根の農家、緩やかなスロープに麦畑、牛は見えなかったが見えて欲しかった。
水田は、旭川の郊外に僅かにあったのが最後、水稲の北限地帯を越えたのだろう。今朝の気象情報によると、旭川の最高気温は15℃、稚内は7℃だった。これから200キロ、北国の更に北の果てに向かう。
塩狩や 雪は峠に 春の風
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