の書

作中に登場する呪術・呪法の意味・解説です。

※最新追加項目:<呪術>攻撃型「紅蓮の翼」、防御型「風幻の糸」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

+基礎知識+

四大要素

呪術は術者の持つ術力(この強さで上位下位が決まる)と、
その場に存在する自然エネルギーとが
言葉により結合して生み出されるものである。
世界には以下の四つの基本となる要素が存在しているとされる。

火(フォルン)/水(アリム)/風(テス)/地(リアス)

この四つの力により、呪術はその性質が確定する。
なお、高位の呪術師はこの四つに加え、
二つの属性を有する要素をも使用でき、より強力な呪術を行使できる。
なお、ニ属性要素として有名なのは以下のものがある。

雷(デルダ) 水+風/氷(フィーリ) 火+水/樹(ウィード) 水+地/溶岩(アグルー) 火+地

基礎知識 / 呪術 / 呪法 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

+呪術+

一般的に『呪術師』が使用する技を示す。
使用方法により
『召喚型』『攻撃型』『防御型』『支援型』などに分類される。

<召喚型>

その大部分が禁呪に分類され、
現在では使用可能な呪術師も極少数と言われる高度な呪術。
使用する際、必ず何らかの対価を必要とするのが特徴。

《闇の王》召喚

メイ・カリェン・ダルーナ・マティオス/グリナ・ラーナ・セルヴ
カリェン・イ・ウェルシュ・ムーザ/イスト・ケルプ・ラーナ・ソアラ

訳:闇の王よ、来たれ。我が血を捧げん。来たりて願いを叶えよ。我が命を代償とするなり。

召喚型に属するものの中で、
詠唱自体は比較的短いが、成功率はかなり低いとされる呪術。
その為、術者の力量と術力を問われる。
《闇の王》と呼ばれる異界のものを召喚し、
対価と引き換えにどのような願いも叶えられると伝わっている。
なお、仮に召喚が成功しても、必ずしも契約を結べるとは限らない。
術者の血液を召喚媒体とする上に、召喚が成功した後、
契約を交わす対価は術者自体の命である為、当然ながら禁呪。

《狭間の門番》召喚

ハーレイ・スフィラ/メイ・オルファー・ラーナ・オルディル・イ・エピレ・テア・ディアス
(ライ・イスト・クロサティキル/クナティータ・ペルセム・ガス・ナ・ロト
スフィラ・ナ・プロティアン/メイ・カリェン・イ・ロティナ・テア・ゲイド
グリナ・ラーナ・グルーレ・フィ・ヘイル)/メイ・オティア・ロト

訳:堅牢なる空間よ。我が命に従い、その身を撓めよ。
(我は鍵なり。狭間の道を知る者なり。
空間の守護者よ。来たりてその門へ導け。ここに我が力を捧げん)道を開け。

召喚型に属する、術者の力量を非常に問われる空間転送呪術。
空間を術力により強制的に歪曲させる事により、
単体のみならず複数の対象を術者の望む場所に瞬時に移動させる事が可能。
ただしその際にかかる肉体的・精神的負荷の結果、
対象の精神状態を著しく混乱させる恐れがある。
対価となるのは術者の術力自体。
転送する対象の数や距離により、求められる力は変わるが、
術者によっては全ての力を失くし、呪術師生命を失う事もある。
その危険性により禁呪とされている。

※なお、本篇(第三章(6))では間を省略した形で行使されているが、
本来はそのような事をすれば確実に術が破綻し、
場合によってはその周辺が全て消し飛ぶ可能性がある。
使用した人物だけの特殊性の表れである。

《陰冥の門》召喚

メイ・カリェン・ゲイド・ダル・イ・ピューラ
アイダ・メイズ・ナ・ダーナ・マティオス・フィッツ・チェイル・クロサティキル・ラーナ・ワイド
オリル・ゴーラ・《ラーマナ》・コンフィータ・オルディキル
ニア・エピレ・テア・マキュリタル
ライ・ムーゼ・レシティプーラ・グレイブ・ナ・ラーナ・パルメ・ネゴール
ミューザ/メイ・コンナス・ウェイ・グレイブ/メイ・オティア・ゲイド

訳:闇と眠りの門よ、来たれ。
闇の王の名において、我が言葉を鍵となさん。
均衡を司りし唯一の神《ラーマナ》よ。その支配を緩めたまえ。
我は汝の片割れたる、女神の界を受け入れん事を願うなり。
月よ。二つの界を繋げよ。門を開け。

召喚型に属する中でも最上位の一つに位置する呪術。
かつて混在し、現在では完全に分かたれた《陰冥界》との接点を、
ニ界に存在する月を媒介に術力を用いて一時的に作り出し、互いの行き来を可能とする。
対価は術者の血肉となるが、
それには《陽明界》と《陰冥界》両方のものを必要とし、
それがこの術の難度をさらに高めるばかりか使用可能な人間を選ぶ事になり、
禁呪というよりはむしろ忘れ去られた術である。
保持時間は術者の能力の高さに依る。
この呪術には何故か唯一神ラーマナの名が登場し、
一部神官が用いる聖句に似た部分もあるが、その理由は不明である。
なお、《陰冥の門》を召喚せずともごく自然に二つの界が繋がる事もある。

<攻撃型>

自然界のエネルギーを使用して、主に対象への攻撃を目的に発動する呪術。
術者の能力が高いほど威力は上がり、詠唱も短くて済む。

*New 紅蓮の翼

フィッツ・ディスティーザ・ラーナ・エイム/メイ・カリェン・レイディア・フェレム

訳:我が敵を滅ぼさん。赤き翼よ来たれ。

火の要素と風の要素を使用した攻撃型呪術。
生み出した炎を風により広範囲に向かって展開する火の範囲呪術の一つ。
難易度はその場の火の要素の存在率と術者の能力に依る。
高位の者であれば小さな街くらいは焼き払う事も不可能ではない。

<防御型>

自然界のエネルギーを使用して、主に術者の防御を目的に発動する呪術。
術者の能力が高いほど、詠唱は短くて済む。

風の防御壁

メイ・プロス・テス(上級者)
ニア・プロス・テス・ラーナ・ディアス(初級者)

訳:風よ、(我が身を)守れ。

最も基本となる風を使用した防御呪術。
当然ながら、高位の呪術者である程、その強度は増す。
なお「メイ」は強制を意味し、「ニア」は依頼を意味する言葉。
能力の低い術者が「メイ」を使用すると、術が暴走する危険を伴う為、
この言葉をつけるかつけないかで、術者の程度を測る事も出来る。

封火水陣

アリム・ニスト・エリル/メイ・シェルク・フォルン・ナ・メシエ

訳:大気に宿りし水よ。火の種を封じよ。

一定範囲内に水の力場を作り出し、対属性である火を封じる防御呪術。
発動している間は、火に属する術は基本的に使用出来ない
(相手が術者よりも高位の場合は、その限りではない)。
一点ではなく範囲が対象となる為、難易度は高い。
同じ火を封じる呪術に『封火風陣』があるが、
この場合、その場の空気が極度に希薄になる為、
展開範囲にいる人間の命は保障されない。
なお、逆に火により水を封じる『封水火陣』も存在する(変更部分は要素名)。

*New 風幻の糸

テス/ガルス・ペルセム・ナ・フリエ/メイ・エナージェ・テア・ハール

訳:風よ。最も自由なる者よ。その手を広げよ。

風の要素を使用した支援型呪術。
落下の際にその速度を緩和し、衝撃を和らげ効果を持つ初級呪術。
緊急時には後半のみを使用する事が多いが、
効果は短く無風状態だと発動しない。

<支援型>

自然界のエネルギーを使用して、主に攻撃・防御の支援をする呪術。
呪術者の能力が高いほど成功率は高い。

囚われの鳥

チェラータ・バドゥ/ライ・シェルク・カージュ

訳:囚われの鳥よ。我は(汝を)籠に封じたり。

風と大地の力を使用した捕縛呪術。対象の身体の自由を奪う事が出来る。
対象の精神状態によって成功率は変動し、
術者の力量によってその度合いも変わってくるが、
成功すれば術者が解除する意志を持たない限り、永続的に支配する事も可能。
基本的に上級者向け。

呪縛の蔓(かずら)

メイ・チェル・リアス(上級者)
ニア・チェル・リアス・ラーナ・エイム(初級者)

訳:大地よ、(我が敵を)捕えよ。

大地の力を使用した基本的な捕縛呪術。
高位の呪術者である程、その強度は増す。
対象の身体の自由を奪えるが、束縛度は低く、会話などは普通に可能。
難易度が低い分、持続性も短い。
初級者の場合は捕縛よりも足止めをする為に使用する事の方が多い。

祝福の息吹

リオン/ペルセム・イルシータ・ロニ・リアス
レシテ・リューシ・ナ・モレス・メイ(ニア)・アウィータ・グルーレ・ニスティータ・テア・ディアス

訳:鋼よ。大地より生まれしものよ。
母の息吹を受け、その身に宿りし力を目覚めさせよ。

大地の力を使用した武器・防具の強化を目的とした補助呪術。
潜在的に大地の力を受けている金属で作られた武器・防具にのみ効果を発揮する。
この呪術の作用を受けた武器・防具は硬度・重さ・破壊力などが全て上昇するが、
展開範囲が広がるほどにその成功率は下がり、
仮に成功しても十分な強化が行えない場合もある。
強化の度合いは術者の術力に依る。
また、支援型の呪術としては比較的詠唱が長いのも難点。

氷霧の腕(かいな)

メイ(ニア)・ゲイル・リテラ・ペルセム・イ・チェイル・カイネ・ラーナ・バリス

訳:小さき者よ、集いて汝の腕を鎖と化せ。

二属性要素である氷の力を使用した捕縛呪術。
空気中の水分を凍結させる事で対象の手足を封じ、その自由を奪う。
難度としてはやや中級レベルだが、
北領など特に氷の要素を多く含む場においては、他の術よりもよく使用される。

万象転属

マキュリータ・ペルセム
アイダ・メイズ・ナ・(ダーナ・ネゴーラ)・フィッツ・リリト・マーナ・ヴィンディル
ヘリアス・イ・アレル・エファト/メイ・オルファー・ラーナ・オルディル

訳:支配されし者よ。(闇の女神の)名において、汝の束縛を解き放たん。
天地、そして全ての要素よ。我が命に従え。

すでに他者の術中にある対象を術より解放しその場の要素を支配する事で、
相手の術を封じる解呪及び封呪を目的とした支援型呪術。
( )内には術者の名前かそれに類するものが入る。
解呪と要素の支配の二段階に分かれ、
相手が術者よりも遥かに格下の場合、
前段階だけで終わっても問題がない場合も多い。
前段階、後段階どちらも高度な術だが、
特に後者は術者の力量により展開範囲が変動する。
非常に難易度は高いが、
成功すれば自分以外の呪術師の術を完全に封じる事が出来るばかりか、
あらゆる要素に関する呪術の成功率が飛躍的に上昇する利点がある。

緑歌幻惑

メイ・ピューレ・(デンジェ・プロティアン・ナ・ウィルタ)
ウィルタ・ラピティータ・ペルセム・リアス・イ・アリム
メイ(ニア)・シリング・シリンクル・ナ・フィーチス

訳:(獰猛なる森の守護者よ)眠りに就け。
大地と水に愛されし森よ。幻惑の歌を歌え。

二属性要素である樹(ウィード)と風の要素を使用した支援型呪術。
葉ずれの音により、対象に有効なある『音』を作り出す事で、対象を昏睡・幻惑させる。
人に対しても有効だが、特に動物に対する効果が高い。
難易度は低いが、あらかじめ風の要素が存在している場合はその成功率は上昇する。

基礎知識 / 呪術 / 呪法 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

+呪法+

いわゆる『呪詛』。その全てが禁術。
その為、呪術とは区別して扱われる。
現在、この呪法に関しては僅かに言い伝えられているばかりで、
実際に使用出来る者は皆無と言われている。
その性質によって
『直接攻撃型』『精神作用型』『暗示発動型』などがある。

<直接攻撃型>

対象に対し、直接的に攻撃を加えて殺傷する事を目的とした呪法。
呪術における攻撃型呪術との違いは、
その難度と複雑性、及び殺傷力の高さにある。
精神作用型や暗示発動型と異なり、
肉体的に作用させる為に成功率は低めで状況によっては回避も可能。

死の抱擁(ほうよう)

メイ(ニア)・ゲイル・リテラ・ペルセム・イ・チェイル・カイネ・ラーナ・バリス
メイ・リング・ピューラ・デ・テア・リューシ
テレ・イスト・ピューラ・ナ・ディーズ/フューグ・アレル・ノア・リオヴァ

訳:小さき者よ、集いて汝の腕を鎖となせ。
その息吹により、眠りを齎せ。
そは死の眠りなり。全てを抱き、離す事なかれ。

氷の力を利用した捕縛呪術『氷霧の腕』を発展させた、変わり種の呪法。
対象の身体の自由を奪うばかりでなく、
その細胞を完全に凍結させその生命活動を停止させる。
一度発動すると術者が解呪を望むか、
その場に存在する全ての氷の要素を消去させない限り、
永続的に効果が続く。
呪術と呪法が同時に使用される、一種の複合呪。
基本的に広範囲に点在する対象が標的となる為、
成功率は低いが成功すれば複数の対象を一掃する事も可能。

<精神作用型>

対象の精神に干渉し、支配あるいは破壊を目的とした呪法。
肉体を傷つけずに対象の命を奪う事が出来るが、
それ故に基本的に詠唱が長く、捕縛系呪術と共に使用する事が多い。
成功率は対象の精神状態によって変動。術を展開する際、
対象の身体に直接触れる事で成功率は飛躍的に上昇する。

死の楔(くさび)

ライ・マキュール・マーナ・ディアス・ウェル・サザーラ・ティ・イ・レレーラ・ペイザ
ディスティーザ・ソアラ

訳:我、千の針と百の楔をもって汝の肉体を支配せり。魂よ滅びよ。

対象の神経を支配し、最終的に生きながら心臓を潰す高度な呪殺系呪法。
術は対象の神経の支配と心臓を潰す二段階に分かれており、
前段階が成功した後ならば、別の呪術や呪法を使用する事も可能。
かつては拷問に使用されていた事もあったらしい。
前段階が成功している場合、最終段階の死は術者が死亡しない限り回避不可能。

時盗人

シェルキータ・タリム・ディアス・ナ・ケーゼン
フィッツ・リリト・テア・ヴァイズ/メイ・アーワ・タリム
カリェン・ライ・デ・ロティ/ライ・イスト・マーナ・マティオス
メイ・アーワ・タリム・イ・スピル・アレル

訳:肉体の器に封じられし時よ。
その枷より解放せん。目覚めよ、時よ。
導きに従い、我が元へ来たれ。我は汝の支配者なり。
時よ、目覚めその全てを語れ。

対象の記憶を強制的に奪い、必要な情報を取り出す呪法。
元々は呪術に属する技だったが、
高確率で対象の精神破壊を引き起こす危険から呪法へと分類された。
成功率は術者の術力に依る。
詠唱が非常に長い為、捕縛系呪術との併用は必須。

<暗示発動型>

対象にあらかじめ暗示をかけ、
暗示が解けた瞬間に術を発動させる遠隔操作的な呪法。
その場にいなくても対象の命を奪う事が可能な為、
口封じや暗殺に使用されていた。
暗示をかける際には捕縛あるいは精神作用のある呪術を使用する必要がある。

滅魂の種

フルク・フォルン/キア・ペルセム・イスト・ラーナ・レヴィ
ピューレ・アイダ・ネイド・フィ・カンティータ・タリム・ラーナ・オルディル・メイ・ディスティーザ・キア・ディアス

訳:忠実なる炎よ。この者、我が僕(しもべ)なり。
内にて眠り、我が命に背きし時はこの身を滅ぼせ。

対象へ弱い暗示をかけ、
対象がその暗示を自ら破った事を鍵として発動する呪殺系呪法。
『種』として対象の体内に封じる力はどの要素でも構わないが(この場合は「火」)、
証拠隠滅を意図して火の要素を使用する事が多い。
火の場合は、体内で発火し対象を内から焼く。
術者の力量によりその強さは変動するが、
かけられているかどうかは発動する(対象が暗示を破る)までわからない為、
対象の命が助かる事はまずない。

基礎知識 / 呪術 / 呪法 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Copyright(C)  'Ryuko Munakata' All rights reserved.