天 秤 の BGMを鳴らす?

滅びてしまえ、こんな世界など──。

ある日突然 世界を統べる皇帝が乱心した。
彼は自らの血を継ぐ子供達を手にかけ、世界を混乱に沈めた。

幼い皇女は決意する。

自らが生き延びる為、父の凶行を止める為に、
二度と戻る事の出来ない道へ足を踏み入れる事を──。

※最新更新:「天秤の月」第五章 皇帝カルガンド(9)

◆現在、メインサイト閉鎖→作品移行中につき更新休止中です。

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+設定資料+

月の記憶

「天秤の月」の設定資料です。

呪術の書

作中に登場する呪術・呪法の意味・解説です。

設定資料 / 本篇 / 外伝 / 記念作品

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+本篇+

 天秤の月 (序章・第一章 皇女ミルファ) <完結>
舞台:帝都→南領→東領 / 原稿用紙換算:182枚 / 文庫本換算:142P

── 我が主に、玉座を。
少年の願いは、少女を戦いの場へと導いた。

*概要

ある日、突然世界を統べる皇帝が乱心した──。
実の父に命を狙われ、自らが生き延びる為、そして乱された世界を再び正す為、自ら剣を取る道を選んだ皇女ミルファの物語。

この章では物語の発端と、それから五年後、父に対して挙兵したミルファとそれを取り囲む状況について語られます。

*目次(HTML版)

 序章(1)  序章(2)

 第一章(1)  第一章(2)  第一章(3)  第一章(4)  第一章(5)

 第一章(6)  第一章(7)  第一章(8)  第一章(9)  第一章(10)

 第一章(11)  第一章(12)  第一章(13)  第一章(14)  第一章(15)

 第一章(16)

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*本文抜粋

「貴方様が己の意志で選んだ道を、お進みなされば良いのです。御自身が信じた道ならば、それが貴方様にとって正しいものとなるはず。…私はその道が出来るだけ平らかなものとなるよう、ご助力いたします」
「……」
 今まで弱音を吐く度に、何度も耳にしたザルームの言葉。
 それはたとえミルファが間違った道に進んでも、仕え続けると言っているようなもの。
 ミルファは思いつめていた表情をふと緩め、苦笑混じりに呟いた。
「…お前は、私に甘過ぎる」
 するとザルームは生真面目な口調で珍しく言い返した。
「ミルファ様が御自身に厳し過ぎるのですよ」

----------------- 第一章 皇女ミルファ(6)より

 天秤の月 (第二章 騎士ルウェン) <完結>
舞台:南領ライエ→セイリェン / 原稿用紙換算:245枚 / 文庫本換算:188P

…俺は、殿下の仇を討ちたい。
再び剣の誓いを果たす為に、彼は南の地を目指した。

*概要

《東領の変》から半月。
南領を目指したルウェンは、常人離れした早さで南の地へと辿り着く。
彼の目的はただ一つ。
皇女ミルファに会い、かつて果たせなかった誓いを胸に、再び戦いに剣を捧げる事──!

この章では騎士ルウェンを中心に、ついに父を倒す事を決意したミルファの帝都への行軍について語られます。

*目次(HTML版)

 第二章(1)  第二章(2)  第二章(3)  第二章(4)  第二章(5)

 第二章(6)  第二章(7)   第二章(8)  第二章(9)  第二章(10)

 第二章(11)  第二章(12)  第二章(13)  第二章(14)  第二章(15)

 第二章(16)  第二章(17)  第二章(18)

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*本文抜粋

 あの夜の事は、教訓として彼の身体と心に刻まれている。
 苦い悔恨も、無力感も、やり場のない憤りも── 全てこれからに昇華して。
(…倒す!!)
 強い意志を持った瞬間、彼の目は赤く染まった。それは目の前の魔物の赤い目と似て異なる輝き。
 彼の頭は目の前の敵を倒す事だけに集中する。もう、他の事は目に入らない。
「…ぅおおおおおっ!!」
 吼えると同時に爪を弾き返し、そのまま低い体勢を取りながら魔物に接近する。そして。

 …── ザシュッ!!

 そのまま魔物の足元を擦り抜けるように、横へと駆け抜けながら剣を走らせる。
 それは十分な体重と勢いを受けて、深々と魔物の足の肉を切り裂いた。

----------------- 第二章 騎士ルウェン(14)より

 天秤の月 (第三章 聖女ティレーマ) <完結>
舞台:南領→西領 / 原稿用紙換算:271枚 / 文庫本換算:207P

この自分にも、生まれてきた意味が本当にあるのだろうか──。
聖女と皇女、二つの立場の狭間で彼女は思い悩む。

*概要

ついに進軍を開始したミルファ。
だが、彼女は北ではなく西の地を目指す。
西領── そこにいるのは生き残った二人の皇女の内の一人、第二皇女ティレーマ。
もう、これ以上喪いたくない…ミルファの願いは叶うのか?

この章ではほとんど面識を持つ事なく育ったミルファとティレーマ、二人の皇女姉妹の再会を中心に、深刻さを増す戦いの日々について語られます。

*目次(HTML版)

 第三章(1)  第三章(2)  第三章(3)  第三章(4)  第三章(5)

 第三章(6)  第三章(7)  第三章(8)  第三章(9)  第三章(10)

 第三章(11)  第三章(12)  第三章(13)  第三章(14)  第三章(15)

 第三章(16)  第三章(17)  第三章(18)

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*本文抜粋

 切っ掛けは、一つの花だった。
 一晩中吹き荒れた嵐が去った翌日、主神殿の荒れた庭園を片付けていた時のこと。
 足元に散らばった無数の花を見下ろして、たとえようもなく淋しさを感じた。
 色鮮やかな朱色のその花は、風によって根元から倒れ、花びらは散らされ、濁った泥水のを被って見るも無残なものだった。
 …昨日の朝、ようやく咲いたばかりだったのに。
 見習い神官は特に重要な役目もなく、神殿内の清掃や美化が仕事らしい仕事だった。
 庭の一角にその花を植えたのは、春先のまだ寒い頃。夏から秋の暖かい時期に咲く、西領では少し珍しい花。
 ── 思い出の、花。

----------------- 第三章 聖女ティレーマ(5)より

 天秤の月 (第四章 呪術師ザルーム) <完結>
舞台:西領 / 原稿用紙換算:389枚 / 文庫本換算:303P

審判の日は── 近い。
近付く『終焉』を前に、呪術師はただ自らの主の幸いを願う。

*概要

西の地を離れ、帝都への道を進み始めた反乱軍。
ティレーマが加わり、ミルファの周囲は行軍中にありながらも和やかさが生まれつつあった。
だがそれは、結果としてミルファとザルームの距離を広げて──。

この章では、呪術師ザルームの真実を中心に、未だ謎に包まれたままの物語の核心について語られます。

*目次(HTML版)

 第四章(1)  第四章(2)  第四章(3)  第四章(4)  第四章(5)

 第四章(6)  第四章(7)  第四章(8)  第四章(9)  第四章(10)

 第四章(11)  第四章(12)  第四章(13)  第四章(14)  第四章(15)

 第四章(16)  第四章(17)  第四章(18)  第四章(19)  第四章(20)

 第四章(21)  第四章(22)  第四章(23)  第四章(24)

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*本文抜粋

「ならば、お前はわかっていたはずだ。私がどんなに…『人間』でありたいと望んでいたかをな!」
「…!!」

 ザンッ!

 皇帝の言葉と共に凶刃はサーマの肩口から腹の辺りまでを切り裂いていた。
(── お母様……!!)
 悲鳴すら上げる事もなく、サーマが床へと倒れ伏す。たちまち床がサーマの血潮で染まって行く。
 その次第を瞬きする事すら出来ずに見つめるミルファの前で、皇帝はさらに信じがたい言葉を口にした。

「私が知りたい真実は一つだけだ。サーマ…本当にミルファは私の子か?」

----------------- 第四章 呪術師ザルーム(21)より

 天秤の月 (第五章 皇帝カルガンド) ※連載中
舞台:帝都 / 原稿用紙換算:***枚 / 文庫本換算:***P

それは何人にも『呪い』だと認識されない呪い──。
一人、『皇帝』の名を継ぐ者は終焉の訪れを待つ。

*概要

五年という月日の果てに、ついに帝都へ足を踏み入れたミルファ。
封じていた過去を乗り越え、前に進む事を選んだミルファはその先に待つであろう、父・皇帝の在り方に疑問を抱く。
何故、『皇帝』は己を殺さねばならないのかと──。

この章では、乱心した皇帝を中心に物語の裏側について語られます。

*目次

 第五章(1)  第五章(2)  第五章(3)  第五章(4)  第五章(5)

 第五章(6)  第五章(7)  第五章(8)  第五章(9)*up

*本文抜粋

(…『皇帝』は何故、そこまで自分を殺さねばならないの)
 多くの人に囲まれて、必要とされて── けれど、自分からはその手を取る事も、手を伸ばす事も許されない。
 それはあまりにも不自然な在り方。
 自分が一人ではないと感じれば感じるほど、父の狂気はそこにあるのではないかと、思わずにはいられない。
(私が戦うべきものは、お父様自身ではないのかもしれない……)
 そして、もしかしたら魔物を操る人物ですらないのかもしれない。もちろん、無関係ではないのだろうけれども──。

----------------- 第五章 皇帝カルガンド(3)より

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+外伝+

 時の足跡 (外伝)
*概要

 これは自作「天秤の月」の外伝を集めた短篇集です。
 本篇では触れられない部分を補完する物語をこちらに置いて行きます。

*目次(HTML版)

 ・光の庭 ( 前篇  中篇  後篇 ) <完結>

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 「わたくしと勝負なさい!」
 この一言から始まった隠れん坊勝負。
 果たして、勝つのは……?
 「天秤の月」より過去、ミルファとケアンの出会い篇。
 ミルファが帝宮で『わがまま姫』と呼ばれていた頃の物語です。

 ・小さな願い ( 前篇  後篇 ) <完結>

 ⇒DL(8KB/プレーンテキスト/ZIP形式)

 「血というものは、争えないものだな」
 幼い少女の夢は、過ぎ去った過去を引き連れて──。
 ミルファ六歳、皇帝陛下との触れ合い篇。
 後篇は皇帝とサーマの因縁がちょっとだけ語られます。

 ・野ばら ( 前篇  中篇  後篇 ) <完結>

 そして── 幼いその手は、自らを守る『棘』を手にした。
 ミルファ十三歳、南領の生活篇。
 ジュール視点で語られる、ミルファが南領へ辿り着いた頃の物語です。

 ⇒DL(13KB/プレーンテキスト/ZIP形式)

 ・心の扉 ( 前篇  中篇 後篇 Epilogue ) <完結>

 「君、知らない事を知る事は好きかい?」
 それが、それまで封じられていた心を解き放つ呪文。
 ケアン七歳、大神殿入りの道中篇。
 ケアンが北の主神殿から帝都の大神殿へ向かった時の物語です。

 ⇒DL(17KB/プレーンテキスト/ZIP形式)

 ・領主夫人は見習い中 ( 前篇 中篇 後篇 ) <完結>

 「やっぱり、今日も…叔母上は姿を見せてはくれないのですね?」
 南領に来て一月── その間、一度として姿を見せない(未来の)領主夫人とは?
 ミルファ十三歳、南領の生活篇その2。
 ミルファと、後に小包(笑)を送ってくる事になるジュールの婚約者・コーディアの始まりの物語です。

 ⇒DL(16KB/プレーンテキスト/ZIP形式)

*本文抜粋

 今は亡き母、サーマはあまり実家の事を話さなかったので、知らない事の方が多い。
 たとえば、母の上には母の違う兄が二人いて、それぞれが現在地方で生活しているという事も、南領に来てから知った事だ。
 そして── 叔父であるジュールの婚約者、すなわち未来の領主夫人となる人物についてもそうだった。
 すでにコリムの妻は亡くなっており、ミルファから見ると義理の叔母となるその人が実質的にこの領館の女主人と言える人物だ。
 いかなる理由か、まだ婚姻こそしていないそうだが、とっくに会って挨拶の一つはしていても不思議ではない人である。
 ── だが、しかし。
 もう一月にもなろうと言うのに、ミルファは未だにその人物と顔を合わせるはおろか、姿自体を見た事がないのだった。

----------------- 領主夫人は見習い中(前篇)より

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+記念作品+

 記念作品 (外伝)
*概要

 こちらには「天秤の月」のイベント絡みなどで作成した作品をおいてゆきます。
 『時の足跡』と異なり、デンパンブックスでは公開しないHTML版オンリー作品です。

*目次(HTML版)

 ・あなたに光があるように <完結>

 あなたに光があるように。
 それだけが、光を見つめる事しか出来ない影の願い。
 1000アクセス記念人気投票第一位になったザルームの外伝。
 第二章ラスト直前、セイリェンの街での一幕。

*本文抜粋

「── 血の匂いがする」
 不意に聞こえてきた声に、彼はびくっとその肩を震わせた。
 人目につかぬ物陰の、更にその暗い影に身を溶け込ませるようにして蹲(うずくま)っていた彼は、ゆっくりと伏せていたその頭を持ち上げ、気配すらも感じさせずに目の前に立つ人影に目を向けた。
 …たった、それだけの行為なのに、身体はギシギシとまるで錆びついたようにぎこちない。
 その重い身体を持て余しながら、朦朧(もうろう)としつつある頭の中に浮かんだのは、やはり来たか、という確信だけだった。

----------------- あなたに光があるように より

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