前の実家には2つの階段がありました。
一つは玄関を入ると目の前にある階段。
もう一つは玄関を上がって右側に行き、左に曲がったところの左側にある階段。
この話しは玄関入ってすぐの所にある階段のことです。
この階段はよく話しにある「首吊り台の階段」と同じ段数の“13段”でした。
この階段の上には弟の部屋がありました。
私の部屋はこの階段の左隣にあり、階段を上り下りする音がよく聞こえました。
ある夜の事。階段を降りる音が聞こえたので、てっきり弟がお腹が減って夜食でも食べに行ったのだと思いました。
しばらくするとまた階段を降りる音がします。
(あれ?弟一人しか居ないはずなのに…)
私は部屋を出て、弟に
「さっき階段降りてこなかった?」
と聞くと
「ううん、降りてないよ」
との返答がありました。
時間が時間だったので、ちょっと背筋のあたりが涼しくなりました。