Kannaduki kaidan

駅にて

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              以前友人と遊んだ後、帰るために地下鉄の入り口へと向かっていた。
              階段が逆「く」の字になっていたのですが、最初の角を曲がった所で階段の下を男の人が右手から左手の方へ歩いて
              いくのが見えました。
              地元人にも関わらず、そこの駅の構造はいまいちよく分かってなかったので、
              (あぁ、あっちにも地下道があるんだなぁ)
              と思っていました。
              しかし、階段を降りきったときに左手の方を見たところ、
              壁。
              じゃあ、さっきの男の人はどこへ?
              水色と白の横じまのシャツや紺のジーパンなど細かい所まで見えていたのに、忽然と消えてしまっていたのです。
          
              この話、実は後日談がありまして、翌日また友人に再会したときにその話しをしたところ、その友人も時間は十数分ほ
              どずれていましたが、同じ人物に会っていたんです。
              この友人、遠くから遊びに来たので駅の近くのホテルに宿泊していました。
              ホテルの前まで来たときにすぐ前を歩いている男の人に気付きました。
              その時は何も思わず、メガネが曇っていたのでメガネを外し拭いてからまたかけ直したところ、前方の男の人は消えて
              いたんだそうです。
              人が入れそうな所を一応確認したそうですが、どこにもいなかったと言う事です。
              不思議なのはその男の人、服装や髪型から見てどうも同一人物らしいんです。
          
              駅はその当時、工事中でして今は私の見た壁も取り払われてしまっています。
              でも、その男の人は今もその近辺を徘徊しているんでしょうかね。



              



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Akemiya 1999