Kannaduki kaidan

覗くもの

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              私が寮へ入っていた時の事。
              久しぶりに実家へ帰り、夕食後自分の部屋に行こうとした時に
              「カチャ・・・」
              と玄関の扉が開く音がした。
              お客さんかな、と思い玄関へ行くと扉が6〜7センチ開いていた
              その隙間から誰かが覗いていたのです。
              普通ならただの覗きかと思うのですが、それは開いた隙間から目が縦に並んでいたのです。
              顔を横に向けたとしても無理なほどしっかりと隙間の上下に目が並んでいました。
              そいつは私と目が合った途端、
              「パタン・・・」
              と扉を閉めてしまいました。
              扉から2〜3歩の距離にいたので、玄関に駆け降りて扉を開いてみました。
              しかし、そこには誰もいませんでした。
              玄関先には砂利が敷いてあり、どんなに静かに歩こうとしても「じゃりっじゃりっ」と音がします。
              なのに・・・。
              今までで、その体験が一番ゾッとしました。



              



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Akemiya 1999