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ドラえもん、ドラゴンボールはどうしてインドネシア制覇を実現できたのか?
〜漫画最前線からへいちゃんの報告〜


インドネシア漫画界に金字塔を打ち立てた2大漫画ドラえもんとドラゴンボール。なぜこれほどまでにインドネシアで受け入れられたのか、幾つかの視点から考えてみたいと思います。まずこの2つの漫画は日本でも大ヒットしたことを忘れてはいけないと思います。キャラクター、ストーリーは非常に完成度が高く日本を代表する漫画であり、多くの子供達に支持され今なお子供達に受け入れられています。しかし日本で受けた漫画はすべて海外で通用するのかといえばそうではありません。へいちゃんはドラえもんとドラゴンボールがうまく国際標準に適応していたと考えます。インドネシアにも小学校があって、先生がいて、ママがいて、ちょっと頭の悪い子供達がいます。あれ?ドラえもんと同じですよね。のび太のママが難しい精神論を言う訳でもない、「勉強しなさい!」の一言です。しずかちゃんが着物を着てる訳でもない。つまりストーリーの中に実は日本を必要としていないのです。読者に必要なのはいじめられっ子がいじめっ子にやり返したい、単純な人間の心理だけです。ドラゴンボールはもっと簡単です。このストーリーの舞台がどこなのか読者はわかりません。中国、バリ島?ピッコロやフリーザなどは宇宙人です。日本どころか、世界の文化土台を必要としていません。必要なのは「より強く」という純粋な感情のみです。ドラえもんとドラゴンボールはストーリーが優れてるだけででなく、感情移入のしやすさでも日本漫画の中で屈指の作品なのです。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や「ろくでなしBLUES」などがもしインドネシアで出版されてもへいちゃんはヒットすることなく惨敗を喫すると思います。だからといってこち亀が劣っているとはへいちゃんは少しも考えていません。漫画を書く段階で、世界ヒットを意識して書くような人はまずいないと思います。しかし、グローバルスタンダードに適応した漫画となると、これまたどうしても単純なストーリーになりがちです。ドラえもんとドラゴンボールはそのグローバルスタンダードを保ちながら、読者に飽きさせることなく今日の世界的大ヒットを飛ばしましたのです。へいちゃんは藤子・F・不二雄先生と鳥山明先生に心から敬意を払いたいと思います。
↑上は香港で発刊されている、「課長島耕作」です。インドネシアではヒットすることはもちろん、発刊の可能性もないと思います。もちろん描写にアダルト場面があることも事実ですが、それよりも読者層、社会基盤、日本に対する意識の違いがあります。香港、台湾などは日本の文化に対する高い関心があり、新聞には芸能情報を始め社説や論調には冷静に日本を分析した記事があります。しかしインドネシアではそれほどまでに日本に対する高い関心はありません。「ホンダがロボットを開発した」、「介護用全自動入浴システムの紹介」といったどちらかと言うと大衆に興味を抱かせる記事が中心です。すなわちインドネシアで漫画から日本を知ってみたいという、香港にあるような様態を期待することはほぼ不可能なのです。
今、インドネシアで日本漫画は高い評価を受けています。発刊されている漫画の90%は日本の漫画であると言えます。しかし香港、台湾、韓国での「日本ブーム」を慢心していては黄色シグナルが今後灯る可能性があります。日本漫画こそが世界標準と思い、漫画の国内志向が高まればインドネシアを始め多くの国で日本漫画が占める割合は少なくなってくるでしょう。一つの例に日本の歌謡界があげられます。香港、台湾でこそSMAP、酒井法子などが人気を集めていますが、インドネシアで有名な歌は坂本九さんの「上を向いて歩こう(SUKIYAKI)」、五輪真弓さんの「雨宿り」です。SMAPを知っている人はまずいません。インドネシアでの日本歌謡界は坂本九さん、五輪真弓さん以降完全に止っています。これは現在の日本歌謡界があまりに国内仕様で、海外ではほとんど通用しないことを証明しています。もちろん漫画と歌は性格が異なり一緒に比べることは出来ませんが、一つの例としてへいちゃんはちょっと強調したかったのです。インドネシアは決して豊かな国ではありません。子供達の娯楽も日本ほど種類が多くありません。へいちゃんは先進国日本からドラえもんやドラゴンボールをも上回るグローバルスタンダード漫画が出てきてくれることを本当に願っています。ほら今日も子供達がドラえもん、ドラゴンボールを読んでますよ!!


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