8月11日夕刻、壱岐勝本の宿から、湾を守るような若宮島。天気はよくない。イカ釣りの漁船が等間隔で列をなして港を出ていく。全島山国のようだった対馬から壱岐に来てみると、柔らかに起伏する大地が広々と続き、農地・山林によく人の手が入っていて、風景からすべてが女性的・田園的に感じられた。この絵で、海に出ていく漁船ですら、果樹園に収穫に行くトラクターの列のように見えた。
 
下は、壱岐風土記の丘という民家園の中心に位置する、旧富岩家住宅。左から、ホンマヤと呼ばれる倉と納屋の機能を持つ建物、オモヤ、インキョと並んでいる。他に牛舎もある、分棟式の農家配置だが、こんなに広々と配置されていたとは想像しがたい。


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