8月14日,旧鹿児島刑務所の正門。刑務所が移転した跡地が鹿児島アリーナとして整備されたが、この正門だけはその場に残された。ただ、向かいを流れる甲突川の堤防や道路の高さが上がったため、この門のGLが1m程度下がってしまった。周囲のペイブとの間に池を配して高さの差を調整しているが、全体に埋もれてしまった印象はぬぐいきれない。石積みの迫力だけは健在。
スケッチを終えての帰り道、ふと見たポスターで、このアリーナで今日一日だけの西田橋の展覧会が開催されているのを知ってひき返した。1993年8月6日のいわゆる8・6水害の際甲突川の水の流れを妨げるとして撤去された西田橋を、解体前に拓本にとった(!)市民のグループが、その拓本の合体を今日だけ、アリーナの床に並べるというイペントだった。大きな体育館とはいえ、室内に、都市的なスケールの土木構築物の写しが現れた迫力はすごい。いやそれより、西田橋を現地で保存しようと願って一つ一つの石を写し取った市民の行為に、現代美術から受けるのに似た感銘を受けた。
その西田橋は、鹿児島の海岸付近に移築されているという。明日のスケッチは決まった。



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