12/27 長崎  稲佐山
今日は、長崎港から鹿児島(串木野港)までフェリー渡る。だいぶ整備の進んだ出島経由で港へ。高松伸設計
(1995年竣工)のフェリーターミナルビルの待合室にて、乗船までの15分ぐらいで、長崎港越しに稲佐山を描い
た。あわただしく乗船し、出発。昨日、夕刻を過ごした大浦天主堂やグラバー園等を横目にフェリー(マダム・バ
タフライ)は湾外へ。実はこの時曾禰達蔵の三菱造船占勝閣の事を忘れてしまっていた。右手の高台に見える
はずだったのに・・・。しばらくすると右手に神ノ島カトリック教会(明治30)が、真っ白な姿を見せた。続いて馬込
カトリック教会堂(昭和6)が、沖ノ島という離島の集落に尖塔を高く起立させている姿も見えた。デッキに立って
右舷を見ていると、カトリック信仰の深さをしのばせる風景が左から右へを流れていく。と、突然といっていいぐ
らいぶっきらぼうに、コンクリートの島が現れた。軍艦島だった。それは廃墟の美しさといわれるようなものでは
なく、多くの人々の住むというエネルギーが、いまだ燃え残ってくすぶっているように感じられ、それが海上を伝
わってくるようで感動してしまった。

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