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12月26日、綾城
南国宮崎。綾は、二本の川がY字に合流する間の台地に広がるのどかな町だった。この城の建つ丘は特に高いという訳ではないのだが、台地に向かって舌べろのように張り出してきた丘の先端で、山城にとっては最高の立地といえるような、風景の要にピタリとはまっていた。650年前の山城を文献資料から再現したというだけあって、我々の抱く近世の城のイメージとは明らかに違う。内部の構造にも、中世の軍事施設の荒々しさといったものが感じられた。最上階からは、二本の川に挟まれた街の全貌が手に取るように見渡せる。 

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