12月30日、照国神社前

左側が、照国神社の鳥居。背後に城山が控えるこの一帯は、鹿児島市の中心部で、鶴丸城の大手町といったところである。歴史に彩られた建物・旧跡が目白押しだ。右の県立博物館(旧県立図書館)は、鹿児島の近代建築史の上では忘れられない岩下松雄の、昭和2年の作品で、分離派的なデザインが見られる。中央奥は、県立博物館考古学館で、明治16年に建てられた和洋が入り混じった石造の建物。スケッチしている僕の背後には、司馬遼太郎さんが「街道をゆく」で泊まった中原別荘がある。朝風呂の帰り、早朝の明るい光が、街を照らし始めていた。

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