13日 美々津

宮崎県では、3地区が伝統的建築物保存地区に指定されています。日南市飫肥の城下町、椎葉村の山村集落、そしてここ日南市美々津の港町です。古くは神武の東征の出航地であり、近世は高鍋藩の重要な港として栄え、日本海軍の発祥の地でもあります。かつては「美々津千軒」といわれた町も今は静かな集落ですが、新しい家を伝統的な形式で建てているのも見かけました。海岸に平行に3本の主要街路が走り、それに直行して「ツキヌケ」という幅広の道が防火帯として設けられています。そこに共同の井戸がからみ、小さなお社も祭られていて、しっかりした都市計画を感じました。さらにおもしろかったのは、街路と町屋との関係でした。各戸に「バンコ」と呼ばれるはね上げ式の縁台が設けられ、格子窓とともに、「みち」と「いえ」の関係を豊かにしており、そのバリエーションが様々見られるのです。お祭りの時などは、さぞ楽しげな都市空間が現れるのではないかと思いました。絵の正面が「まちなみセンター」で内部見学ができます。中二階とふきぬけの関係に見るべきものがありました。絵の左、道が下っていくと港です。正月飾りの漁船がもやっていました。


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