8月26日、大阪市立美術館
大阪市立美術館

 天王寺動物園のあるのは、天王寺公園の一部で、公園全体は、もともと住友家の本邸があったところです。大阪のダウンタウンはまっ平らな印象なのですが、ここは台地の端にあたっていて、最高地点の茶臼山古墳は海抜26メートルあります。台地と低地にまたがっているあたり、上野公園に似ていると言えます。動物園のある低地部分から台地が立ち上がった上に、大阪市立美術館があります。その高低差を利用して、新世界側の動物園入り口から長いブリッジが直線で美術館の足元まで延びています。このブリッジのと、その終点に端正な姿を見せる美術館の存在が、拡散しがちな動物園内の空間に秩序感を与えていて、それがモダンな印象を助けていたといえます
 今回、美術館はすでに閉館時刻をすぎていました。正面につきあたって右折し、丘を登りながら旧黒田藩屋敷長屋門を左に見ながら天王寺公園を抜け、天王寺駅に出て電車で新大阪へ。夕焼け空を背に東京へ急ぐ新幹線は、新世界のおじさんたちとは違う世界に住むような人々で満席でした。

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