アトリエ・リング 一級建築士事務所

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2012〜13 冬の旅

12月28日、往路、博多

博多町屋ふるさと館にて

朝、始発の京浜東北線に乗り込み、東京駅で朝ごはんを仕入れて、6時ちょうどに「のぞみ1号」は発車しました。 快晴とはいえなかったものの、右の車窓には、朝焼けに染まった富士山が、旅の始まりを飾ってくれました。

富士山

西に向かうにつれて、天候は下降ぎみ。岡山・広島県境あたりでは、うっすらと銀世界でした。 10時55分に、博多着。ここで5時間近く途中下車の時間をとりました。荷物を預けて、地下鉄で中洲川端へ。 やや小雨の交じる街を歩きます。まず目指したのは、日本福音ルーテル博多教会。昭和23年のヴォーリス建築です。 運河に面して、特徴的なファサードを見せていました。外装は新しくなっていて、やや残念。

日本福音ルーテル博多教会

博多駅に戻るように歩き、「博多町屋ふるさと館」へ。 江戸期に博多の町に建てられた町屋を移築復元し、展示棟・みやげもの棟を付加させて、町屋の新しい活用をねらったものです。 展示のなかで、我々にとって混同してしまっている博多と福岡のちがいや、博多どんたくの概要など、博多入門にはもってこいでした。 町屋の様子が再現されているなかで、かまどの神様のようすをスケッチしたのが、最初の画像です。 ここの隣に、もうひとつのヴォーリス建築「日本キリスト教団福岡社家町教会」がひっそりと佇んでいました。

博多町屋ふるさと館

続いて、住吉神社にお参りしました。 年末年始の準備が進む境内は、雨のせいか参拝者はまばらでした。 ここの本殿は、江戸前期に黒田長政が再建したものとされ、重要文化財に指定されています。 桧皮葺の屋根が美しかった。

住吉神社

さらに博多駅に向かう途中、うっそうとした森のお屋敷があり、公開しているようなので覗いてみました。 「楽水園」と名付けられていて、明治期、博多商人下澤善右衛門親正(しもざわ ぜんえもん ちかまさ)が建てた別荘跡が、茶室と庭のセットとして利用されているものでした。ビルの谷間のオアシスといったところでしょうか。

楽水園

さて、博多からは「さくら557号」で15時41分発。熊本までは初乗車なので、新鮮です。でも、JR九州らしい「つばめ」の800系ではなく、N700系なので、東海道新幹線がそのまま延長してきているようで、旅情がやや薄まってしまって残念。熊本を過ぎるとトンネルが多くなり、山のなかから突然大都会鹿児島の明かりが広がって、17時09分、鹿児島中央駅着。博多から1時間半というのは、驚きです。


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