ラジオドラマ・宇宙戦艦ヤマト(第1部)

キャラクター説明 オリジナルキャスト
古代 進 18歳 ヤマト戦闘隊長。島大介とは同期、熱血漢。 富山 敬
沖田十三 52歳 ヤマト艦長。冷静沈着 納谷悟朗
島 大介 18歳 ヤマト航海長。古代よりクールな面がある。 仲村秀生
太田健二郎 18歳 ヤマト航海班。レーダー担当。 安原義人
相原義一 18歳 ヤマト通信班長。 木場 剛
真田志郎 28歳 ヤマト工場長。古代守とは同期である 青野 武
佐渡酒造 47歳 ヤマト艦医。大酒飲みのオヤジ。 永井一郎
徳川彦佐衛門 65歳 ヤマトの機関長。ヤマトクルー最高齢
アナライザー 分析ロボットアナライザー 緒方賢一
森 ユキ 18歳 ヤマト生活班長。 麻上洋子
古代 守 28歳 古代進の兄。冥王星海戦で行方不明。 広川太一郎
シュルツ ガミラス冥王星基地・司令官 大林丈史
ナレーション 広川太一郎
基本配役 9:1 5:1での配役
4:3での配役
5:1(2)での、通し配役一覧
♂1 古代  進/副長/声A/将軍C
♂2 沖田十三/真田志郎/スピーカーの声/乗組員A/ヒス/ガミラス兵士B/
♂3 島  大介/佐渡酒造/アナウンス/声B/ドメル/将軍A/ガミラス兵士/藪
♂4 太田健二郎/アナライザー/徳川/シュルツ/声C/デスラー/ガミラス兵士A/加藤
♂5 ナレーション/相原義一/古代守/乗組員B/声D/ゲール/将軍B
♀1 森 ユキ
♀2 スターシャ/相原の母
台本の見方
この台本は、効果音・BGMを流して出来るように書かれています。下記に説明を良く読んで下さい。
緑ラインは、効果音・BGMに台詞がかぶります。おおよそ縦に引かれた緑ラインまで音が流れます。
基本BGMが流れてから、台詞を読んで下さい。
赤ラインは、ブリッジBGMなど台詞にかぶりません。音が消えてから台詞を出して下さい。
黒ラインは、BGM終了ラインです。これ以前に台詞が終わっても、次の台詞には行かないでください。
「間」の指示の時は多少の間を取ってもらいます。
ほかにも指示があります。ご注意下さい



Q SE-01 BGM
BGMスタート5秒位の間をあけて
ナレーション 「ラジオドラマ・宇宙戦艦ヤマト 第1部」
古代(日記) 「天国にいるお父さん、お母さん。もう一度話し相手になってください。
頭が冴えて眠ることが出来ません。だからこうして日記を書きながらお話しすることにしたんです。
西暦2199年9月6日、つまり明日、ボクは戦闘隊長として宇宙戦艦に乗り組み、14万8千光年の彼方にあるイスカンダル星へ飛び立つ事になったんです。
まだ誰も行ったことのない14万8千光年の宇宙の彼方へ・・・・・。
イスカンダルなどという星が本当にあるのかどうか、生きて地球へ戻れるのかどうか皆目見当ががつきません。
しかし、今日から1年以内にイスカンダル星を見つけだして、そこの女王スターシャからコスモクリーナーDという放射能除去装置を受け取って来なければならないのです。
もし1年過ぎてしまったら、地球に充満した放射能は地下都市まで侵して人類は絶滅してしまうでしょう。
あと1年、ボクは今日から日記を付けて天国のお父さんやお母さんとお話しすることにしました。
こうしているときだけが心の安まる時なんです。兄さんも死んでしまった今、ボクはひとりぼっち。
話し相手なんかいないんです」

ナレーション 「西暦2199年、大マゼラン星雲の太陽系サンザーにあるガミラス星は、宇宙を着々とその手に収め、今地球に魔の手を伸ばしてきた」
W SE-02 遊星爆弾 爆発
爆発の後に悲鳴が聞こえてきます、それから
アナウンス 「皆さん! 落ち着いて下さい! 落ち着いて下さい!ここまで影響はありません。ここは横浜駅です。遊星爆弾が落ちたのは三浦岬です!」
古代(中学生) 「三浦岬?! うちの方だ、じゃお父さんとお母さんは? 
(人混みを抜けるために) あ、スミマセン、ちょっと、スミマセン」

古代(M) 「あの時オレは中学生だった。守兄さんが宇宙戦士の訓練生から正規の宇宙戦士になったんで、ボクはひとり、土浦の基地へ兄さんを訪ねて行ったんだ」
「やっぱり、母さんの手作りのクッキーは旨いな」
古代(中学生) 「うん」
「元気かい? 父さん、母さん」
10 古代(中学生) 「うん。兄さんに会いたがっていたけど、病院の仕事が忙しいんだって」
「あちこちで被害が大きいからなぁ。遊星爆弾の無差別攻撃だ」
古代(中学生) 「兄さん、なんとかならないの?」
「うん・・・。世界中で組織した地球防衛軍は全力を上げて捜索してるんだけどね、宇宙の何処から飛んで来るのかさえ判らないんだ。勿論、何者がどういう目的で攻撃してくるかもね」
古代(中学生) 「遊星爆弾の放射能がどんどん広がっているんだろう?
お父さんはものすごく苦労してようやく避難用に作ってる地下都市のアパートが当たったって言ってたよ」
「進!」
古代(中学生) 「え、え?」
「どうだい、宇宙戦士に志願して、オレの後を追って来ないか?」
古代(中学生) 「兄さん・・・、オレは・・・、悪いけど・・・・」
「ハハハ、そうだったな。お前はオレと違って、花や小鳥と遊ぶのが好きだったもんな。
とても戦争が出来るとは思えん。
宇宙の侵略者はオレに任せておけ。その代わり、父さんと母さんはお前に頼んだぞ」
20 古代(中学生) 「兄さん・・・」
E SE-03 BGM
ナレーション 「古代は歩いて三浦岬まで行った。2日かかった。
古代の家も、彼の両親が勤めていた病院もすでになかった。人の影も、ネズミ一匹動く影も無かった」
R SE-04 風の音
古代(中学生) 「何処へ行ってしまったんだ、お父さん、お母さん・・・。
おとうさーん!  おかあさーん!」
古代(M) 「その時オレは見つけたんだ、一枚の布きれを・・・・」
古代(中学生) 「お母さんの服の切れ端だ! くそぅ、(泣きながら)
お母さんをよくも・・・・。よくもお母さんやお父さんを! よくも! よくもぉぉぉぉぉ!」
T SE-05 BGM ブリッジ
ナレーション 「数年後、古代は宇宙戦士の訓練生として同期生の島と共に火星基地にいた。
そして今年、2199年夏の終わり、沖田十三司令長官率いる地球艦隊は、冥王星空間宇宙に於いてガミラスの宇宙艦隊に対して決戦を挑んでいた。
そして古代の兄、守も宇宙駆逐艦ゆきかぜの艦長として戦いに加わっていた」
Y SE-06 砲撃音 戦闘
声A 「艦尾損傷! シアンガス発生!」
声B 「レーザー砲動力ストップ!」
声C 「見方巡洋艦沈没!」
声D 「駆逐艦爆破! 落伍しつつあり!」
30 沖田 「駄目だ・・・、奴らにはこの船では勝てない!」
U SE-07 BGM
沖田 「副長! 我々の艦隊はあと何隻残っているか?」
副長 「本艦の他、護衛隊長古代の船だけです」
沖田 「そうか・・・・。
もうこれまでだな、撤退しよう」
副長 「艦長! 逃げるんですか?」
沖田 「このままでは自滅するだけだ、撤退する!
古代! ワシに続け!」
守(無線より) 「ボクは嫌です! ここで撤退したら死んでいった者に顔向け出来ません!」
沖田 「いいか古代、ここで今全滅してしまったら、地球を守る為に戦う者がいなくなってしまうのだ。
明日の為に、今日の屈辱に耐えるんだ、それが男だ!」
守(無線より) 「沖田さん! 男だったら、戦って! 戦って! 戦い抜いて!
一つでも多くの敵をやっつけて死ぬべきじゃないんですか!」
沖田 「古代、判ってくれ!」
40 声A 「針路変更完了!」
副長 「艦長! 古代くんの船がついて来ません!」
沖田 「古代!」
守(無線より) 「沖田艦長、ボクはどうしても逃げる気になりません・・・・。見逃して下さい!」
沖田 「古代、死ぬなよ!」
I SE-08 古代艦爆発
スピーカーからの声 「こちら地球防衛軍司令部。火星基地の訓練生、古代進、島大介、聞こえるか?」
古代 「はい! 古代進聞こえます」
「島大介聞こえます」
スピーカーからの声 「冥王星海戦の最中に、新たな宇宙船が現れ、地球へ軌道を取ったが謎の宇宙艦隊の攻撃を受け大破した。大至急その宇宙船を救助、調査せよ!」
O SE-09 BGM
ナレーション 「謎の宇宙船は大破していたが、現場に急行した古代と島はそこに投げ出されていたひとりの女を発見した。イスカンダル星の使者、サーシャだった。
すでに息絶えていたが、彼女の手にしっかりと握られている物があった」
50 古代 「島、これはなんだ?」
「うーむ、通信カプセルじゃないのか?」
ナレーション 「古代と島は、冥王星海戦から帰還する戦艦に合流して地球防衛軍司令部に戻り、そのエレベーターの前で沖田司令長官とはち合わせした」
古代 「沖田艦長、兄は・・・、私の兄はどうなったのでありますか?」
沖田 「キミは誰かね?」
古代 「宇宙戦士訓練生、古代進であります」
沖田 「古代? そうかキミが古代の弟か」
古代 「兄はどうしたのですか? アナタ以外の艦はどうなったのですか?」
沖田 「全滅した・・・」
古代 「全滅?」
60 沖田 「キミの兄さんは、ワシの撤退がうまくいくように、敵の真っ只中に突っ込んで行ってくれた」
古代 「何ですって! それじゃ、アナタは・・、アナタは兄を見殺しにしたんですか!」
古代(日記) 「2199年9月6日。夜が白み掛けてきた。お父さん、お母さん、ボクを守って下さい。
ボクは今日、宇宙戦艦ヤマトで飛び立ちます。
皮肉なことに、ヤマトの艦長は兄さんを見殺しにしたと言ってもいい、あの沖田十三なのです!
ボクには判りません、兄さんひとり救えなかった沖田艦長に、地球が救えるのでしょうか?」
P SE-10 BGM 歓声
ナレーション 「14万8千光年の前人未踏の旅へ出発する宇宙戦艦ヤマトへ向けて、宇宙戦士のパレードが始まった」
歓声聞こえたら
ユキ 「沖田艦長、全員乗艦を終わりました」  (乗艦 じょうかん)
沖田 「ああ、キミは森ユキと言ったな?」
ユキ 「はい、生活班長をやらせて頂くことになってます」
沖田 「幹部乗組員を第一艦橋へ集めてくれたまえ、お互いの紹介をしよう」
ユキ 「はい!」
(気持ち)
沖田 「ワシが艦長の沖田十三だ。こちらは徳川機関長」
70 徳川 「よろしくな」
沖田 「医師の佐渡先生」
佐渡 「あ〜、病気の時だけじゃなくてね、酒を飲みたい時にも相談に来いやぁ」
沖田 「先生、みんなまだ未成年なんですよ、18歳以下の」
佐渡 「へっへっへっ・・・・、イイじゃないの固いこと言わなくても。
年寄りの役目はねアンタ、子どもを大人にすることじゃよ〜」
沖田 「まぁ、そんなわけで、この3人の年寄りを除けば、乗組員は全部少年少女の宇宙戦士だ」
真田 「私はちょっと兄貴ですがね、技術班長の真田志郎です。航行中の艦(カン)の修理、武器弾薬の製造一切は私の班がやる」
「航海長の島です、ヤマトの運行プラン及び操縦は私の班がやります。
徳川機関長よろしくお願い致します」
徳川 「ああ、こっちこそよろしくな、島くん」
古代 「戦闘班長の古代進です」
80 ユキ 「生活班長の森ユキと申します」
相原 「通信班長相原です。レーダー担当の班員、太田を紹介しておきます」
太田 「太田です、よろしくお願いします」
真田 「じゃぁ、ボクも重要なパートナーを紹介しておこう。あらゆる分析をやってくれる、その名もアナライザー、彼はロボットなんだ」
アナライザー 「ワタシハ テンサイ」  (私は天才)
ユキ 「あぁ〜ん」(悲鳴)
沖田 「どうしたんだ、森」
ユキ 「アナライザーがいきなり私の・・・・その・・・、触ったんです」
沖田 「触ったって、何を?」
ユキ 「お尻をです・・・・」(恥ずかしがりながら)
90 一同 (笑い)
古代 「いやぁ、しかし似てるなぁ」 (一同の笑いの中)
「えっ?」
古代 「島、覚えていないか、火星に不時着して死んだ、サーシャって言ったっけ? あのイスカンダルの女性にそっくりじゃないか彼女・・」
「うん、そう言われればそうだな。いやぁスゴイ美人だ・・・・・。古代!」
古代 「ん?」
「競争するか?」
古代 「何、競争?」
「オレとお前とで、どっちが彼女を射止めるか!」
古代 「長生きするよお前、オレたちゃ戦争に行くんだぜ」
100 沖田 「充填が済んだら出発するぞ、全員発進準備にかかれ!」
ナレーション 「しかしその頃、ヤマトの動きを察知したガミラスは、冥王星基地から超大型ミサイルを発射してきた」
@ SE-11 警報音 艦内音
太田 「超大型ミサイル接近!」
ユキ 「速度、27宇宙ノット」
徳川 「エネルギー充填90%」
太田 「超大型ミサイル、地球到達まであと15分」
徳川 「エネルギー充填100%」
「エンジン始動します」
沖田 「待て、波動エンジンの始動は一発でしなければならん。万一失敗したら、やり直しが効かんのだぞ」
太田 「超大型ミサイル、ヤマトへ・・・」
110 古代 「よぉし、オレがぶっ飛ばしてやる! 南部、主砲発射用意!」
沖田 「古代!」
古代 「艦長! ぐずぐずしていると、あの超大型ミサイルで吹っ飛ばされてしまいますよ!」
沖田 「古代、エンジンが始動しなければ、すべての武器が使えんという事がわからんのか!」
相原 「地球司令部から入電、ヤマトは未だかと言って来ています」
沖田 「待てと伝えろ」
徳川 「エネルギー充填120%」
沖田 「島、エンジン始動!」
「はい、エンジン始動、スイッチオン!・・・スイッチ・・・」
古代 「おい何やってるんだ島! そんな手つきでヤマトが動かせると思っているのか?
貴様男だろしっかりやれ!」
120 「ええぃ うるせえな、初めて動かすんだ、そう簡単にいくか!」
太田 「超大型ミサイル、ヤマトまであと10分!」
「エンジン始動! スイッチオン!」
「 SE-12
60 古代 「どうしたんだよ、島!」
沖田 「古代!」
A SE-13 エンジン始動音 
「やった、やったぞ!」
古代 「ファハハハ、よーし良くやったぞ島!」
沖田 「馬鹿! 何をはしゃいでいるんだ、早く砲撃の準備をしろ!」
古代 「は、はい! そうでありました」
太田 「超大型ミサイル、ヤマトへあと5分」
130 徳川 「波動エンジン始動!」
沖田 「回転を上げろ!」
(気持ち)
沖田 「発進準備!」
「発進準備!」
沖田 「対ミサイル、主砲発射準備!」
古代 「主砲発射準備!」
(気持ち)
沖田 「ヤマト、発進!」
「ヤマト、発進します」
S SE-14 発進音の後、BGM 
BGMスタート約10秒後、盛り上がって静かになってから
太田 「超大型ミサイル、ヤマトへあと30秒!」
間(気持ち)
古代 「主砲電力連動!」
140 乗組員A 「測的完了!」
乗組員B 「自動追尾装置完了!」
古代 「ターゲットスコープオープン!」
沖田 「誤差修正右1度、上下角マイナス3度!」
古代 「目標、超大型ミサイル、ヤマトの軸線に乗りました」
沖田 「主砲発射!」
古代 「発射!」
D SE-15 主砲発射 爆発
 1分位待ち、BGMが静かになってから
ナレーション 「宇宙戦艦ヤマトは、かつて無敵を誇ったガミラスの超大型ミサイルを一蹴して飛び立った。それはこれまでのどの地球艦隊にも無かった力強さであった」
古代(日記) 西暦2199年12月31日。明日は2200年の元旦です。あれからもう106日も経ちました。
お父さん、おかあさん、いや、特別に兄さんに報告しておきます。ヤマトの性能は本当に素晴らしい物です。
まず時間を飛び越えるワープですが、波動エンジンの超高速回転で難なく達成しました。これで航海のスケジュールに間違いなく予定通り行けるでしょう。
それから波動砲。この凄まじい威力には我ながらビックリしてしまいました。
要するに波動エンジン内のエネルギーを全て光に変えて、艦首の発射口から一気に押し出すんです。
あれは丁度、木星の宇宙空間にさしかかった時でした・・・・・・・・」
F SE-16 警報 波動砲効果
「ン! 浮遊大陸、前方に確認!」
150 沖田 「波動砲用意!」
古代 「波動砲用意!」
太田 「距離、艦首前方9万9千キロ!」
沖田 「エネルギー充填!」
徳川 「エネルギー充填!」
沖田 「総員、対ショック用意!」
古代 「ターゲット・スコープ、オープン。電影クロスゲージ明度20」
太田 「目標速度ヨンマル宇宙ノット」
徳川 「エネルギー充填完了」
沖田 「発射10秒前、対閃光防御!」
160 古代 「5,4,3,2,1・・・」
古代 「発射!」
G SE-17 発射
 発射後、しばらくして
ナレーション 「オーストラリア大陸ほどの浮遊大陸は、波動砲の一撃で跡形も無く吹き飛んでいた」

真田 「しかしあんなことでいいのか?
我々は浮遊大陸のガミラス基地だけを破壊すれば良かった筈だ」
沖田 「みんな良く聞け。波動砲は我々にとって、この上ない力になることが判ったが、使用を誤ると大変な破壊武器になってしまう事も判った。
今後、使用には細心の注意が必要だ」
H SE-18 BGM
前奏が終わり、ヤマトのテーマが流れて来たら
ナレーション 「ヤマトは一路イスカンダルを目指した。だが冥王星空間へ差し掛かったとき、そこに地球を破壊しつくした遊星爆弾の発射基地のあることを知った」
古代 「艦長! 冥王星の基地を叩き潰させて下さい!」
「しかしなぁ古代、ヤマトは一刻も早くイスカンダルへ行かなければならないんだ。寄り道している時間は無い!」
古代 「島! その間に地球が全滅しちゃったら何にもならないだろう!」
沖田 「島、全速航行で冥王星に向かう!」
170 「はい!」
沖田 「可能な限り、戦闘を避けるつもりじゃったが、もう許せん!」
ナレーション 「ガミラスの冥王星基地では、シュルツ司令官が反射衛星砲という必殺武器を仕掛けて、ヤマトが接近してくるのを今や遅しと手ぐすね引いて待ち構えていた」
シュルツ 「ヤマト奴、お前達の航海もここまでだわ。
フフフ・・、反射衛星砲・・・・・・・、発射!」
J SE-19 発射 爆発
BGM始まってから
ナレーション 「反射衛星砲に死角は無い。宇宙空間にセットされた反射板へ地上から撃ち出した光線を当てて跳ね返し、あらゆる場所への攻撃を可能にしていた」
「艦長、逃げようがありません」
沖田 「島、潜水艦行動に入れ」
「はい!」
ナレーション 「しかし反射衛星砲の攻撃は、一向に止む様子は無く、ヤマトは冥王星の海でその餌食になろうとしていた」
「艦長!」
180 沖田 「見苦しいぞ。最後の最後まで、冷静に対処せよ」
「は、はい」
沖田 「古代、決死隊を組んであの光線砲を破壊しろ」
古代 「はい!」
ナレーション 「古代、真田、アナライザーと数名の宇宙戦士によって組織された決死隊は、密かに光線砲爆破に向かったが、その基地は容易に発見する事が出来なかった」
沖田(無線より) 「古代、様子を報告せよ」
古代 「こちら古代、まだ発射基地がつかめません」
沖田(無線より) 「よし、ヤマトを浮上させる」
古代 「何ですって?!」
沖田(無線より) 「奴ら、ヤマトを狙い撃ちして来るだろう・・・・」
190 古代 「そうか・・、その時に基地がつかめる!」
ナレーション 「沖田艦長は、ヤマトを反射衛星砲の標的にさせながら、決死隊の活動を助け、ついにその爆破を成功させた」
K SE-20 爆発
L SE-21 BGM
ギターソロが終わってから
古代(日記) 「お父さん、お母さん。お二人の命を奪った遊星爆弾はもう地球に降る事は無いでしょう。
後は一日も早く、放射能除去装置を受け取って帰り、地球に充満した放射能をきれいにして、地下都市へ避難した人々に地表へ戻って来てもらうだけです。
ここまで発揮したヤマトの性能を考えると、旅は成功するに違いありません」
ナレーション 「2199年11月2日。その日は古代にとって辛い日であった。
冥王星を過ぎてそろそろ太陽系も終わり、地球との交信も出来なくなろうとしていた。
沖田艦長は、これまでのヤマトについて地球へ報告した後、ひとり5分ずつ家族との別れの交信を許可した。ヤマトの艦内はたちまち地球と太陽へのサヨナラ・パーティの会場となった」
全員 「(ガヤ)」
古代(日記) 「オレは地球と交信するったって、家族なんていやしないし、はしゃいでいるみんなの中に入っていると、辛い思いがこみ上げてきて泣き出したくなりました。
オレは砲塔を点検したり、宇宙零戦の整備をしたりしていました。
みんなはオレの事を知らないので、ひとりで何をしているんだろうと、不思議そうな・・・、時には文句を言いたそうな、そんな目で見ていました」

; SE-22 艦内音
ユキ (浮かれながら)
「古代くん! 何してるの? 1秒だって貴重なんだから、並んで用意してくれなくちゃ困るわ!」
古代(M) 「交信の進行係をしている森ユキにも、何だかみじめに思えて、家族の事は話せませんでした。
オレはせっかくの交信のチャンスを、理由無くキャンセルするのもおかしいと思って、そのまま交信室に入りました。
5分間、何も映らないテレビとにらめっこして、それで満足そうな顔で出てくれば、誰にも何とも思われず上手くおさまるのだ。
でも、真っ白なブラウン管を見つめている内に・・・・・・」
古代 「(泣いている)」
ユキ (浮かれながら)
「ゴメン、私うっかりして説明しなかったけど、古代くん! 使い方判るぅ?」
(古代の状況を理解し)
「古代くん・・・、アナタ?」
古代 「(泣いている)」
200 ユキ 「そうだったの・・・・、ゴメンナサイ、古代くん。
私・・・・アナタって・・・・・ ごめんなさい」
(私、知らなかったの、と言い訳を言い掛けて言葉を飲んだ感じです)
: SE-23 BGM
古代(M) 「あの人の頬をつたわる涙を見たとき、オレはふと、お母さんの側にいるような気がして・・・・。
だらしなく・・・・・。
彼女の胸は暖かだった・・・。
しかし今日、家族がいなくて泣いている人がもうひとりいました。沖田艦長です。
お父さん、お母さん。ボクはあの人を憎み続けていました。
しかし、それがボクの誤解だという事が判りました。
しかも、あの人が軍人としてどれほど凄い指揮能力を持っているかは、ヤマトの冥王星での戦いで良く判りました。
そし今日、交信室から出たボクは艦長室へ呼ばれたんです!」
BGM盛り上がって、落ち着いてから
古代 「古代進、入ります」
沖田 「おおう、来たか! ここへ座れ。今日は無礼講だ、あぐらをかけぃ」
古代 「はぁ・・・」
沖田 「キミはまだ少年だが、まぁ今日は一杯位いいだろう。さぁ」
古代 「はぁ 頂きます」
沖田 「みんな、楽しくやっとるかね」
古代 「はぁ、家族との交信も進んでいます。
あの・・、艦長は?」
沖田 「お前と同じだ。家内も息子もみんな死んだ。
遊星爆弾でな。息子は宇宙戦士で、死んだ時はキミと同じ位の年頃だったろうか・・・・」
210 古代(M) 「特殊ガラス張りの艦長室から見ると、宝石をちりばめたような宇宙の広がりがあった」
沖田 「古代、宇宙は広くて大きいなぁ」
古代 「はぁ」
沖田 「地球さえも、もう肉眼でははっきり見えん」
古代 「はい」
沖田 「古代、ワシはこの宇宙の大きさ、広がりを越えるような人間になりたい。
ワシの人生の目標は、それひとつだ。ヤマトに乗り組んだのもその為だ」
古代 「艦長、ヤマトの航海は成功するでしょうか?」
沖田 「判らん! ただ、これだけは言える。
ヤマトは機械だ。動かすのは人間なんだ。人間がどうあるかで成功不成功が決まる」
古代 「はぁ?」
沖田 「成功させなければならん。ワシはそれまで絶対に死なん。
古代、必ず地球へ帰って来よう。力を合わせてな。
それまでしばらくの別れだ。ここから、精一杯の声で、地球へ、地球の人々へサヨナラを言おうじゃないか!」
220 古代 「はい!」
沖田 (大声で)
「さようなら〜!   達者でいてくれよぉぉぉ!」」
古代 「さようなら、地球のみなさん!」
沖田 「さようなら〜!」
古代 「さようなら〜!」
沖田 「さようなら〜!」
古代 「さようなら〜!」
古代(日記) 「西暦2199年12月31日。時計は今24時を告げようとしています。
人類滅亡の日まで、あと280日。古代進は健在です。
お父さん、お母さん、さようなら・・・・・・」

BGM終了 第1部  END    第2部へ