さしあたって、仕事開始まで少し時間があるので雑談をして時間をつぶす。

AKILA「U君は稼いだお金で何を買いたいの?」

U君「くるま、かナぁ〜。」

AKILA「車か〜。」

U君「おやが車くれルっていうンだけどぉ〜。やっパ、じブんで買いタいじゃ〜ん。」




ほぉ?意外に自立心があるのかな?





U君「だってサぁ、クれるっていうノがシビックだモ〜ん。シビックなんテやだよ〜。」

なんだ、そんな理由かよ(-.-;)

別に悪い車じゃないだろ?第一ただでもらうのに文句言うなよ。

U君「すっゲー安いしさァ。」

AKILA「安いって言っても、十万単位の値段じゃないか。
    もらえるんなら素直にもらっとけよ。」

U君「えー?ソんなにしねぇよ〜。だいタい3000円くらイだろぉ〜。」








ちょっと待て。









シビックが3000円で買えるんなら、
俺だって欲しいぞ(笑)








U君「だったラ、マジェスタかったホうがカッケーだろー。
   どうせ1000円くらいしか違わんシィー。」





シビックと1000円違いってことは4000円?









いや、そんな値段なら俺も欲しいぞ、
マジェスタ(笑)








ていうか、お前、桁を2つか3つくらい間違えてないか?

そもそも諸経費のこと考えてるか?

というより知ってるか?

マジェスタクラスになると、
中古でも取得税かかかるくらいの値段になるんじゃないのか?



AKILA「お前……車の相場知ってるのか?」

U君「あたりまエじゃーん。ばかにスんなよー。」

AKILA「シビックなら、多少くたびれた状態でも多分20万〜30万くらいするぞ?」

U君「え………?("ρ"?) あ、あ…ウん。しってルよ。」





なんだよ、それ。

え……?とか言ってんじゃん。

第一さっき3000円とか言ったのはどこの誰だよ(笑)





こいつと話してると1分間に3回くらいはつっこめる。

ツッコミ芸人なら腕の見せ所かもしれないが、私はただのコンビニ店員だ。

初対面であまりキツイ事を言うのも悪いので、適当に話を合わせておく。





AKILA「それに諸経費も必要だろ?」

U君「しょけいひ?」

AKILA「そう、諸経費。」

U君「…………。」

AKILA「…………。」

U君「え、あ、しょ、しょけいヒね。知ってるよ。」


ほんとかぁ?(¬_¬)


U君「でモおれ〜。いマ車もっテないし、かんけいないよ。」

AKILA「……。」


やべぇ、こいつ、諸経費が何のことかわかってない。

なのに知ってるふりして、その上明らかに嘘ついてるのバレバレ。

U君「でもサー。やっパはやい車、のりたいんだヨね。シビックおそいジャん?」

AKILA「グレードによってはいじれば速くなるぞ?」

U君「ぐれーど、って?」

AKILA「同じシビックの中にもいろんな種類があるだろ?」

U君「あぁ、そうだねー。ピンからピンまでネ〜。」





それを言うならピンからキリまでだろ。





U君「おレてきにはさぁ〜、ポルシェかフェラーリのりタいね〜。
   10代でポルシェとか、カッコよくなイ?」


少なくともお前には似合わん。

豚に真珠、猫に小判、宝の持ち腐れだ。



AKILA「ポルシェ買う金なんて無いだろ?貯金とかあるのか?」

U君「ないヨ。おれ給料もらったら1週間くらいでなくなるしィ〜。」




自慢するな。




AKILA「じゃあ、今から貯金してポルシェのために頑張ってお金貯めれ。」

U君「10代でポルシェだからカッケーんじゃん。オれは、いマのりたいのよ、イマ。」




…………。



夢を見るなとは言わん。だがお前のはただの妄想だ。






この時、仕事してもいないのに私の体は既に疲労を感じつつあった。