正義の女神アストレイアは死者の魂を天秤で測り、悪しきものは地獄に送られていました。
神々と人間が共に暮らし、世界の隅々までが平和に満ちていた黄金の時代は、彼女の天秤
はいつも正義に傾いていました。
人間が武器をつくり争いを好むようになった銀の時代や、人間が戦争をはじめ、友人同士や
親子兄弟までもが戦い合うようにまでなった銅の時代になると、人間に愛想をつかした神々
は次々にオリンポスへと去って行きましたが、アストレイアだけは下界にとどまり人間に正義
を説き聞かせていました。
しかし鉄の時代になると、人々は堕落し、残忍で嘘つき、おまけに好戦的になり、さすがのア
ストレイアも人間の堕落を見ていることができなくなり、とうとう天高く去って星座になってしま
いました。
アストレアが天にのぼった姿が乙女座だといわれています。 |