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彼岸録

ときどき、12歳以上推奨。心して御覧下さい。


Limelight 2007年12月26日(水)

 チャップリンの「ライムライト」を見る機会があったので見せてもらった。Wikipediaにゃあらすじがあるんだけど、それとは別に必要な分だけあらすじを再構成してみる。まぁ、どう見えたか、何を見たか、であります。

 元は人気道化師のカルヴェロ(チャップリン)が自宅のアパートメントに帰ってくるとどうもガス臭い。みれば自分の階下の部屋から洩れてきていて、ドアを蹴破ると中で女性が横になっている。手には睡眠薬らしき瓶。医者を呼んで、カルヴェロの部屋に運んで、意識を取り戻した彼女の名前はテレーズだ。バレエのダンサーだったのだけれども姉が娼婦になってまでレッスン代を払ってくれていたことにショックを受けて、下半身が麻痺してしまったらしい。踊れなくなったから死のうと思った、と。
 どたばたしているあいだにテレーズの部屋は新しい住人が決まってしまい(早え!)カルヴェロとの生活が始まるようになる。

 名台詞のオンパレードでね。どーも。
「生きることに意味なんかないさ、生きるには願望がついてまわる。石は石になりたいと望むからこそ石になるし、花は花になりたいと望むからこそ美しく咲く」
「死は避けられないけれども、生も避けられない」

 なんやかや喋っているうちに、
「恋はしたことはあるのかい」
「恋と呼べるほどのものじゃないわ」
 などといいつつも、話しだす。
 テレーズ、文房具屋で働いていたらしい。そのうちにひとりの音楽家の青年が気になって、いつも買う五線譜を大目に渡したり、お釣りを多めに渡したり。彼のアパートメントから聞こえてくるピアノの音にドキドキしたりしているうちにどうもなけなしの金で五線譜を買いに来る。テレーズ、いつもよりも大目にお釣りを渡そうとしてしくじって、文房具屋をクビになる。
 件の彼は体を壊して、ピアノも手放してしまったらしい。

 ここからのカルヴェロが、いいんだ。
「それは、恋だね」
 なんて云って、
「いづれ君がプリマになった頃に、彼も立派な作曲家になって目の前に現われるさ」
 だからあきらめちゃいけない。


 チャップリンすごいなぁ、と思うのはここです。
 この後の展開で、テレーズの足が回復して、みるみるうちに頭角をあらわして、じゃあ次の舞台では君がプリマだ、といったときに、まぁ、話としてベタではあるけれどもこの件の音楽青年も出世してでてくる。邂逅。

 このね、字面だけではなーんにも面白くないシーンが、もンのすごく、泣けるのですよ。涙がドヒッとでてくる。

 最近ちょっと考えててね。
 なんでもなくてもいいけど、嬉しいことがあると泣くじゃん。泣ける2ちゃんねるでも感動の再会! でもいい。
 話の筋としてはベタだけど、よくよく考えてみりゃわれわれ、もといアタシなんぞは筋よりも人をかけよ、と、言われてきたんだよね。だから、筋がベタでも、人が書けるから、面白いんじゃねえの? という、なんかそんな。

 実は「恋空」読んでます。(前にも書いたっけ?)
 あれも、身の周りで起こる喜怒哀楽にダイレクトという点では、実はこの辺の回路に近いんじゃないかな、とまぁ、変なところにつながったりするのです。

ミフネ忌 2007年12月24日(月)

 何が別の名義がほしくてウロウロするのです。
 Wikipedeiaで12月24日の項を開いて、高山樗牛が死んだの、リビアが独立したの、福島瑞穂が生まれたのとなんらか理由をつけて耶蘇の大将の誕生日から逃げようとする。なにも前の日まで祝わなくていいじゃねえかと思うんだけどね。それじゃあなにかい、潅仏会の前日は祝うかお前ら。甘茶浴びあって蟻でも寄らすか君たちゃ。
 三船の命日ったらいいじゃない。娘もかわいいし。

 今年一年の総決算のような日でした。最近出来た友人のライブが渋谷でありまして、てくてくと夕刻出かけていった。いつものようにライブハウスのウェブサイトで地図をなんとなく確認して(西口から出て歩道橋を渡って云々)そこまでいけばあとは歩いてくるうちに出てくると思うじゃない。それが、見えてこない。だいたいこのへん。歩くのは好きですからいいんですが、でもうろうろしているうちに時間はたちますよ。
 6時開始で、ああ、7時半になったなぁ、と思ったので諦めました。ずっと歩いていた。バンド4つ出て、まぁ持ち時間40分としても、もう終わってるよね。ここで携帯電話なんかあれば会場にいるであろう人に電話したり、モバイル機能で地図を呼び出したり(最近アテにならないけど)できるんですが、ふらっとでてしまうと携帯なんぞポーンと忘れてしまいますな。それだけ緊張感がないのか。ないんでしょうな。
 で、まぁ、論理的にここしかないだろう、というところでハタと店の名前を忘れている。こうなると手も足も出ません。で、帰っちゃった。ライブチャージが浮いたので、その足ですき屋行って豚丼大盛り食べちゃった。

 人の「縁」というのは大事です。今年も少なくない人に出会いました。けっこう別れもありました。お世話になった人ともずいぶん疎遠になりました。
 でもなんかなぁ、あんまりその執着というものがないのよね。新しく人と会うのは嬉しいけれども、別れるのもあんまり辛くない感じ。でもそれって、自分の中でのその人と逢うか逢わないか(好みの問題)と自分にって役に立つか立たないか(実利の問題)を秤にかけてどっちが重いかという取捨選択でしかないのよね。かっこういいことをいっても駄目です。けっきょくいい人ってのは、自分に都合のいい人です。
 その辺、非常に正直に生きてきてしまったので、ライブ会場にたどり着かなくて夜間の渋谷散歩になってしまったのも、まぁそれはそれで悪くない気がするのです。豚丼もおいしかったしね。
 縁があればまたどこかで見ることも出来るだろうし、そういうのも否定しません。いや、見たい気持ちはあるんだけれども、でも、案外、必然的に出遇う時期ってあるかもしれないなって思ったりするのです。
 今は縁がないんだなぁ、という。

 そういや今年一年、そう云う感じだった。
 それだけは感慨深い。

なんでもできるとなるとなにもしない 2007年12月20日(木)

 今年は印刷機もいいの入れたし、年賀状は外注せずにうちで印刷しましょう、となるとなんぼカラーでも加工でもできますので、急に気が大きくなって色々考えて、結局この時期まで悩んでしまった。
 年賀状は11月中に買っていたというのにこの大間抜けめ、結局色が使いこなせずにまたモノクロで刷ってやがる。どうもモノクロに慣れ親しんだ身としては。いやさ、小中学校の美術の時間から、下書きはよく出来ても色を塗ることで台無しにしてしまう子供だった、と云う。
 まぁ、で、刷ってます。どうにか納得しました。

 時間はあるので(タスクも山ほどあるが)この調子で行けばちゃんと書けそうです。届きそうです。

 などといっているとやはり書かなかったりしてな。

忘年会 2007年12月16日(日)

 続いてます。
 はじめ焼酎2杯だけにしてあとはコーラなぞ飲んでいると、しらふで日付変更線ごろの新宿駅を見ていられます。

 すごいぜ!

品川心中 2007年12月13日(木)

 ――なンだい……そ、相談てなぁそういうもんじゃないだろう? ねぇ、お互いに顔を見合わせて、ああでもねえこうでもねえっていいながら首ぃこっちまげたりこっちまげたりすンのが、これが相談だよ? なんだいおめえみたいにあごを懐にうずめちまって……そんな相談てのがあるかい――古今亭志ん朝「品川心中」

 やっぱり<首ぃこっちまげたりこっちまげたりすンのが、これが相談だよ>がいいなぁ。


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