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文句と御託

そして妄言。


fC:文藝研究II 2007年11月29日(木)

「裸の王様」

 そういや「裸の王様」で、「王様は裸だよ」といっていた子供がいたように思うんですが、その後どうなったかなぁ、というのが思い出せなかったのです。
 自分が裸であることを認められない王様ですから、きっと子供をとっつかまえて首を刎ねたに違いない、でもまてよ、首を刎ねたという話は聞かないなぁ、と、思っていたところにNHKラジオの深夜便で「裸の王様」の朗読をやるという(笑)。なんという偶然か、これは聞くしかない、と。


 王様がいて、ある日この街に詐欺師が二人やってくる。彼らは一生懸命、空の機を織る。
「この着物はたいそう美しいものですが、自分の職が身に合わぬもの、愚かなものには見えないのです。この布をもって王様の服をおつくりしましょう」
 といって、喜ぶ王様から金と糸を大量にせしめては、自分の財布に入れる。
 待ちきれない王様は、生真面目一辺倒の大臣に出来具合を見にいかせるも、とうぜん織物が見えない。大臣は「自分が職にあわぬ愚か者」だということを認められずに「美しい着物でした」と報告する。王は「大臣の言うことなら」と信用する。

 さて、パレード。裸の王様。子供が「裸じゃねえの」と云うのを皮切りに、なんだか民衆がざわざわする。王様の行列は不思議に思いながらも行進を続ける。幕。


 ふーん。
 本項のポイントはふたつです。

 まず、王様が「これ、ニセモノじゃね?」といいにくくするカラクリ。そして、アタクシながちるが「裸の王様」の記憶からもとの話をどう取捨して、組みなおしたか。

fC:文藝研究I 2007年11月26日(月)

 心中物:「心中天網島」

第一場 河庄

* 紀伊国屋の小春(遊女)が神谷の治兵衛(二人の子持ち)と惚れあってしまい、他のお客をとらないようになる。

* 実は今度あったときには治兵衛に「一緒に死んでくれ」といわれている。治兵衛はなんとか二人きりであって心中しようと考えている。

* 小春を身請けしようと狙う伊丹の太兵衛(金持ち独身)。小春が治兵衛に本気であるという噂を流した張本人。

* ある日治兵衛以外に小春を買う客(武家)が忍んで出てくる。同時に治兵衛が忍び込んでくる。

* 小春「心中しようと入ったものの実家の母もいるし、死ぬのはこわい」

* 立ち聞きして誤解した治兵衛、幻滅する。

* 小春、客に「貴方が毎日きてくれれば治兵衛とは会わなくて済む。逢わないでいれば治兵衛さんも目が醒めてくれる」

* 治兵衛、脇差を持って怒鳴り込む。が、反対に返り討ちにあって店のものに捕まる。

* 客は実は治兵衛の兄で、治兵衛に内緒で小春と話がしたかったもの。治兵衛「3年ものあいだ、だまされた」

* 治兵衛→小春の起請文を治兵衛兄に処分するように渡す。治兵衛→小春の起請文29枚も没収する。

* 治兵衛、二度と小春と逢わないと誓う。

* 29枚のはずが30枚ある。1部は治兵衛の妻、さんから小春への手紙だ。治兵衛が嘆いて気付かないところ、治兵衛の兄はその手紙もあづかる。

* 治兵衛、小春に蹴りを入れて出ていく。

* 小春「私の本心には気付いてくれなかったがこれでよかった」


第二場「紙屋」
 紙屋「紙治」
 治兵衛、妻おさん、長男勘太郎、長女お末、丁稚三五郎、使用人お玉。

*粉屋の孫右衛門と妻かか、紙治をおとずれる。
 治兵衛とおさんはいとこ同士。かかの娘がさん、孫右衛門の弟が治兵衛。第一場で出てきた客=孫右衛門。治兵衛の父(=かかの兄)はすでに亡くなっている。

*おかか「いつまで夫に好き勝手させておく気か」

*孫右衛門「治兵衛は兄まで騙す根っからの悪党。おさんが騙されるのも無理は無い」

* どうも、小春が身請けされたらしい。

 ↓
 この情報から、二人で怒鳴りこんできた。

* 治兵衛「たぶん、太兵衛ではないか」
* かか、熊野神社の護符に誓いを立てさせる。
 裏に75羽のカラスが刷ってある

* 孫右衛門、かか、安心して帰る。

* 治兵衛、床にふせって泣く。

* おさん切れる。「信じた私がバカだった」
* 治兵衛「小春を身請けした後に太兵衛が何を言いふらすかと思うと悔しくて恥ずかしくて」「治兵衛のやつは金がなくなって小春から手を引いた」「小春『金の力で他の人のものになるなら治兵衛さんの心の証として死にます』」

* おさん、狼狽する。「あの人は死ぬつもりです」
 「あんたとあの人を別れさせたのは私である」

* おさんの手紙「夫があなたを思いつめているようだ。しかし、妻として夫を死なせるわけにはいかない。子供たちのためにもあの人を救って欲しい。小春さんからあの人を振ってほしい」

* 小春レスポンス「心中も考えたがおさん様やお子さんのことを考えるとわたしがわきまえるのが人の道。女同士のお約束として必ず治兵衛さんはお返しする」

* 小春の年季は銀1500匁ほど(あと5年くらい)。
 身請けの手付金として750匁。おさん、家のものを売って750匁作ろうとする。「早くしないとあの人はひとりで死ぬつもりだ。そんなことをされたら女同士の義理が立たない」
「小春さんに家に入ってもらって、わたしは子供たちの乳母か、飯炊き女として置いてもらえればいい」
「夫にどれだけ尽くせるかが女房の本領」

*銀750匁をもって出かけようというところにおさんの父親がやってくる。ばれて、離縁状を書かせようとする。が、治兵衛、脇差で腹を斬る準備「おさんと別れる時は死ぬときです」火に油を注ぐ「すぐに頭に血が上って前後の見境なく突っ走る。こんな覚悟も責任感も無い男には娘は預けておけぬ」と、父、おさんを連れ戻す。
「父様、無理につれて帰るならわめきたてて世間に恥をかかせます」
「娘の不幸とくらべたら恥も外聞も構わん」

*治兵衛「死のう」

第三場 天網島

 河庄。治兵衛と小春。全部ばらす。
* 泊まり。紀伊国屋から小春を迎えに来るが、今日はこのまま泊まりにする、と使いを追い返す。治兵衛はあと半時で帰るという。「これから京へ立つ」

* 入れ違いに河庄に孫右衛門、勘太郎、お末くる。

* 小春、治兵衛の手引きで河庄を抜け出す。

* 夜明け前。心中。

文フリ07(途中) 2007年11月15日(木)

 というわけで11日、文学フリマに出てきました。
 自分の本を出したのははじめてのことでしたが、まぁ、まったく売れないということもなく、こんなもんだったんぢゃないの、という落としどころができた感じです。

 その辺の収穫を自分の研究に絡めて。

 大徳川展で秋野を見たときもそうなんだけれども、あれだけ長いこと立った茶器であっても、大名物であればあるほど「生きて」いるのです。ああ、この場合は生物/無生物という二元論で考えたときにおける「生きて」いるということです。だからこそ「名物」だし、750人かいくぐってみにいこう、という気にもなる。
 生物/無生物というと違う方面から見たときに語弊がありますので、有機/無機にしようか。

 芸術とはなんぞや、という話になったときにまっさきに思いつくのはこの有機的か、無機的かという話です。この境界を求めるのは簡単なことで。簡単というのは色々な切り口があるちゅことなんですが。たとえば法則性があるかないか。法則性があるということは再現性があるということです。すなはち、どんな場所においても法則は同じ結果を生み出す。この「同じ結果を生み出す装置」は法則であり、そして無機的です。これをLogとします。

 Logに対する語として示したいのは"Live"です。本当は似たような語幹で示せると格好いいのですが、いい言葉が浮かばない。"Love"だとたんなる言葉遊びにとられかねない。間違っちゃいないんだけどね。


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