twnovelまとめ


2009/12/12

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#twnovel 朝から右の目玉だけが横にぐるぐる回る。これだけ右にだけ回るのだから、どこか繋がっているところがいづれ千切れてしまうのではないかという確信があった。目医者は小型の吸引械で眼球を吸い出し、眼窩の脇にピンセットを差し入れた。「ああ、フンコロガシですね」と気怠げに呟く。
2009/12/13

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#twnovel 当年とって48歳、オアフ島生まれで全体的に黄色くて、大銀河団の騎士団を統べる長。朝風呂にコニャックに清水の次郎長が大好きで、常にニットキャップととっくりセーターを欠かさない、ゴマフアザラシの雄に好かれる不撓不屈の苦み走ったいい樵ってだーれだ。答え、おじいちゃん。
2009/12/14

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#twnovel 公園の砂場で穴を掘っていると、掘っても掘ってもどこからか猫がやってきて入りたがる。冬だしな、寒いんだろうなぁと思って次々に埋めていると五時の鐘がなった。居並ぶ猫の首はそれぞれ別の方向を向いていて、ちゃんと首の方向を揃えて並べてもよかったよなぁ、と反省する帰り道。
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#twnovel 蕎麦屋の店先をてれんこてれんこ歩いてゐると中からソースの佳い匂い。近くに洋食屋があるわけでもないやうだし、と思つているとやおら戸が開いて、コツク帽に白服の親父が喜色満面で出てきた。「はゝゝゝ、藪伊豆討取つたりい」片手にドミグラスソースの入つたバケツを下げてゐる。
2009/12/15

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#twnovel 「おかあさま」龍之介は顕かに困ったような顔を私に向けます。「こんなにキャベツが大きくては行儀が悪くなってしまいます」久々に御御御付の具にしたものだから少々寸法を誤ったのは認めます。が、そこをなんとかするのが巽家の当主。しかしながら、私自身も戴くのに難儀しました。
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#twnovel 「どうしたのベティ、今日は遊ぶって云ったじゃない」「ああジム。隣町まで面倒なお使いなの。おばあちゃんへのキャベツには青虫たんと入れてやるんだから」「いくらなんでもよくないよ、ベティ一寸貸してご覧」「ママー、ジムがおばあちゃんのキャベツに青虫しこんでる」「!?」
2009/12/19

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#twnovel 昔から砂漠の蜃気楼はフイラリフーララ、大ハマグリが起こすものと相場が決まっておった。では大ハマグリがどうやって楼閣を思い起こすかというと、その辺とんと判らない。大ハマグリがどこにいるかというと、それもまたわからない。潮の満ち引きからどこかで息をしているのは判る。
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#twnovel 「空飛ぶ上沼恵美子」が正午ごろこの付近を飛ぶというのでずっと待っていた。ちょっとした繁華街にはかならずあるデパートの8階のレストランである。隣のテーブルのお子様ランチを横目に水を飲んでいると、確かに目の高さに上沼相談員がすっ飛んでいった。思ったより無表情だった。
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#twnovel ラプ方ツェル樹です! 今日はハワイはオアフ島沖まで髪の毛を伸してブルーマーリンをね! 狙いたいと思います! ほんとにね、久々のマーリンなんで道具も心配だったんですが、一ヶ月前から念入りにトリートメントしておいたので大丈夫でしょう! じゃ、そろそろ行ってきます!
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#twnovel 「おじいちゃん、来週誕生日じゃない。なにか欲しいものはないの?」「わしゃ、弟が欲しい」というので友達のよっぴーを金に物云わせておじいちゃんの愛人にした。しばらくしたらよっぴーにも彼氏ができたので、穴兄弟ということでミッション完了! 歯ぁ磨いて寝る! おしょまい!






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