twnovelまとめ


2009/12/30

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#twnovel 12月28日は浣腸誤用納め。一年の間に鼻に挿し、飲み、顔に塗り、ケーキを飾り付け、カセットテープを巻き戻し、携帯電話のアンテナに取り付け、尿道に挿し、野良犬に投げつけ、ブロック塀の上に並べ、水割りをかき回しした浣腸をたまにはまともに使ってみようという日なのです。
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#twnovel 歳末の東京を混乱の坩堝に叩き込むべく送り込まれた男こそ、改造人間・ゴモリー大津その人である。ゴモリーはせっかくの正月飾りから陶製の海老だけを盗みとってしまう。陶の海老は彼の寝床の壁にずらりと張り巡らされ、寝酒のつまみになってしまうのだ! 当然敷金は戻ってこない!
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#twnovel 毎度おなじみちり紙交換だと思ったら大間違いだ!こちらは稀なる悪のちり紙交換!古新聞、古雑誌、ステレオ、要らなくなった家電製品などを無料でお引き取りの上、地下80mにある秘密ラボで地球侵略ロボを製作ときた! 既に計画は実行されており、現在10mほど穴を掘れた。
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#twnovel 井厳という徳の高い坊主がおったが、ある晩腹の皮がむずむずするのに目が覚めると、丸々とした虫が転げ出た。三尸、庚申の晩に閻魔大王に人の悪事を報告にいくという虫だ。「そういえば穫った瓜を忘れて腐らせた」「しっかりしてよ、普段暇だと太っちゃって動くのも大義なんすから」
2009/12/31

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#twnovel 桜の枝を尻の穴に刺したまま、俺はおいおいと泣きながら峠道を歩いていた。だいたい尻に何かを挿しながらの歩行というのは厳しいもので、しかも力なく垂れ下がった満開の桜から伝わってくる振動は並ならぬものであった。漸く視界の啓けた先にあおい海が広がっていて、余計に泣けた。
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#twnovel 孫の顔見たさに駆け出したはいいが、そういえば産院の場所を聞いていなかった。家に戻るとまだばあさんが土佐犬と格闘している。「なんですあなた」「そういえば病院ってどこだったっけかね」「芝の女子医大病院ですよ」ヘッドロックで犬が泡を吹くのを見届けて、タクシーを呼んだ。
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#twnovel 8月。公園のベンチに寝そべっていると遠くから放送が伸びたり縮んだりして耳に届いた。光化学スモックである。まもなくして、到るところから忽然と幼稚園児が現れてきゃあきゃあと喧しい。園児たちは逃げ惑うアイスキャンデー屋の親父を押し倒すと、アイスを分捕って消えていった。
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#twnovel 寂しさに宿を立ち出てみれば、身を刻むような極寒の浜辺だ。こんな天候でもはるか沖に漁火が見える。この大晦に出る船などあるのだろうか。するとどうだろう、灯は風に煽られるようにふわりと浮かぶと、ふらふらと浮き上がった、かとおもうと垂直に落下して沈んでいった。大丈夫か。
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#twnovel 霊峰マッターホルンを訪れた宗匠芭蕉であります。「いけねえだ、この先は神霊が宿る場所だ」「はっはっは、忍びが全国漫遊しようという時代に非科学的な」そういって足を踏み入れたのもつかの間、大人の事情で秘密警察に捕まって労役の憂き目に。「夏草やマッターホルンまた掘るん」
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#twnovel 銀行強盗のつもりが中は銭湯。「いらっしゃい、目出し帽ですか。それはそれは寒かったでしょう」と気立てのいいおかみさんに背中をおされた入った先は百花繚乱、唐獅子牡丹が咲き乱れる脱衣場。慌てふためいて懐の出刃を取り落とすと、通称万力の辰「いい度胸じゃねえの」とニヤリ。






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