twnovelまとめ


2010/02/23

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#twnovel 昔は国境の古いトンネルを抜けると雪国だったりしたものだが、今や夢のワンダーランドである。ゾウのペロローンやウサギのモイッチョプリリが桃色煙を吐きながらくねくねと踊る中、子ヤギのペーターだけがバヨリンの音で引き攣れたように踊るのである。夜の底は相変わらず白くなる。
2010/02/24

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#twnovel 「私の名前は鍵橋うさぎ! ちょっとお茶目でC調な女子高生でござぁい」「ほほう、どこがお茶目でC調なのかね」「あっ、部長」「ほぉれこの辺のポッチのあたりがC調かC調なのか」「あふんあふんくねくね」このまま話を続けたいところですが部長が逮捕されたのでおしまいです。
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#twnovel DB-6はうさぎ小屋の番を仰せつかっていたがなにぶんガタが来ていて、小屋の鍵の番号も覚束無いのであった。*84には違いない。違いないのだが記憶出来る1024文字のなかに平仮名の「ぬ」はもはや存在しなかった。燃料が売れ残りの八つ橋ではそりゃあ誤作動も出るだろう。
2010/03/5

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#twnovel 日本の皆さんはご存じないでしょうが、本来大熊猫の移動方法は前転および後転であります。考えてもご覧なさい。あんな短い前足後足で鬱蒼たる竹林をいかに行き来することが出来るでしょうか。日本に送っている大熊猫は一族の中でも怠け者の、穀潰しでしかないのですから!
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#twnovel なまず池はなまずばかりいるのでなまず池と呼ばれている。とはいえなまずばかりでは食べるものも無くなまず食わずになってしまうので、いくらか他の動物もいないとおかしい、ということでエビはいた。エビは藻を食べて育った。気候のいい所だったのでなまずはうじゃうじゃと増えた。
2010/03/6

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#twnovel 銀座に昔からあるデパートにも座敷童がいる。数年に一度子供服売場から一揃え無くなる度に「ああ代替わりしたな」とわかるのであるが、不思議なことに今回は、小さなくまのぬいぐるみがひとつ無くなった。探してみると紳士服売場の棚で、口元をソースで汚して転がっていたのである。
2010/03/07

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#twnovel チョーさんが歌うと町中の犬が吠える。あきらかに怒気を含んだ吠声はドミノのように縦横に伝播し、いらいらの最果て、北の港の犬は横隔膜も裂けよとばかりに遠く吠える。震撼、犬の声は吹雪を呼び、吹雪は新曲「熱燗の味」を産み、カップリングの「もずく慕情」をチョーさんが歌う。
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#twnovel 仏蘭西へ往きたしと思へどえすかるごは怖し。えすかるごは巨きなる蝸にてりんごやぶどうばかりむしやらむしやらと食べているらし。仏蘭西の蛙野郎はえすかるごを物ともせねど吾のごたる日本の蛇はへがビーツとなつてゐるだけなのでいかんともしがたし。蛙野郎にも負けるかも知れぬ。
2010/03/09

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#twnovel とったりつけたりを幾度となく繰り返した結果、爺さんのこぶは着脱可能となった。左頬から発射されたこぶは樹上の林檎を取ってきたり鳥を撃ち落としたりとそれはそれは重宝したが、本来の落語家としての職務を継ぐべく九代目正蔵の襲名を決心したのであった! ナンダカワカンナイ。
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#twnovel 「伊勢うどんが鹹い」という町の人の意見から、一寸薄くしたものをアメリカン伊勢うどん、万人向けにカレー味にしたアメリカン伊勢うどんインディア、高級感を醸し出すべくフォアグラとトリュフを盛ってアメリカン伊勢うどんインディアロッシーニ風にしたところで目が醒めた。夢か!






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