お花に囲まれたもも子の祭壇
*もも子への二つの後悔一つは、亡くなる前日、もも子は少し食欲がなかったのでした。
しかし、テーブルの上にあったシュークリームだけは食べたさそうにしていました。
犬には甘いものは良くないと思い、中の美味しいクリームの部分は私が食べ、外
側の皮だけを食べさせたのでした。
今思えば、甘いものが大好きだったもも子に1個まるごとあげれば、と後悔してお
ります。
でも、このことがテレビで全国に放映されると、多くの方々から もも子ちゃんにお
供えしてと、シュークリームやお菓子などが贈られて来ました。
甘いものが大好きだったもも子は、喜んで、それらのお供え物を頂いていることと
思います。
もう一つは、汚れている川に入ってごみ拾いをしていたのですが、たまに、きれい
な川に連れて行くと、本当に気持ちよさそうにのんびりと泳いでおりました。
もも子は本当はきれいな川で思いきり遊びたかったのでは、と後悔する気持ちも
あります。
でも、もも子は最初は、私が喜ぶ顔を見たくて、ごみを拾っていたと思いますが、
今は、もも子自身がきれいな川、美しい故郷で、生きとし生けるもの全てが楽し
く幸せに暮らすことを願って、ごみを拾っていたと思っております。
きれいな川でのびのび泳ぐもも子
散歩の途中で一休み
*もも子との再会
火葬の前夜、最後ということで、もも子の亡骸と一緒の部屋に寝ました。
朝方、もも子の夢を見ました。
もも子と他の犬を連れて、土手を散歩していたのですが、もも子だけが途中から引き
返すのです。
いくら呼んでも、悲しそうな眼をして、振り返り振り返り、霧の中をとぼとぼと戻って行
く くのでした。
その後ろ姿が本当に寂しそうで、私は一瞬夢の中で悲しくなり泣いてしまいました。
ところが、その土手は大きな円となっていることに気が付いたのです。私たちが歩む
方向と、もも子は逆回りに歩いていたのです。
そうです、私たちは右回りで、もも子は左回りで歩いているのでした。
そうか、このまま散歩を続ければ、また、再び会えるんだ、と夢の中で喜んだので
した。
夢から覚めた私は、いつの日か必ず逢えるんだと思い、悲しみが少し和らいだので
した。