2003TIチャレンジカップレース第8戦/03.12.07

いよいよ本年最後のチャレンジカップ、永年の夢(シリーズチャンピオン)を賭けての最終戦、この週、週末になるほどお天気が崩れ前日練習の6日には遂に雨が降り出してしまった。8月末の前戦からは長いインターバルをおいてのレースにもかかわらず、その間の練習は30分のみ、クルマの方も排気管の改良、フロントホイールの変更くらいで大した進化もなく、積年の夢に向って走るにはいささかお寒い状況。

とりあえずダンパーの減衰調整とリヤタワーバーを取外して雨の中コースイン、タイヤは決勝用の048M浅溝に本番用の前後レイズCE28ホイールをセット、雨+浅溝では無理も出来ずクルマのバランスを確認するのみ、7000シフトで30分タイムは2分11秒程度、クルマには不具合無く他のエントラントさんと比べても1秒程度速い、これで本番用のタイヤはOK、2本目は048Sを履かせて万が一の決勝雨に備えた。まぁこう書くと落着いて練習をこなしているように思われるかも知れませんが、内心は明日のレースの事で頭が一杯、とにかく雨なら不確定要素が多過ぎるし、一年の締めくくりでクルマも壊したく無いし、もう胸は一日中ドキドキしっぱなし。

このレースまでのシリーズポイントは、初戦欠場と第2戦の自滅が響いて48ポイントで2位、トップは#15の62ポイントでその差14ポイント、最終戦のポイントは1位18、2位15、3位13なので、当方#78が優勝して18ポイント加算で66、その場合でも#15は5ポイント以上とればチャンプ決定、まぁ#15がノーポイントってのは考え難いのでこの時点でシリーズチャンプはほぼ絶望的、それでもレースは何が起こるかわからない、どっちにしても勝たないと話にならない、それがまたプレッシャーになってよけいにドキドキ。

練習終了後はメンテのはっきねんさんの手で油脂類、ブレーキパッド交換など毎回のメンテ作業、当方はいつもの様にクルマを洗車、明日が晴れる事を切に祈ってコース内のレストランでの宴会になだれ込んだ。
宴会が終わる頃には満天の星、それでもコースにはまだ水たまりが・・・
眠れない夜を過ごし早朝ロッジのカーテンを開けると雨は降ってはいないがコースは相変わらずウェット、腹をくくってサーキット入り、夢の結実に向って踏み切るのみ。

今回いつも以上にエントリーが多く見なれないクルマもちらほら、スターレットでは富士から2台のエントリーもありTCCのメインと言っても良い程、TCC全体では39台のエントリー、予選ではトラフィックに捕まらないように先頭で出る準備をする。
予選開始15分前ピットロードに、先頭でコースインのつもりがオフィシャルにストップをかけられる、今回はタワー脇からのコースインの方を優先するとの事で、当方はシグナル前で待機。コース脇先頭にはライバル#15がその後にも数台、いきなり作戦失敗で頭がパニクる。午前8時シグナルグリーン、コースはほぼドライ、2コーナー、アトウッド進入が半乾きの状態、勝負はヘアピン以降のコース後半なので、高速区間はおさえてテクニカル部分に全てを賭ける。ここで一番で飛び出すはずの#15がコースインを当方に譲ってくれる、う〜ん「敵に塩を送る」ってやつですか、これで晴れて先頭でコースイン、他車がスリップに付くのを嫌いいきなり全開で走り出す、しかしまだタイヤもコースもスリッピー、アトウッドクリップ付近でいきなりスピン、なんとかコース内には留まったものの後続の数台に先行されてしまう、せっかくの#15の好意をこの一発で台無しにしてしまった。

あせる気持ちをおさえてアタックに入ったつもりが計測開始直後の1コーナーでまたまた激しくスピン、この周2分24秒台・・・もう泣きそう。ここで開き直れるほど人間が出来ていない当方はただただ頭ブチ切れ、ブチ切れればブチ切れほど空回り、3、4周目とタイムは伸びず55秒台、それでもピットサインは1番を表示、やっと落着いた5周目、ライン1本のみしか乾いていない2コーナーもその1本にフロントタイヤを乗せて踏み切り、アトウッド進入も濡れた部分を過ぎるまでブレーキを我慢して一気にターンイン、マーチ勢を右に左にかわしながらようやくまともな1周を決めた、この周タイム1分54秒半ばピットサインはトップタイムのまま、次の狙いをコースレコードに切替えアタック続行、この周2コーナー進入付近でマーチと遭遇、一気に抜いておかないとタイムが伸びない、意を決してまだ乾いていないインに全開で飛込む、瞬間リヤがブレイク、心臓が口から飛び出しそうになるのをこらえ、今度はお手手全開でフルカウンター、マーチのリヤバンパーをかすめながら間一髪で接触は免れた、当ってたらゴメンなさいでは済まない状況やった、マジで。これでこの周も屁の様なタイム、残り時間も無くタイムアップならずに終了、結果ただ一台の54秒台、1分54秒501でカルタスを押さえ今季2度目の総合ポール奪取、レコードには届かなかったけれど、決勝に向けてとりあえずは第一関門突破、2時間後の決勝は完全ドライでスタートできるはずやし、楽しみは後に取っておこう。

いよいよ決勝、他力本願なれど勝たないと何も残らない、気合いを入れ直してポールグリッドへここでポールシッターの役得キャンギャルさんが#78の横でポーズ、今回は前回のように冗談を言っている余裕もなし、お目目を三角にして1コーナーを睨みつけた。グリーンフラッグでフォーメーションスタート、路面温度は相変わらず低くゆっくりした速度で加減速をくり返しタイヤを暖める、最終手前で隊列を確認最徐行でストレートを下りアウト側最前列へ、ルームミラーで最後尾のグリーンフラッグを確認、目をスタートシグナルへ。
5秒前表示、回転を6000でキープ、直後にシグナルオフ!スタート、クラッチミートはどんぴしゃトップで1コーナーをクリア、2コーナーも1周目にもかかわらず踏み切り、ここでちょっとリヤが逃げる、詰められたかと思った瞬間#9カルタスも同じ状況でリヤがブレイク、アトウッドまでに明確な差を付けた、後続をミラーで確認すると高速S字で#16が激しくコンクリートウォールにぶつかるのが見えた、これで同クラスのスターレット勢はさらに遅れ#9カルタスと#78当方の一騎討ち状態に。

もう頭の中は#9カルタスを抑えて総合優勝あるのみ、この周のストレートをしのげば前半タイムの上がらないカルタスを振り切れるかもしれない、そこで決勝では使わないバックストレートでのクラッチの蹴りを無意識のうちに一発、ところが明確な意識を持っていない状態ではクラッチに左足が確実に乗らずあろうことかブレーキを蹴飛ばしてしまう、スリップに入りつつあった#9カルタスは危うく当方に追突するところで右にかわして抜き去って行った、それでもインフィールドでは鼻先を入れるほど追い込んで1周めのストレートに。その時コントロールライン上にSCボード(セーフティーカー)の表示、全コースフルコーションで追いこし禁止、1コーナーで#9の前にセーフティーカーが入った、これで同クラスのEPが追い付き仕切り直し。原因は高速Sでのクラッシュとアトウッドでの多重事故、セーフティーカーなんてめったに無い事なので後続の方では混乱が生じ追い抜きをするクルマも出てしまう、これがレース結果に大きな影響をおよぼした。

トップグループはセーフティーカーを追走すれば良いだけなので影響も無く、次の周セーフティーカーがコースを外れてレース再開、ふたたび#9、#78の対決に。同じクラスのスターレットと比べれば1周2秒以上速いタイム、時には3秒以上で周回するトップ2車にはついてこれるものもなく後半は波瀾も起きず#9カルタス、#78当方の順でゴール、クラス2(EP82)優勝、後半戦スプリント3連勝で今シーズンを終了。気になるシリーズの行方はポイント2位#15が3位に滑り込んでタイトル獲得、当方は昨年に続きまたまた2位、ま、開幕戦の#78での達人さんの優勝を加えると#78トライアルベクトルラムズ号のコンストラクターズチャンプって事になるんですけど、そんなん賞ナインでね・・・。

昨年から10戦エントリーで3勝、借り物の#22でエントリーした耐久1戦以外#78では全戦でクラスポール獲得(8戦連続中)、それでもシリーズは捕れなかった訳で、トホホッとしか言い様がないですイヤほんま。

ちなみに決勝レース中のベストラップはタンクが軽くなったファイナルラップに1分54秒171を記録、達人さんが開幕戦で当方の#78で出したレコード1分54秒015には僅かに届かず、これまたトホホッな落ちしか付きませんでした、悔しくて 悔しくて いまだに熟睡出来てません・・・




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