ようやく始まった自身の2004年開幕レース、初戦は野暮用と重なり例年の通り欠場、またまたシリーズ的にはハンデを背負ってしまった。今年度よりチャレンジカップTCC(TIコンパクトカー)レースは昨年の6戦開催から1戦減って全5戦、今回はその中でも当方の苦手な耐久レース。
昨年の最終戦から約半年ぶりの実戦、その間TIサーキットは路面の改修が行われ各レース、各クラスでコースレコードが塗り替えられている。ただEP82だけは初戦、ウェットからドライへの微妙なコースコンディションだった為に旧路面のコースレコードがそのまま残っている。今年度の目標は、まず第一にこのレコードを書替える事、第二にシリーズチャンプ獲得、おまけで足掛3年に渡り記録継続中の#78号車での全戦予選クラス1位の獲得、どれも簡単には行きそうに無いですがね・・・。
5月の最終週、既に気温も上昇夏路面と言っても良い状況でタイムダウン必至、それでも自身の頭の中では予選一発レコードをとの思いが非常に強く、クルマ自体もスプリント仕様のままこのレースに望んだ、まぁ他人から見れば「なにやってんの」って状態だったかも。
路面改修後1度だけ、それも古ふるタイヤ&気合いゼロで転がしただけでレコードをコンマ5ほど上回った事もへんな自信になってたのかもしれない。
ってことでレース4日前になってようやくテスト走行開始、パートナーのミカホンさんも合流、この日始めて#78をドライブされる事に。ミカホンさんとは一昨年のこのレースでペアを組みレースを戦い、お互いの実力も気心も知れた仲、ただミカホンさんは知る人ぞ知るスターレット専門店Willの社長さん、ある程度はお店の看板もあり当方のミス&クルマのトラブルで万が一にも下位に沈ますなんて事は避けなければ成らない、ここら辺が昨年のパートナーみむ〜選手とは違う所、まぁその分プレッシャーって事です。
練習走行はまず私が乗り各部のチェック、タイムは気にせずシフトも7000回転で我慢、それでも1分56秒台は出ているので悪くは無い、ですがどうも6800付近で嫌なミスファイヤが起こってしまう、ピットインを繰返しながら原因を探るが何をやっても改善しない。走行時間も限られているので不調のままミカホンさんにステアリングを託した。状況は変らずこの日の走行を終了、レース前日の練習日に電気回りを交換し再度テストする事とし家路についた。
前日練習日まずデスビ回りを交換、プラグコードも予備のものを装着し走り出す、それでも症状は改善せず、ダメもとでCPUをノーマル(リミッターのみ解除)に繋ぎ変える。するとエンジンは綺麗にフケきり、A/Fも若干薄めながら問題無し、まさかのCPUトラブル、はぁなんで耐久っていつもドタバタなんやろ。練習もラスト30分になりようやくミカホンさんにも#78の実力を試してもらえる事になったが時間が無さ過ぎた、ミカホンさんちのN1とは操縦性の違いが大きく、なかなか馴染め無い様子、まぁそこはそれミカホンさんはスターレットのベテラン、明日の本番になればやってくれるのは間違い無し、例のごとく安心してのBBQ宴会へとなだれ込んだ。
明けて日曜日、クルマは前日にミワさんのメンテを受け完璧、車検も問題無し、メディカルチェックもなんとかかいくぐり予選準備に掛かる。今回は予選アタック&スタートドライバーを私が務め、第二スティントの50分ドライブをミカホンさんに託す。予選は30分、第一第二両ドライバーとも走らねばならず各自1周以上のタイム計測が必要、予選と決勝はタイヤ交換が許されているので、いつも通り予選はYH-A048/Mを装着、周回は各自5周程度でクルマを温存する作戦、ただ回転は7400まで引張る。
予選開始10分前にはピットを離れコースインの準備、先頭はロードスター(以下RS)、次に当方#78、以下RS、EP、マーチが入り乱れて整列グリーンランプを待つ。グリーン点灯、ピットアウト直後に前方RSをパス、先頭で計測ラップに入った。後方からは別のRSがあおりぎみに追って来るが計測1周目は譲らず、コントロールラインを通過、タイムは55秒台後半、昨日までの三味線走りとは違って各コーナーできっちり踏む(なんせ練習日は2コーナー4速で流して三味線弾きまくりやったし)さすがに2周目はこらえ切れずRSに先を譲る、それでもコーナーでは詰めに詰めて2本のストレートではスリップを使わせてもらう、美味し過ぎる展開でこの周55秒台前半。この時点でクラストップを確信、それでも緩めず最後のアタックに入った、この時点で前方RSはタイヤも暖まりやや先行、スリップも使えない間隔になってしまった、まぁ毎回スリップを使わずに予選を戦って来たし、前にクルマが居ない方がコーナー重視の#78には好都合、気温も上昇&ノーマルCPUではどこまでイケるか分からないがとりあえず踏みまくった、新路面をこんなに攻めたのはこれが始めてだったが何かアスファルトがねちゃ着いて頼り無い、TIのキモ、後半部分もイメージ通りには走れず、最終を抜けたところでレコードはあきらめた、ってまぁこの時期レコードが出る方がおかしいんですが。それでもタイムはレコードに迫る1分54秒566!クラス2位#89EPにコンマ9程の差を付けぶっちぎりのクラスポールを獲得した。総合でも格上RSを7台喰って7番手、予選後「こんな位置に屋根付き(スターレット)がおったら かなんなー」の声が何処からともなく聞こえて来たりして・・・。ミカホンさんも前日も練習とはうって変って快走、1分55秒台を記録 めでたしめでたし。
午後の決勝スタートまでのインターバルの間にドライバー交代、ピットインのタイミング、クルマのセットetc.etc.を打合せ、特に奇策もなく例年の通り各自55分程度のドライブ、回転は7200程度に押えシリーズ後半戦に向けエンジンを温存する、セコイと言われようが今年は何としてもエンジンブローだけは避けないと予算がもたない。決勝に向けタイヤのみ同じYHユーザーでもどこのチームも使っていないMHコンパウンド(新品)に交換、後半のタイヤのタレを少しでも押えアドバンテージを得ようと悪あがきをした。ただこの交換時左ハブベアリングに若干のガタが出ていてちょっと不安。それにしても耐久ってのは気合いが入らない、暑いししんどいし、50前の鈍った老体ににはやってられない。完走してポイントとればもうイイかって感じ。それでもヘルメット被ってフルハーネスを締め上げたら右足だけは力が入るんですがね。
1時前になってコースイン、RS勢それもトップクラスの中に屋根付きが1台、ちょっと誇らしい、同じクラスのEP勢ははるか後方、まっ レースが始まるとRS勢にはついていけないので結局はEP同士の争いになるのは分かっているので、前半は無理せずRS勢とも無駄なバトルを避け淡々と走る作戦。
1時きっかりにローリング開始、1周して1時3分決勝スタート、スタートはまあまあ1コーナーへは7番手キープで進入、バックストレートで虫けらのように左右からRSにやられる、MHのタイヤは暖まりが悪く思うようにグリップしない。2周めにはRSほぼ全車にパスされ後方にEPが迫ってくる、もう少し踏ん張れるはずなのにこれは予定外。この時すでに左ハブは悲鳴をあげ状況はさらに悪くなるばかり、追ってくるEPにもなすすべなくヘヤピンでパスされてしまった。ただこのEPはこの周ピットイン、ドライバー交代、奇襲作戦に出た、よってこの周も一応トップキープ。
スタート後35分たって1回目のドライバー交代&給油を無難にこなしミカホンさんがコースに復帰、1分59秒前後で周回を重ねている、トラブルもありここらへんが一杯一杯、他車は57秒程度で走っているので差は広がる一方、表彰台も無理かも・・・。
残り30分を切って最終のドライバー交代、コースに出てみるとハブの具合はさらに悪くなっており酷い音、コース脇のポストでも多分聞いてとれるほど、最悪オレンジボールも覚悟した。それでもラストスパートと気合いを入れ直し、タイムも57秒前半まで上がった。もうゴールはすぐそこ、全車規定のピットインも済ませ順位がほぼ確定、当方にもクラス3位のサインが出された「はぁ3位、まっエエか」。残り20分後方からえらい勢いでRSが迫って来る、同じベクトルメンテの#4号車のよう、ドライバーは達人F木選手、バックストレートで追い抜き様に「イクでぇ」のサイン「スリップ使ってレーコード出そうぜっ」って事、当方はクルマよれよれでコース場に留まっているだけで一苦労着いて行ける訳ないって。
身も心も疲れはて「もうどうでもイイや」って思いながらストレートを下って来るとその周がチェッカー・・・。ピットクルーに手を振るでも無し、ガッツポーズのタイミングも逃し、なんとなくゴールイン、いつもは手を振ってくれるオフィシャル独り独りに手を上げ挨拶をしてるのに、この日はぼーっとしたままピットロードに帰って来た。
ポイント10点獲得、連続ポールも途切れる事無く、エンジンも無事、贅沢言ったら切りが無い、ミカホンさんも表賞台に連れて行けたし、これまたなんとなく「めでたし めでたし」って思うしか無いかッ。 |