2005OKAYAMAチャレンジカップレース第四戦/05.07.10

今年は空梅雨かと思いきや7月に入り各地で豪雨が続いている、天気予報では週末は荒れ模様との事でこれで昨年の最終戦から練習日は全部雨。タイヤ選択に迷うところでは有るがYH048はSSコンパウンドからMまで5セット手持ちがあり、豪雨の場合でもDLの93J縦溝が有るので路面状態が何であれタイヤ的には問題は無いはず。

黒#78は開幕戦のクラッシュの修理でインターバルの間ほとんどを板金屋さんで過ごし、クルマ的にはなんら進歩していない。週末の公式練習日に半年近くぶりにステアリングを握った感じではクラッシュの影響も無く、雨天+048M浅溝にもかかわらず他車に3〜5秒程度の差を付け午前の練習を終わる。午後になって雨も強くなりここでタイヤを048Sに履き替える。この練習も流しモードで走っているのに他車とは3秒以上の差がついている。ここで練習を終え予備車検の準備をする、同時にブレーキ、油脂類のメンテをはっきねんさんが手際良く済ましてくれる。

予備車検では若干下回りのチェックに時間がかかった(これがあとあと問題になる)がとりあえずオーケーをもらいこの日の予定は終了。まだまだ日は高く、する事が無いのでサーキットの近くに有る市営の温泉に入りに行く。ここでZEPさん一行と合流、晩御飯も一緒に済ましてしまった。サーキットのロッジに帰り、まだ9時にもならないのに就寝。いつもなら眠れない夜を過ごすところを朝までぐっすり。練習の結果があまりにも良かったので寝つきが良かった模様。

夜半に雨も上がり、空気は重いが降る気配もない。よってタイヤは048Mの使い古し(はっきねんさんのチームが茂木のJOY耐の予選で使用したもの)を履かせ、車検&タイやマーキングに車検場へ向う。前日に予備車検を受けているのでタイやマーキングのみで済むはずのところ、何故か通常の車検ラインへ呼ばれた。その上、下回りの写真まで撮られる始末、ところがここでは詳しい説明も無く車検合格のシールが交付される。合格ならそれで良かったんですが何か気に掛る、責任者に状況を聞くと「エキパイがダメかもわからんね」との返事。もう1年半以上もこれで走って来たのにいまさらなんで?ルールブックにも記述が無く、解釈的にはオーケーのはず「納得いかん!」

納得いかんけど、疑われたままでレースをし、勝ったとしてもこれではすっきりしない。「たかがエキパイくらい、ノーマルマフラーでも勝ったるわい」って予選30分前に開き直った。それではっきねんさんに無理を言って以前付いてたTRD製のエキパイに代えてもらう。「これで文句ないはず」ってもう一度車検場にクルマを持込み確認をしてもらう。無理に代える必要も無く、合格シールももらってたのに・・・
この時点ではたかがエキパイだったんですよ、自分の心の中では。実際これがこの日のレースの全てを決定付けたと言ってもエエくらいの出来事だったんですがね。

エキパイ交換の影響で車重、燃調とも悪い方向に思いっきり出てしまい、予選ではヘロヘロ。エンジン延びない、曲がらない、アトウッドも3速ならまったく登らない、何周走ってもピットサインはポジション2のまま。トップはZEP#22ミカホン社長、当方とはまったくの同タイムながらこっちが出した周が遅くセカンドポジション。こんな状況スターレットやりだしてから初めて、去年の同時期のレースでは55秒台も出ていたのに、今日は56に入れるのがやっと。湿気と熱さも加わり自身のテンションもダダ下がり、インターバルの間ほとんどの時間をピットに持込んだ簡易ベットでふて寝していた。

それに引き換え、ポール奪取で意気上がるZEPミカホン社長、もうこの時点で勝負あったも同然。無理に仕掛けてぶつけるのも嫌やし、成りゆきまかせで無事レースが済めばそんでエエ、もう去年の最終戦から負け犬根性が染み付いてしまってます。

それでも決勝が近づくにつれ少しは気合いも戻って来た。「#22ミカホン社長が勝にしても楽には勝たさへん」「ヘロヘロの#78のままではミカホン社長にも失礼やろ」なにより暑い中一生懸命メンテをしてくれたはっきねんさんにも申訳が立たへん。「ガチで勝ってもらう事が日頃お世話になっているミカホン社長への恩返しにもなる」そんな事を思っているといつものレースのごとく気合いがみなぎって来た。

そこで楽に勝たせない為の作戦を色々巡らす。
作戦(1)フォーメーションラップ、ポールスタートで思うように隊列を引張れるはずのミカホン社長のペースを乱す作戦。ゆっくり引張るはずの#22をゆっくり走らさず、スタート前の落ち着きを無くす。どうするかと言うと、スローペースの#22に後ろから全開で運転席横まで並びかける、これで一瞬つられて速度を上げてしまうはず。

作戦(2)ホームストレートに戻って来る直前、最終コーナーで当方がスローダウン、#22のみそのままの速度でグリッドに付かせて、後方が来るのを待たせて苛立たせる、そして暖まったタイヤを少しでも冷まさせる。当方は後方が完全に隊列を整えるまで待って、一斉にグリッドに付き即スタートをする。待っている間に邪念が湧きミカホン社長がスタートをミスるかもしれないしね。

作戦(3)もし前に出れればそのまま全開、抜かれたらその時点で2〜3周は仕掛けずに戦意喪失と見せ掛け後半までクルマを温存する。すきが出来たところを一気にイク。

作戦(4)これは今後も使うかもしれないので秘密。今回のレースでは使う場面にならなかったが・・・


子供騙しみたいなことでも極度の緊張状態なら案外ひっかるもんです。

こんな作戦を胸にイン側セカンドポジションへクルマをつける。左前方に#22、レースクイーンさんが横に立って笑顔を振りまいている「やっぱあそこに居ないと」。そしてフォーメーションラップ開始、作戦通り、遅れたり並びかけたりと後方でちょろちょろする、さて効果の程は?
ストレートでも当方のみスローダウン後方が詰まるのを待つ、案の定#22のみ先にグリッドに停止「ハマッたね」。ここでようやくグリッドへ、程なく後方でグリーンフラッグ。いつもより高めに回転を上げそのままホールド、#22はホールドせずにブリッピングをしてるよう。シグナルレッド点灯、一瞬で消灯!当方はドンピシャでグリッドを蹴ったのに対し前方#22は一瞬もたつく、作戦が当たったか?
1コーナーの飛び込みで当方が先行、逃げ切りにかかる。直後に#22がライトオン「あららっ ひょっとして煽られてる」、ライト灯すとオルタネーターに不可がかかってエンジン延びんのやけど・・・

さらに2周目アトウッドでは#22が当方のリヤバンパーをプッシング「押すならバックストレートで押してよ 横Gが残ってるアトウッドは危ないテ」。
プッシングにも怯まずなんとか2周回は押さえたがさすがに今回は#22の方がスピードがあり、3周目1コーナーでインから綺麗にパスされる。ここからは作戦3を実行、抜かれて戦意喪失と見せかけてこの周は後方で大人しくする。翌4周目、#22アトウッドでのアンダーに乗じてバックストレートでスリップに入り、続くヘアピンでインからパス、ちょっと仕掛けが早かったかも。残り4周押さえきれるかちょっと微妙、入れたくないムチを入れる(7800シフト)が#22は離れて行く気配なし、それどころか5周目アトウッドでインにあっさり飛込まれてこれまた抜き返されてしまう。この日は特に当方はアトウッドが遅く結局全周回2速ギアで通過、これでは勝負にならないはず。

6周目はテールに貼り付いて最後のチャンスを待ち、#22#78の順で7周目に入りる。7周目アトウッドは小さく小さく2速で回り禁断の8000シフトで3速ヘぶち込む。
おまけに坂を登ったところでクラッチを2連発で蹴飛ばす、当方の狙いはヘアピンイン側では無くアウト一杯。インに来ると読んで#22はインを押さえにかかるはず、そこでがら空きのアウトから並びかけ、続くリボルバーインカットで抜き去る作戦。予想通り#22はヘアピンのインを押さえ行く、絵に書いた様な展開でリボルバーイン側からパス。あと1周半、ひょっとしてオレの勝ち?「ミカホン社長を苦しめるだけで良かったのにこっちが勝ったらしゃれにならんがな」な〜んて甘い事考えてる暇が無い程今回のミカホン社長は乗れてた。#78#22の順で運命の最終ラップに突入、1コーナーからパイパーまで確実に押さえて当方が先頭で通過、あと抜きに来れる場所はWヘアピン一発目1ケ所のみ。ここはミカホン社長も思いは同じ、ヘアピンからリボルバー、パイパーとじわりじわりと当方との間合いを詰めて来る。

「さてどうしよう」ここまでの好バトル、扉を閉めての接触なんかで終わりたく無い。なにより板金が上がったばっかりの#78を再度板金屋に放り込む程のお金が無い。よってここからは小細工無し、当方もインを閉める事なんかせず通常のアウト・イン・ミドルでベストラインをトレースする。もし隙を突いてインにミカホン社長が飛込んで来ればそれはそれでオーケー「どっからでもかかってこんかいっ」。

結果 見事にインを刺されて#78轟沈「負けました とほ〜っ」。まぁここまで苦しめたんやから2位でも満足、コントロールライン上での差 コンマ16秒。ただファステストラップはきっちり当方がいただきました。

「ミカホン社長おめでとう」「ホンマええレースでした」
ビクトリーサークルに戻ってからもいろんな方々から「エエレースやった」「見ててどきどき こんな面白いレース久しぶりに見た」「台本あったの?」等々、お声を掛けていただきました。
次回はクルマを立直し、一発逆転・・・

なお 今回のレースの模様を収録したDVDが岡山国際から発売される事になりました。もちろんこのレースだけでは無くこの日あった全てのレースが収録されています。
コンパクトカーレースはほぼ全編#22と#78のバトルで編集されているらしいです。
興味がお有りの方はぜひ購入して下さいね。 私?もちろん買います。。。












































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