2005OKAYAMAチャレンジカップレース第6戦/05.08.29
まだ8月だと言うのに年間5戦のEPレースはもう終盤戦に突入。今年はここまで未勝利で例年に無く苦戦が続いている。今回は前戦で重かったエンジンを作り直し、問題のあった排気管一式を新造してもらった。エンジン、排気管はいつものごとくベクトルはっきねんさんに依頼、ちなみに当方からのリクエストは「耐久性を高めてもらう事」のみ。エンジンは以前よりスペアとして持っていた物をOH、各クリアランスは今までのエンジンより渋めに組んでもらっています。今回耐久性をより高めるため、オイルパンのバッフルを変更した、2度に渡る修正でタイトコーナーでもオイルの片寄りが減少、コーナリング中の油圧の低下も皆無となった。排気管はフロントパイプ、サイレンサーを含め0.8〜1.0mmのステンレスで別注、形状は昨年からものとほぼ同じになっています。

クルマが仕上ったのがレース直前でも有り、練習は前日土曜日1時間のみ。ただオイルパンのテストや、エンジンのならしでセントラルサーキットではっきねんさんがテストを重ねていたので走行にはなんの不具合も無かった。いままで息つき症状が直らなかったフリーダムCPUも、エンジン、排気管の新造に伴って何故か不具合が嘘の様に完治、どうやら何かのノイズを拾っていたようです。

練習1本目ではエンジンの様子見と、燃調チェックの為そこそこに押さえて走行、タイム的には前戦より気温が高いにもかかわらず55秒台後半が出ていた。ただアンダー傾向は消えず、昨年のようなキレが感じられない。そこでフロントにロードスター用のTE37(オフセット+15)を装着、テストをしてみる。初期応答性は上がった様な気がしたが、ややピーキー感じがし、実戦向きでは無いと判断、ホイールオフセットは今まで通り、フロント+28、リヤ+42(いずれも6.5J)で行く事に決めた。思うようにクルマが動かないのはダンパーがへたって来ているのかもしれない。そろそろダンパー交換の時期かも知れない。他車の動向と言えば、やはり#22が速く、前戦よりの好調を維持している様子。

午後の練習では本番用のタイヤ&ホイールのバランスチェック、この時点でタイヤがいつもの様な手ごたえが無い事がやや気掛かりだったがその他には問題も無く練習を切り上げた。今回のタイヤは決勝でも何故かピリッとしなかった、たぶん製造時期の早いメーカー在庫品だったのかもしれない。この枠の練習でも#22が当方よりコンマ差であるが上回っている様子。明日のレースへ向け作戦を巡らすが前戦の不調が尾を引いていて、精神的に負けているような感じでどうも積極策が出て来ない。

今回は、ミカホンさんのたっての希望で予選決勝とインカービデオを搭載する事になっている。ビデオシステムはサーキット常駐のビデオ屋さんが面倒を見てくれるが、これがなかなかの曲者。システム一式で重量が4Kg以上有り、車重を合わせ直す必要がある。バラストを1Kg単位で調節し、計量器を何度か往復し車重を規定ぎりぎりの752Kgに合わせた。これでもレース後の再車検では規定一杯一杯の750Kgジャストでドキドキした。そして車検でもう一つ問題が、それは当方が今回持参したジェットタイプのヘルメットが正味期限切れで不合格になってしまった事です、幸い予備にフルフェイスタイプの物を持込んでいたので事無きを得たが、どうもフルフェイスタイプは視野が狭くしっくり来ない。それもオリジナルのカラーリングじゃなく、土屋K壱レプリカってのもちょっと恥ずかしい・・・

翌決勝日、予選に向けてはっきねんさんと打ち合わせ。路面状態は良好。気温は高いが空気はそれほど重く無く、予選では55秒前半から状況によっては54秒に入るかもしれない。8月のレースでこんなタイムが出たら前代未聞、例年なら56秒台でもポールが捕れたはず。作戦としては車重を押さえるために予選用燃料を減らす事にする。通常より1L少なくし、15分の予選で5周回走行、タイムは4周回目に出しに行く事に決める。例により予選10分前にはピット出口に先頭で整列、予選開始を待つ。

シグナルグリーンで予選開始、当方は短期決戦なのでコースイン直後からほぼ全開。計測1周目55秒後半、予定通り。計測2周目やや上がって55秒1、ポジションは1位、勝負はここから。3周目、タイヤも暖まりグリップも高まって来た、テクニカルな便所裏まではミスなくほぼベストなラインを描き、54秒台を確信したWヘアピン2発目でまさかのガス欠・・・ 予定より1周半も早くガスが来なくなってしまった、このままコントロールラインまでは走れない事も無かったが、大事をとってそのままピットロードへクルマを向けた。まだ予選は5分以上残っているがこの時期の55秒前半ならポールの可能性は残る、そこへライバル#22がホームストレートを駆け下って来る。54秒9!やられた、びっくりの54秒台、8月末と言えど気温30度の中での54秒台、#22の進化とミカホンさんの頑張りに拍手を送るしか無い、ほんま脱帽です。ただ当方もガス欠さえ無ければ54秒台は確実で、前戦の様なぼろ負け状態では無いのがやや幸い。決勝までのインターバルでもモチベーションは下がらず「このまま終わってたまるか」「今日は絶対勝って帰る」そんな気持ちで武者震いが来る程。

それでも決勝グリッドに列ぶと、華やかなポールとは違ってセカンドポジションてのは寂しいもので、やっぱあの場所に行かないと話が始まらないと実感する。
クルマの状態に不安は無く、前戦と違って落着いたレースをしようと心に決め、フォーメーションでもちょろちょろせず、タイヤを暖める事に専念する。

全車整列後、最後列のグリーンフラッグを確認し、回転を6500でキープ。5秒前表示、レッドシグナル点灯、直後にオールレッド消灯でスタート。ドンピシャでグリッドを蹴り、2速ギヤに上げた時点で前方#22の直後まで接近。ややスローペースで先頭#22がコーナリング開始、当方もそれに合わせやや押さえぎみに1コナーに進入。後方をルームミラーで確認すると、接触があったようで3位のクルマがスピン、ここで一気に前2台と間隔が開いた。これで後方を気にせず意識を#22に集中出来る。

つづく、2コーナーでも#22のペースは上がらず、実際今回積んだインカーVを見ても当方は余裕で追走、シフト動作もポンポンと落着いて慌てていない。2コナー先モスSでテールに貼り付き、アトウッド進入でインを目指した#22の外側でレイトブレ−キング、2速に落してクリップから先は逆にイン側に回り込む。スリップを嫌い蛇行する#22を尻目にコース右側をお構い無しに走行。やや当方の鼻先が出た3速7500回転でクラッチを2連発で蹴飛ばす。グイグイと車速が延び、200m看板付近では既に勝負有り。ヘヤピン、リボルバー、便所裏とやや差をつけながら先頭で通過。当方のタイヤはグリップも良く不安なくWエアピンを通過、直後#22はWヘアピン2発目アプローチで大きくリヤを振りハーフスピン。それをルームミラーで確認しながらマイクナイトを全開で下る。1周目で既に明確な差がついてしまった。

タナボタぎみの楽な展開で気が緩みそうになったが、気を抜く事はせず毎周回#22に1秒前後の差をつけ最後まで全開。ファイナルラップでは今年これまでの不甲斐ないレースを思い、やっと勝てた嬉しさも重なってちょっとウルっと来た。チェッカー直前、ピットのはっきねんさんを見つけてウィンドウを降ろし手を振る。そしてチェッカー、再び窓から腕を出しガッツポーズ。

はぁやっと勝てた、これでポイントも今年初めて首位に立った。残すは12月の最終戦のみ。
レースも一段落した9月中旬、初のシリーズチャンプに向け練習に励もうと思っていた矢先、長く療養中であった親父が危篤状態に陥った、さあ練習どころでは無くなった。

つづく話しは最終戦の参戦記ででもまた・・・

























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