2003TIチャレンジカップレース第3戦/TIコンパクト(EP82)レース参戦記

TIチャレンジカップレース第3戦がゴールデンウィークの真只中5月4日に行われました。

レースの前週の月曜日#22ミカホンさんと合同練習に出かけ、午前中の30分をベスト1分55秒半ばのタイムで終え、前レースからの好調を維持しているかの様に思われた我が#78号車が、午後の2本目で自分自身も過去に経験していなようなトラブルに見舞われた。午後からの2本目、#21ミカホンさんを従えバックストレートを走行中7800回転で3速から4速にシフトアップした瞬間になんと1番コンロッドが破損、折れたロッドがケースを貫通、大量のオイルをまき散らしながらストップ、これで縁起の良かったレコードエンジンもご臨終。さっそく加西のベクトルさんへ#78を回送、エンジンの積替えを依頼した。

幸い、スペアエンジンが当方のガレージに有り週末のレースには間に合わせる事が出来た。ただこのエンジンは富士車用に組まれたもので、チューナーさんや細かい仕様が全く不明、なんせヤフーで¥二万五千円、それも2年もガレージにほったらかしの中古品、今回はとりあえず回ってくれるだけで良しとしないと。

そんなこんなで、週末土曜日の練習日、2年間オイルも廻っていなかったエンジンが本当に使えるのか不安一杯でコースイン。ところが、ところが、こいつがレコードエンジン程では無いにしろスムーズに廻ってくれる、フリーダムの燃調を取り直し、午後の走行では7600まで引っ張る、問題無し、タイムは56秒前半、他のエントラントさんとも遜色無し、なんせ古々タイヤに終わりかけのパッドで気温も20度を超えている中でのこのタイム、、本番でも期待大、俄然やる気が出てきた。#22ミカホンさんは当方の1秒落ち、どうも車が歪んでいるらしく、一杯一杯の様子、ミカホンは既に新しい箱を作成中で、秋以降はより本物チックな車になって復活予定、この車はスゴイです、いやマジで。

明けて4日は晴れ、気温は予選が始まる頃はまだ18度くらい、今回の予選も単独走行でスリップは使わない予定。コースインの15分前くらになって、ミカホンさんに「どうします?私は単独で行きますが」と声を掛ける、「好きなタイミングで」とミカホンさんが答えられたので、「それじゃ、いつもの通り最後尾よりクリアを狙って行きますわ」っと返事をし、ピットロード出口を見るとまだ誰も整列していない、それではと急遽予定変更、慌てて支度をしピット出口最前列に並ぶ。

当方が出るのを待っていたかのように、マーチ勢がコースイン、まだ予選開始まで10分以上、フェイスマスクにヘルメット、フル装備で10分待つのは結構辛い、気合いが空回りしそうで心臓バクバク、今日EPクラスでポールを取ると5戦連続、#78でエントリーした6戦全戦でもクラスポールの記録も掛かっている。

シグナルグリーン、いよいよ予選開始、はやる気持ちを抑えてピットアウト、後方のマーチは前戦でコースレコードを記録した#91、ちんたらしてたら前に出られてしまう、2コーナーからは既に全開、一気にマーチとの距離を空ける、このまま緩めずに計測ラップに突入、ここで遅れてコーシインしてきたマーチに追い付いてしまう、ヤバい!ライトオンで近付きアトウッド手前で一気にパス、前方は遥か先までクリヤー「行くでぇ」と気合いを入れ、心の中で般若心経を唱える。なぜかここ一番では般若心経を唱えてしまう、やっぱ高校が宗教学校やったからやろか。タイムは56秒から55秒台、タイヤも気持ちも暖まった4周目、ガスの量からいってもあと2周が精一杯、1コーナーを4輪ドリフトぎみに突っ切り、2コーナーはちょんブレ(冬場はアクセルオフのみ)で向きをかえ全開、アトウッドクリップ先で3速5300回転、「イケルでぇ」ヘヤピンから先インフィールドは達人さんが編出した通称「踏みちゃんこ」走法、とりあえずステアリングを入れたら踏みっぱなし!「車の行きたい方向に飛んで行く」って表現がぴったりの全開走法で最終まで、最終ではアウト側縁石外のコンクリートまで膨らんで、極力失速を押さえる、勢いを保ったまま計測ラインを横切り、P・LAPに表示されたタイムは1分54秒946!。

このタイムに気を良くし、なぜなら昨年のゴールデンウィークでのレースでのEPのポールタイムは58秒台、3秒以上も速い、って言うかこの時期の54秒台は冬場の53秒半ばに匹敵するはず「まだまだっ」とそのままクーリングをせずにアタック続行。1コーナーから2コーナーは前周よりも速度のノリが良くそのままアトウッドへ、レイトブレーキで一気に進入、即全開・・・さすがにこの勢いでは道が足りなかった様で、立ち上がりでアウト側グラベルに4輪とも脱輪、構わず2速に叩き込んで砂利を蹴散らしコースに復帰「まぁしゃぁない」とあきらめかけたがインフィールドは前周と同じく「踏みちゃんこ」。タイムはコースアウトしたのにも関わらず1分55秒2、さすがに6周目はタイヤもタレてタイムアップは無理、燃料もこの周までしか積んでいない、計算通りダブルヘヤピン2個目でガクッと失速、そのままピットロードへ滑り込んだ。

予選終了までまだ2分以上、車を降りてモニターでタイムを確認、なんとこの時点でクラス1(カルタス、シティー)を抑え総合1番手、ポール常連の#9カルタスが最終のアタックに入っているのでまだ分らない「どうせ2番手やで」と一息つく、チェッカーが振られる中#9カルタスが計測ラインを通過、その時場内放送が「#9カルタス、55秒台と叫ぶ」予選終了「TCC予選1位は、ゼッケン78、トライアルZEPベクトルラムズのBOM選手(BOMとは言わないんですけどね)」とこれまた一際大音量で連呼に次ぐ連呼。ピットレーンのみわさんと目と目があってお互いにニヤリ「やってまいましたねぇ」「ええ、やってまいました」。なんせ正真正銘の総合ポール、カルタス・シティーと混走になってからEP82がドライの予選で1位になった事なんか無かったんですもん。(有ったらゴメン)

休憩する間も無くドラミ出席、それが終わればすぐにスタート前チェック、車は予選でのコースアウトによる砂ぼこりを落としたのとガス補給のみ、ピットサイドの扉が開いていよいよコースイン、憧れのフロントローアウト側ポールの位置に車を止める。止めると同時にTIのイメージギャルさんがパラソルをもって登場、当方の#78番の脇へ立ち笑顔を振りまく。

ここが夢にまで見たJAF公式戦ポールポジション、キャンギャルさんに「携帯番号おせーて」と声を掛ける(これはポールシッターの決まり文句)、ニヤっと笑ってはぐらかされた「そいじゃ、勝って表賞台に帰ってきたらおせーてくれる?」「はいっ」てなバカ話をしていると今までの緊張が嘘のようにふっと消えた。そこへ1分前表示、セルを回して一発空吹しをくれ、エンジン&自分自身に気合いをいれた。

グリーンフラッグでフォーメーションスタート、ちょっとゆっくり過ぎるくらいの速度で隊列を引っ張る、タイヤは今回で2戦目のユーズド、蛇行はせずに加減速でタイヤを暖め、同時にコース状況の確認1周回って定位置に停止、心臓は今にも破裂しそうなほど、なんせ朝のメディカルチェックでは血圧が下側でも110、もう死にそう。スタートのタイミングは毎回ドンピシャなのに、いつも後続車に囲まれてしまうので、今回はアクセルは6000回転で一定にし、シグナルオフと共にクラッチのみで合わせる事にした。

5秒表示が出て即シグナルオフ、スタート!タイミングはばっちり、空転しかける前輪を半クラッで合わせながら7600で2速へ、左横にはもうすでに#9カルタスが並びかけている、後方同クラスの#21は当方の真後ろ、そのイン側に#30カルタス、いくら予選では当方が速くても、決勝となると歴戦の#9カルタスには及ぶべくも無く、#9には構わず同クラスの#21を押さえる事に全力を上げる。1コーナーまでには#9が先行、その後に#78、#30、#21の順、2コーナーもそのまま一列で通過、まず第一関門のアトウッドは通常3速の所を1周目のみ2速までシフトダウン、後方を抑えながらインインで7800までカチ回しながら立ち上がる、ここで#21がややミス、若干差が開いた。続くバックストレートでは#30カルタスがさすがに速く、100メートル看板付近でイン側に並び掛けてくる、ここで#30を前に出すと得意のインフィールドで#21をちぎれない、#30には申し訳無かったがヘヤピン進入でやや強引にインに切れ込んで#30の鼻先を抑えた、ライバル#21は#30の後ろで行き場を無くしここでも失速。

駆け下り、便所裏と渾身の「踏みちゃんこ」でショートストレートへ、もう勝負あったやろとルームミラーを見ると#21が#30を即座にかわし当方の真後ろに。「やばっ」ダブルヘヤピンで再度気合いを立て直し、マイクナイト、最終、コントロールラインと駆け下る。参戦7戦目にして初めて1周目をトップで通過、後続との差はスリップが使えない程に広がった。

単独走行ならそこは自信有り、2周、3周目とプッシュ、#21に10メートル以上の差を付け、残り周回でも徐々に差を広げブッチギリ状態に。いよいよ最終ラップ、クラス違いの#9カルタスは100メートルほど前方を走行、#21は当方のタイヤが思った以上にタレたために、またまた20メートルくらいの間隔で追走してきている、それでもこっちが普通に走れば抜かれる心配無し。最終コーナー手前くらいから「ガッツポーズはどうしよう」なんて事を考えながらみんなの待つピットレーン前へ、車をピット側に寄せ、みわさんの前で窓を開き、右腕を突き出しガッツポーズ「あれれっ」シフトアップ位置を通り越してしまった・・・エンジンが悲鳴を上げる中なんとか4速へ、チェッカーが打ち振られるコントロールラインを再度ガッツポーズで通過「やった優勝やっ!!」。

クーリングラップではコースマーシャルさんがありったけの旗を振って出迎えてくれる、ポスト毎に手を振って答えているとちょっと年甲斐も無くウルウル、やばいやばい。

ちなみに、キャンギャルさんは勝って表彰台に帰って来たのにもかかわらず当然「携帯番号は内緒・・・」のまま。




TIチャレンジカップレース/EP82クラス参戦記トップに戻る







home

contents

スポンサーは一流、腕は三流!