「文学横浜の会」

 読書会

評論等の堅苦しい内容ではありません。
小説好きが集まって、感想等を言い合ったのを担当者がまとめたものです。

これまでの読書会

2012年04月07日


アンブローズ・ビアス「アウル・クリーク橋の一事件」

 何を読むか、どんな作家の作品を読むかはそれぞれだろう。

今回は私の好きな作家の一人筒井康隆氏の「これを読め」(確かテレビで観たと思うが)との、 お奨め作品を幾つか取り上げた中からの一作品。

当然、氏は何故奨めるのかを発言した訳だが、それが私の頭に残っていて、 読んだ後に「成程な」とは思ったが筒井氏程の感動が湧かなかった。
「最後に、あっと言わせるどんでん返しと、どんなに追い詰められても生への執着」と、確かそんな言葉が残っていて、 言葉を聞かずに読んだら、との思いが湧いてきた。
読書仲間だったらどんな反応をするのかとの興味があった。

絶賛する意見は少なかったが「最後の最後に、死んでしまうと判るのか」と展開の意外さを語った方が多かった。 やはり内容や展開は知らないで読んだ方が、特に短編では、読み手としては楽しめる事は確かだ。
その他の意見として、
・何故処刑されたのかがよく判らなかった。
・一瞬の中であんなに幻想を抱けるものだろうか。
・処刑された男は楽観主義者だ。
等もあった。

読後感は読者側の感受性、或いは内容に対する関心度による。無論、翻訳された作品では翻訳者の力量による処も多い。

改めて読後感は様々だと知らされる。

    以上、金田記

(文学横浜の会)


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