「文学横浜の会」

 読書会

評論等の堅苦しい内容ではありません。
小説好きが集まって、感想等を言い合ったのを担当者がまとめたものです。

これまでの読書会

2012年06月04日


伊集院靜「受け月」

 【感想】
良かった点
・表現が巧い
・男の理想像が書かれている
・古風、頑固さと併せて、人が人を大切に思う事が描かれている
・各所に、伏線が張られている(冒頭部分etc)

悪かった点
・好きでない作家である(すかしている)。女性の描き方が独断的である。
・思想がない。訴えかける物がなかった。
・悪人が出てこない。抑揚がない。小手先で書いている。
・強烈なキャラがいない。
・何のために小説を書いているのかが見えない(ポリシーがない)

【自分の感想】
野球がテーマという事で、男女での評価が分かれるだろうことは、予想された。
人数比だけでは物語れないが、やはりその傾向は見られた。
同世代の参加者が多い為、同時期を生きてきた事による人物に対する好き嫌いが出ている現象には驚いた。
「頑固で寡黙」な親父は、今のこの世の中では化石のようなものかもしれない。
いなくなったからこそ、個人的には、このような主人公が好ましく感じるのかもしれない。

    以上、遠藤記

(文学横浜の会)


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