「文学横浜の会」

 読書会

評論等の堅苦しい内容ではありません。
小説好きが集まって、感想等を言い合ったのを担当者がまとめたものです。

これまでの読書会

2015年04月06日


樋口一葉

「たけくらべ」

担当者;清水

文語体で非常に読みにくかったというのが、殆どの皆さんに共通した感想だったと思います。 口語訳したものを読まれた方も多く、読み終えた感想としては以下の通りです。

・江戸下町の情緒が出ている。
・長文なのに歯切れがよい。七五調や体言止めが多く使用されているためだと思われる。
・生活感が出ており、髪型や着物などの風俗が目に浮かぶようだ。 ・文章の美しさが天下一品。
・あと10年生きていたら文壇が変わったかもしれない。
・少女が大人になっていく微妙な時期がよく描かれており、精神的肉体的な男女差も描かれていて構図がわかりやすい。
・祭りの日の襲撃、信如の下駄の鼻緒が切れた場面、みどりがふせるようになった場面など、時代は変わっても思いはわかる。
・この年齢の女性を描いているのが今でも新鮮。
・美登利はかっこよすぎ。
・美登利の変化の原因として、初潮説と初店説の両方がある。
・一葉は遊女に対してどんな風に思っていたのだろうか。

担当者としては、確かに読みにくいことは確かなので申し訳なかったと思う一方、 これほど美しく子どもからおとなへの一歩を踏み出していく瞬間を描ききった作品はないと感じており、 こうした作品にじっくり取り組める場を与えていただいたことに深く感謝しています。

    以上、清水記

◆次回の予定;
  日時;5月2日(土)17時30分〜
  テーマは「河明り」 (新潮文庫) 、岡本かの子(著)
  書店、AMAZON,「日本の古本屋」又は図書館等で…。

  新刊ではないかも知れません。
  「青空文庫」からダウンロードできますが、プリンター出力では枚数が多くなります。
  図書館(全集本中)等での閲覧をお奨めします。

(文学横浜の会)


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