「文学横浜の会」
読書会
評論等の堅苦しい内容ではありません。2015年06月10日
つかこうへい 「蒲田行進曲」
担当者;河野
好評のうちに舞台で上演されをつづけた作品を小説化して直木賞、映画化されて大ヒット。
『蒲田行進曲』がエンターテイメントの一つの極みに位置づけられる作品であることは多くが認めるところだろう。
撮影所に屯する大部屋役者・ヤスと、スターさんである倉丘銀四郎。ヤスは〈大好きな銀ちゃん〉のためならと、
銀ちゃんの喜ぶ顔がみたくてと、命をタテに新撰組・池田屋の階段落ちで斬られる勤王の志士役を買って出る。
一方で、銀四郎の愛人であった落ち目の大女優の小夏を、お腹の赤ん坊ごと、引き受けるハメになる。
「自分をおとしめる第三者を捲き込んで燃え盛る、マゾヒステイックな愛の姿」が、観客を、読者を感動させずにはおかないのだろう。
テーマ、設定、ストーリィ、小道具、文体、キャラクターと、どれをとっても、思想に裏付けられたエンターテイメント。
「映画は見たが、小説は初めて」という方が数人いたが、「映画とはちがう感動があった」という感想も多かった。
「関西でも、蒲田は知らなくても、蒲田行進曲は知られている」などなど、おおむね、参加者の読後感は好評であった。
以上、金田記
◆次回の予定; 担当は浅田さん。
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