「文学横浜の会」

 読書会

評論等の堅苦しい内容ではありません。
小説好きが集まって、感想等を言い合ったのを担当者がまとめたものです。

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2015年07月05日


スタインベッグ

「スタインベッグ短編集より」

<1、菊 2、白いうずら 3、逃走 6、襲撃>

彼は長編を得意としていて、エデンの東、怒りの葡萄など多数がある。しかし、短篇にも捨てがたい味がある。

1、菊、
自然の愛着を描くが、夫婦関係や、旅の野性的な男との、心理をさりげなく描いている。 出席者の多くは、この作品を最も、評価した。特に女性から好まれた。描写にすばらしい箇所がある。

2、白いうずら、
この作品は、読者によって、とらえ方が様々だったようだ。 私は、夫婦関係の微妙な軋轢と、潜在的無意識行動で、鵜を撃ったと解釈するが。鵜と妻をだぶらせている。

3、逃走、
視覚的なイメージの逃走劇である。ペペ少年がナイフを飛ばしたのは、名誉を傷つけられて、殺意が生じてのことである。 おっかあは、すべてを理解して、銃を渡す。追っ手が迫ってくるが、男なら、いさぎよく戦って死ねの意味である。 女性は、少し理解しがたいようで、関心が薄かったようだ。

4、襲撃、
殴り込みの危険を承知で、それでも逃げずに集会に行く二人の男の心理状態を描くが、これも、女性には関心が薄かったか。

    以上、浅丘記

◆次回の予定; 担当は遠藤さん。
  日時;9月5日(土)17時30分〜
  テーマは「破獄」吉村昭、新潮文庫

(文学横浜の会)


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