「文学横浜の会」

 読書会

評論等の堅苦しい内容ではありません。
小説好きが集まって、感想等を言い合ったのを担当者がまとめたものです。

これまでの読書会

2018年06月03日


吉本ばなな

「キッチン」

担当(清水)

今回はどの作品を取り上げるか決められないまま、 今まで読んだ作品の中で印象に残っているものを読み返す中で「これだ」と思った。 あらすじだけを追うと、突拍子もない展開という指摘も十分考えられるが、 私にとっては深い心の世界をさまよいながら、最後は生きる力を与えられる大事な作品である。

皆さんの感想を以下にまとめました。
・簡易な文章で読みやすいが、設定が理解しづらい
・メルヘン的で女性向けの作品
・若い人の感覚的小説
・30年前23歳で書いた時点では新しかったが、今ではこういった書き方をする人がふえて新鮮味がなくなっている

というようにこの作品について否定的な意見が多かったが

・この時代にすでにLGBT(性的少数者)について書いている
・心理描写を日常的な言葉で描いている
・死から回復していく力を描き出しているのがすごい
・この作品に漂う孤独感、不安が現代人の心に訴えるのではないか
・かえって年をとってからのほうがおもしろかった
といった意見もあった。


以上 清水 記

◆次回の予定;
  日 時;7月7日(土)17時半〜
  テーマ;「鹿狩り」「竹の木戸」国木田独歩、

  場 所;306会議室

(文学横浜の会)


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