「文学横浜の会」

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2001年4月1日


 「新しい年度になって」

 この4月から、暮らしに直結した幾つかの法律が、新しくあるいは改正されて施行される。 主なものを上げると、
・日本農林規格(JAS)法改正、
・食品リサイクル法、
・保健機能食品制度、
・贈与税の基礎控除額引き上げ、
・消費者契約法、
・少人数指導、
・厚生年金の支給開始年齢引き上げ、
・失業手当の給付制度、
・労働契約継承法、
・家電リサイクル法、
・自動車グリーン税制、
・グリーン購入法、
・化粧品の全成分表示、
等だそうである。(31日「朝日新聞、朝刊」より)

 政治がごたごたしている間に、との印象も受けるが、 導入されるとなれば改めて精査してみる必要がある。 しかしどの分野にも精通している人はそんなに多くはいない。 法律の専門家でなければ、自分の身にふり掛かって初めて知ると言うのが実態だろう。

インターネットの時代、せめて新しく出来た法律については、素人にも解りやすく説明して、 Webページにでも載せてほしいものだ。 そして実際に施行して、色々な問題点を吸収する仕組みも作ってほしい。 作ったらそれでおしまいなどとしないでほしい。

 だいたい法律を作るに当たって、当事者の声が反映されていないように思えてならない。 法律を作る際には各種の諮問機関が設けられ、 その手の専門家が集められて、担当大臣に具申あるいは諮問する。 だから充分に当事者の声を聞いている、 と言うことになっているのだがこの諮問機関が曲者なのだ。

日本の農政に本当の農業専門家がおらず、ごらんの通りの日本の農業になった。 いくら学者や評論家を集めても、真に農業が解っていると事とは違う。 農政あって農業政策がないと言う事になる。 形だけの委員会や諮問機関を設けても、それはただ官僚の作った法律を追認するだけでしかない。 またそう言うようにしか利用してないように思う。

 ところで、家電等を処分するに当たっては当然処分費用が掛かる。 その費用をメーカーで持つか処分すつ時に負担するかが議論されたそうだ。 結果は処分する方で費用を負担する事になった。 それには不法投棄が増えるとの指摘がある。私もその危惧に賛同する。 これはやはり購入する際に処分費用をのせて売るべきだと思う。

これらの事を含めて、法律に関する当事者の意見を吸い上げる機構を考えてほしい。 利害の対立、反対の意見など、対立点を明確にするために是非必要だ。 インターネットの時代、やろうと思えば容易にできる。

先の千葉県知事選で無党派知事が当選した様に、 もう間接的な手法では満足しない時代に向っている様に思える。 つまり我々の代表として、政党に属した知事(又は議員)を選ぶのではなく、 国民が直接意見を言う時代に向いつつあるのではないか。その現れが無党派知事の当選なのではないか。 それだけ政党の存在価値が希薄になっている証拠でもある。

 それからもう一つ、個々の法律がそれぞれ有益なのは解りきったことではあるが、 その影に隠れて、新たな特殊法人(〜事業団、〜協会、等)が設立されるのは絶対に許してはいけない。 多くは天下りの温床になり、KSD事件を持ち出すまでもなく、 なんでも国の音頭で事を進める制度はもう卒業といきたい。

全て民間に任せればいい。

(KK)


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