「文学横浜の会」
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2001年8月1日
「今年は暑い?」 留守をしていた6月・7月、特に6月は例年に比べて、とても暑かった。 年々、暑くなっているように感じるのは、私だけではないと思う。 これも、地球規模の異常気象と合わせて、温暖化の影響もあるのだろう。 今、地球の温暖化対策が国際レベルで語られている。 その一つの結果が所謂「京都議定書」なるものである。 内容には色々不満もあるが、地球規模で対処しようとの姿勢は評価できる。 しかし実施となると、それぞれの国の事情が優先して、問題は多い。 ドイツでの会議で、それぞれのCO2排出削減に関しての免除項目に、 「森林」が入れられたのには、納得できない。 そもそも、文明人の存在そのものが、地球温暖化の元凶なのだ。 何百年いや何千年にも及ぶ森林を切り開いて田畑を造り、都市を造ってきた結果が、 今日の地球温暖化だとも言える。 森林を増やしたから免除、と言う事なら判るが、 森林があるから免除、と言うのは納得できない。
さて参議院選挙も終って、結果はご存知の通りだ。 自民党の圧勝、と言う結果だ。小泉首相の個人的な人気が、 選挙結果に大きな影響を及ばした事は間違いない。 今年の2・3月の自民党の不人気を思えば、党首の顔を変えただけで、 このような結果になるとは、日本の民主主義の有りように、 ?(はて)と思わざるを得ない。 そもそも、支持率が80%を超えるなどは、 成熟した欧米(少なくとも日本より民主主義の歴史がある、と言う意味だが) では考えられない事だと言う。そこに日本の危うさも見える。 支持率が50%を超えただけでも、大いに支持されているのだ。 指導者には、未来を見詰めて、どうしても実行しなければいけない政策もある。 それは、当面の幸せを求める多くの国民には、 支持されない政策かも知れない。 或いは、どんな政策でも、それに対抗する政策が出て、大いに議論するのが、 成熟した民主主義だと思う。 だから、支持率が80%などと聞くと、「おいおい、いいの?」と思う。 ニュース等に映し出される、小泉首相を取り囲む有り様を見ていると、 まるでアイドルを取り囲む熱気と変らない。 政治意識が低いとは言いたくないが、そうしたムードに流されて、 国の大事な政策を任せる人を選んで欲しくない。 と言ってみても、既に審判は降りたわけだ。 囁かれている、自民党内の捩れ現象で、 小泉首相の「聖域なき構造改革」がどの程度実施されるか、 大いに注視しなければいけない。 一度支持したからには、多少の痛みに遭っても、 手のひらを返すような事はするな、と言いたい。 この選挙の大勝で、9月に予定されていた自民党の総裁選が、 前倒しになりそうな様子である。 小泉総理の続投、と暗黙の了解になりそうだ。 対抗馬が現れない…、何だかおかしいな。 選挙でも囁かれていたが、「道路財源の見直し」にしろ、 小泉首相の景気対策よりまずは「聖域なき構造改革」に、 少なからず反対していた政治家もいたではないか。 どうして政策を掲げて総裁選を戦わないのか、理解に苦しむ。 白日の下に議論を戦わせてこそ、真の民主主義なのではないか。 対抗馬が現れないのは、党内で小泉首相を信任した、と言う事なのだが? これから日本がどう変るのか、大いに興味を持って見よう!
(KK)<8日修正> |
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