「文学横浜の会」

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2003年8月3日


「梅雨が明けて」

 八月に入って、やっと梅雨明けの声を聞いた。 八月に入っての梅雨明けは、戦後二番目の遅さだそうだ。 近年続く猛暑とあわせって、地球温暖化による異常気象の現れなのだろうか。

温暖化がこのまま進むと、寒さに強い米ばかりでなく、 北海道の何処でも米の生産地、と言う事もそう遠い事ではない。

こうした温暖化傾向は日本だけではなく、地球規模で進んで、 異常気象と言う形で各国に災害を齎し、看過できない事態をまねいている。

 日本では、原子力発電所の杜撰な管理が発覚して、 一時は殆どの原子力発電所の発電が止められた。 それが猛暑の夏を迎えて、電力不足の恐れから、二・三の原子力発電所が再稼動した。 それでもピークの電力需要には対応できない恐れがあるのだそうだ。

社内では節電が求められ、最悪のシナリオ、長期の停電に備えた電算機の対応等、 メーカー各社は働きかけている。 今、会社はコンピュータを抜きに仕事をする事は考えられないし、 日常生活でも、電気のない生活は考えられない世界になっている。 昔に帰れ、とは言わないが、考えればなんとも不安定な社会ではないか。

 乱暴な物言いとは承知で言うが、この際、一日ぐらい停電を体験したらいい。 いかに不便を感じ、電気の有難さを感じるだろう。 どんなに声を大きくして節電を呼び掛けるより、 実感として電気の重要さを知るだろう。

電気を作り出すメカニズムを辿れば、地球温暖化の一つになっている事も知る。 火力発電所がそれで、皮肉な事に、 原子力発電所が最も安価で安定した電力を作りだす。 ここは原子力発電を頭から忌み嫌うのではなく、 如何に安心して利用するかの知恵を出し合った方がいいと思う。

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 今、日本は少子化で、将来への希望が持てない暗い雰囲気の中にあるが、 決して暗くはないと思う。 前号でも書いたが、今の人口は多すぎると、僕らの小さい頃は言っていた。 欧米並みの人口(国土面積当たりの)にすべきだとの意見もあったと記憶する。

繰り返して言うが、将来人口が少なくなるなら、 それに見合った社会制度に変えればいいだけなのだ。人口が増えて、 子供が多い時代の制度をそのままにして、変えよとしないのが今の閉塞感なのだ。

ここまで書いて、暑くなったので、やめた。
もっと楽しい事を考えたい。

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 梅雨入り頃に採った梅を漬けたのが六月中旬で、毎年梅雨明けに天日干しをする。 今年は何時もより多く漬けたから、何時梅雨が明けるのかと苛々していた。 これから天日干し作業に掛かるとするか。

<K.K>


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