「文学横浜の会」

 エッセー


INDEX 過去のエッセー

2003年9月6日


「コンピューターウィルスと自民党総裁選」

 先月、うっかり「温暖化がこのまま進むと、北海道が米の生産地、 と言う事もそう遠い事ではない」と書いたら、 北海道では今でもお米を生産している、と見知らぬ方からメールを頂いた。 ご尤もで、書いた本人も読み直して気づいてはいたが、そのまま放置しておいた。 誠に面目ない。

 さて、電子メールと言う新しい伝達手段が普及して、便利になった。 しかし便利さとは裏腹に、そこには必ず何かしらの落とし穴がある。 コンピューターウィルスがそれで、 電子メールやWebページによって広がっていく、なんともやっかいな存在だ。

コンピューターウィルスはパソコンの普及とともにその存在が指摘され、 インターネット時代を迎えて、またOSとしての「WINDOWS」の圧倒的なシェア獲得による、 WINDOWSを狙ったウィルスの被害が多くなっている。 01年のコードレッドやニムダと呼ばれるものから、 最近ではソービック、SQLスラマーやMSブラストと言われるウィルスの被害は、 企業はもとより個人でも無視できなくなった。

この手の犯罪はもともと技術力を誇示する愉快犯なのだが、 その影響は今では計り知れないほどの害をもたらし、企業ではその対策に本腰を入れるようになった。 つまりウィルスを駆除するソフトウェアを導入して被害を食い止めようとしている。 駆除するソフトウェアが出れば、また新たなウィルスが出て(開発して)と、いたちごっこだ。

WINDOWSを使っているからだと、マックOSを使う友人に言われるが、 マックOSとて、ウィルスが全くないと言う訳ではない。 WINDOWSと比べて普及率が圧倒的に少ないから、愉快犯にはウィルスを作る意欲が少ないだけなのだ。

ウィルスの絶対に作れないパソコン(OS)、しかも今のアプリケーションソフトが動かせるPCが 開発されれば、きっとヒットすと思うんだがなぁ。

マイクロソフトのWINDOWSのシェアが、世界で90%だなんて、それが異常なんだよ。

*****

 自民党の総裁選が紙面を賑わせている。 従来の派閥中心の選挙とは趣を変えて、 橋本派のごたごたに象徴されるように、自民党の総裁選びに変化が起きている。 これが政治の変革に進むと思いたいのだが、どんな結末を迎えるのだろう。

中選挙区制から小選挙区制になって約10年経った。 小選挙区の下では、同じ政党の候補者と争う必要はないから、派閥の結束力が薄れた結果、 派閥ぐるみの総裁選が行われなくなったのだそうだ。 と言う事は、派閥とは「政策集団」とは言うものの、 所詮は自分が当選するための方便に過ぎなかったのだ。

それで今回の総裁選なのだが、派閥単位で反小泉の立場を明確にしても、 なかなか纏まらない集団もあるようだ。それは小泉首相の人気が高いからだと言う。 小泉首相を支持する議員の中には、政策は支持しないけど選挙の顔として代わる人がいないから、 と考えている者もいるようだ。むしろそちらの方が多いのではないか。

選挙制度は変わったが、どうやら総裁選びの考えには変化はないようだ。 つまり、自分が当選するにはどうすればいいか、と言うのが国会議員の基本らしい。 政策には反対だけど支持するなんて、どうしてもおかしい。 こんな事では、よその国の政治を笑えないよ。政策で戦ってほしいけど、無理なんだろうかねぇ。

小泉首相は国民的な人気があると言う。 ぼくはひねくれ者だから、大衆受けする人物ほど「眉唾」だと思ってしまうんだ。 選挙公約で掲げた事を守らなかった事に対して 「あんな事を守らなかったことなんて、たいした事ではない」 と応える指導者を、どこまで信じていいか判らないんだけどねぇ。

国民に人気のあった指導者でも、ろくでもない結果しか残さなかったと言う例は沢山ある。 反対に不人気の指導者で、後々、実績が評価される人物もいる。 日本の近代史でも、前者では近衛内閣、東条内閣、後者は吉田内閣、岸内閣あたりだろうか。 民主主義を馬鹿にする積もりはないが、所詮人気など、何ほどの事があろう。

パソコンで言えば普及率が高ければコンピューターウィルスの危うさがあるし、 人気が高いからと言っても中身は危ういという事もある。
 誰が総裁になるんだろうね。

*****

 民主党と自由党が一緒になって、新しく民主党がこの秋辺りに出来るらしい。 僕は日本の閉塞感の原因の一つに、政権が移動しないことにある、と思っているから大いに期待したい。 駄目だったら、また政権を変えればいいだけの事さ。

<K.K>


[「文学横浜の会」]

ご感想・ご意見など、E-mailはこちらへ。
禁、無断転載。著作権はすべて作者のものです。
(C) Copyright 2000 文学横浜