「文学横浜の会」

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2004年4月4日


「4月、新年度」

 気づいたら月が変わっていた。3月の年度末から4月にかけては何かと忙しい。

 個人的な忙しさとは次元を異にするが、内外とも平穏の時はない。

 海外では、

 イラクへ派遣された、自衛隊本体もサモワに到着し、いよいよ支援活動が本格派する。 馴れない土地で、しかも日本とは価値観の全く違う国での支援活動だから大変だろう。 貨幣レートのおかげで、日本は金持ちの国で経済大国だ喧伝されている。 かの国ではそういう物持ちは貧しい者へ施すのが当然だとの考えがあるから、 我々が思っているいるような援助などとは、きっと思わないだろう。

 韓国では大統領が議会で弾劾されて、機能を停止されている。 ニュースでみただけだから、隣の国の政治をとやかく言える筋合いではないが、 野党も与党も大人げないね。日本の政治家も大人げないけどね。所詮、人間のなせる業。

 台湾では総統選挙で僅差で勝利したものの、政治的混乱が続いている。 僅差で破れたとはいえ、破れたからには潔くしたらどうかと思うのだが、政治の世界ではそうもいかないのだろう。 選挙日直前の暗殺事件も、こと政治家や選挙が絡むとなにやらきな臭くなるから不思議だ。

 尖閣諸島には中国人が不法に上陸して、両国の過激分子を刺激している。 あんなに広大な領土がある国なのに、どうしてあんなちっぽけな島の領有権を主張するのか、 金持ちがケチなのと似ているのかな。

 スペインでのテロが、イスラム過激派の仕業だとして、テロ対策に過敏になっている。 元はと言えば、アメリカがパレスチナ問題でイスラエル寄りだから、9・11のテロに遭い、 それがアフガン戦争となり、そしてフセイン打倒のイラク戦争を仕掛けたことによってテロが世界に拡散した。 何事も偏るのは良くない。こうなると日本の事なかれ主義も悪くはないな。 イスラエル過激派や保守キリスト教徒の唯一絶対主義にはついていけないね。 日本は人道支援もいいけど、日本の事なかれ主義、「八尾万(やおおろず)の神々」の思想も教えたらどうだろう。 そんな事をしたら殺されちゃうか。

 イスラエル軍がパレスチナのイスラム過激派ハマスの創始者ヤシン師を殺害した。 これはテロをテロで応じたようなもので益々混迷の度合いを深めやしないかと危惧する。 この事件に対しても、アメリカの現政権の対応はイスラエル寄りだね。 日本は断固、イスラエルを非難すべきだ。テロの応酬は、絶対に良くない。

 国内では、

 日本でもテロの起こる心配があり、注意するに怠りないのはいいが、 不安を煽るような行為は慎みたい。 僕の思い過ごしかも知れないが、この処、東京の町、そして横須賀の町を歩いていると、 外国人の姿を多く見掛けるような気がする。もし本当なら喜ばしいことだ。 日本が安全だから、日本に来ているのならなお喜ばしい。

 これからの少子化で、抜本的な改正とは言うが年金問題はどうなるのだろう。 一元化が望ましいのは明白だが……。 そもそも、最低基礎年金は税で行うべきだと思う。今の生活保護に匹敵する額を、税金で賄うべきだと僕は思う。 今年金を支払わない人でも、もし将来、生活保護を受けなければならなくなったら、税金で賄わなけれなならないのだ。 それなら最初から、基礎部分は税で賄う。財源は消費税でいい。もし10%の消費税が必要なら、 使い道がはっきりしているからそれでもいいと思うが如何だろう。

 株価もようやく明るい兆しが見え始めたようだが、景気は本当に良くなるだろうか。 景気は良くなって貰わなければこまる。企業の業績が上向いていると言うが、多くの中高年がリストラの犠牲になり、 若年労働者が職にありつけない現実を正視すべきだ。それを解決してこそ真の景気快復と言える。

 今月新たな動きがあったが、北朝鮮に残された拉致家族の子供達は何時日本に帰れるだろう。 お互いの国のメンツは捨てて、個人の人権の問題として、どうして解決出来ないのだろう。 弱腰などとは言わず、場合によっては向こうのメンツを立ててもいいのでは?  弱腰こそ真の強さを持ったものに出来る技、と僕は思うんだが……。弱腰外交! 売国奴! と言われるかなぁ。

 価格表示が税込みになった。 何時しか消費税が含まれている事を忘れてしまうのかな。お酒やタバコの値段の半分以上は税なんだ。 この値段の20%は消費税、なんていう時代が来るのかな?  使い道のはっきりした、我々に返ってくる税なら僕は反対しないけど……。

 等々、新年度になっても内外に色々と問題を抱えている。

<K.K>


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