「文学横浜の会」

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2005年4月3日


「新年度、ニュースの種は尽きない」

 「福岡県北方地震」。またまた震度強の地震が日本を襲った。被害に遭った方々は心細い日々を過ごしている事だろう。 幸い人的被害が少なかった事が救いだった。被害に遭った土地は、過去に大きな地震の記録がなかった土地だと言う。 つまり、何処にいても大きな地震に見舞われる危険があるという事だ。

 これを書いている矢先にも、先のスマトラ沖地震の余震と思われる震度8.7という大きな地震が発生した。 巨大地震の余震だけあって、その大きさも並ではない。

 国内政治の世界では、「郵政民営化」で揺れている。 そもそもの発端は、国民から集めた大事な「お金」を野放図に「道路財源」等に回さないようにする、 と言うのが主眼だったが、それは当時と比べれば大夫歯止めが掛かっている。 「民営化」の目的は拡散して、どう決着付けるのか注視したいが、 どんな形態になろうとぼくにはたいした問題ではない。決着の付け方が問題だと思う。 決着をつけんがために、中身は両者の良いとこ取り、或いはつじつま合わせ、そんな決着を想像してしまう。 政治の世界ではそうした事がままあるからだ。何のための民営化だったのか、 と後々指摘されるような決着だけはしないでほしい。

ぼくらには「郵政民営化」より「年金問題」の方がもっと大事だ。 一元化をめぐって今、与党と野党が対立している構図だが、やっと両者が協議の場に付いた、と言う状況でもある。 これは一年でも早く決着させてほしいが、 拙速は避けなければいけない。

ぼくの案は、基本年金部分は税で賄い、積み上げ部は今の厚生年金、 共済年金それに国民年金で集めた個々に応じた年金にする、だ。 基本年金は今の生活保護で支給される程度の額を考える。これは消費税で賄う。無年金で生活力のない人でも、 生活保護を受けさせなければならないなら、その程度は基本年金として国民全てに支給する。 そのためには消費税を10%にしなければいけないと言うのなら、それでもいい。

積み上げ分はそれぞれ個人の置かれた状況に応じればいい。その時、公平を期すために公的支援は一切しない。 それでも足りないと思う人は、民間会社の年金に入ればいい。

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 「愛知万博(夢・地球博)」が始まった。 ぼくはこういう催しには余り行かない。行ったことがない。人混みが嫌いだし、それに何か作り物の臭いがするからだ。 だからここに書くこともないのだが、大きなイベントとであることは間違いない。

ニュースで観るそれは、各種のロボットが登場して、未来の活躍を暗示させているが何か味気ない。 同時に、恐竜の化石が展示されている。何億年か先、何処かの惑星で『これがどこそこの惑星に生存していた、 ホモサピエンスが進化した「!ー¥*#%&!”」(別名:人類)』、 などと言って展示されているのを想像するのはぼくだけだろうか。

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 ニッポン放送をめぐってライブドアーとフジテレビとの争いがマスコミを賑わしている。 どんな展開になるのか、ぼくらにはとんと縁のない世界だが、IT業界の勢いを感じる。 先のプロ野球を巡る買収問題でもIT業界が動いた事は記憶に新しい。

業界そのものは生き物だから、流行廃り、或いは産業そのものが科学技術の進化で変化する。 同じ業態がいつまでも勢いがあるとは限らないし、必ず廃れる時がくる。 その時、どんな業界(会社)に居たかによって、大きな差がある。

 ぼくの言いたいのは昨今流行のリストラのことである。 新聞記事でだが、リストラに応じて何千万円もの退職金が上積みされて支払われる会社がある。 一方では、退職金も満足に支払うことも出来ない会社もある。その差は大きい。 何もお金だけを比べる必要はない、個人的な運不運はつきもので、それが人生だと言われるかも知れない。 しかし労働の不公平さは益々広がっているのではないか。ぼくはそれを言いたい。

今は労働組合に所属していない労働者の方が多い。 労働組合に所属している労働者は、所謂、パート社員、派遣社員、フリーター、アルバイト等からみれば労働貴族に見えるだろう。 その賃金格差はすこぶる大きい。こんな時代が長く続いてはいけない。

 いずれにしても色々な意味で、今は曲がり角・変革の時であるのかも知れない。

<K.K>


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