「文学横浜の会」
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2005年5月1日
「5月、連休」
JR西日本・福知山線の電車事故は、戦後の混乱期を除いては、最悪の電車事故になった。
事故に遭った遺族の方々には言葉もないが、他人事ではなく、
何時大事故に繋がかも知れない多くの物を身近に抱えている現状を、改めて思い知らされた。
事故が報道されてから、安全重視のためたか、気のせいか何時も通勤で利用している電車に遅れを感じる。
安全重視のためなら、少々の遅れなど構わないのだが、、、。
だいたい過密ダイヤの中で、時刻通りに正確に電車を走らせるなど、無理があるのではないか。
小泉内閣以来、構造改革で無駄を無くそうとの雰囲気が強くなった。
会社の現場ではIQ運動とやらで、如何に無駄をなくして効率良く仕事をし、業績を挙げるかに血眼になっている。
それはそれでいい。地方公務員等での不当な手当があからさまになって、改善されるのは成果だろう。
無駄な作業を無くして効率が挙がるのなら、それも成果だろう。
でも、行き過ぎはないだろうか? 効率重視でがんじがらめになって、現場の雰囲気は気まずくなっていないか?
作業者はゆとりを無くしていないか? 、、。
何れにしても、どんなに機械や装置で安全を保つ仕掛けを備えても、それらは人が使うのである。
人があってこその安全なのだ。
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嫌日本の空気が韓国や中国に広まっているそうである。教科書問題、領土問題それに小泉首相の靖国神社参拝問題
が直接関係しているそうだが、なんとも厄介なことだ。特に領土問題は、ひと昔前なら、それで戦争になる。
力のある国が占領して領土とする。ソ連の崩壊で北欧の一部を除いて、
先の第二次世界大戦での趨勢がそのまま今の状況だと言ってもいい。
今問題になっている領土問題の多くは、双方に言い分があり、歴史的な背景がある。
だからといって「領土を乗っ取られた。さぁ、戦争だ!」等という状況ではないし、そんな時代ではない。
多くの国民はそれは解っているが、問題は「過剰な愛国心」だろう。どの国にもそう言う人はいる。
「過剰な愛国心」と「間違った愛国心」とは表裏一体。
そして大衆は、時として歯切れの良い意見に流れがちだ。歴史を紐解けばそんな例は無数にある。
複雑な問題を、歯切れよく言い切れることはできない、と思った方がいい。
日本の教科書を批判するが、韓国や中国の歴史教科書はどんな内容なのだろう。
聴くところによると国で定めた「国定教科書」で、それしかないと言う。日本とは大きく違う。
その中で日本に関する記述がどうなっているか関心がある。昨今の嫌日本を助長する内容でない事を願いたいが……。
若者はそうした教育に影響されることが大きいのだ。
隣国の教科書を批判する前に、自国の教科書の記述が、無闇に愛国心を助長させるだけになっていないか、
お互いに意見を交換する場がほしいものだ。
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ゴールデンウィーク。今年は2日と6日に休暇を取ると10連休となる。そんな休暇を楽しんでいる方も多いだろう。
益々、ゆとりのない世の中になっていくような気がするが、休暇ぐらいはゆっくりと過ごしたい。
郊外に出て、自然に接するのもいい。しかしそうしたゆとりが、全国一斉、と言うのはなんとも哀しい。
電車事故で注目度が低くなったけど、郵政3事業の民営化問題はどうなるんだろう。
骨抜きされて、、、お決まりの、決着か?? <K.K>
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