「文学横浜の会」
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2005年6月5日
「女性専用車輌」
もう先月になったが、ぼくが通勤で乗っている電車が、5月から前一輌、女性専用となった。
ぼくは通常後ろの車輌に乗っているから影響はなかったが、前の車輌に乗っていた通勤客はきっと戸惑ったことだろう。
駅のアナウンスで知ったのだが、知らずに女性専用車に乗ってしまった男は、きっと気まずい思いをしたと思う。
女性専用の車輌ができたとは言っても、ぼくがいつも乗る車輌に何か変化があった訳ではない。
つまり廻りが男だけ、と言うわけではない。満員電車に乗ってふと男だけだと気付いたら、どんな感じだろうか。
同様に、女性専用車に乗った女性はどんな感じを持っただろう。
無論、痴漢の心配をする必要がないから安心して乗れる、と言う女性もいるだろう。
そもそもそんな措置が執られたのは、痴漢から女性を守る、という事からだろう。
前の一車輌だけだから、凡ての女性が乗れる訳ではない。報道によれば、その車輌はだいぶ混雑したようだ。
中にはそれに乗らなければいけないように感じた女性もいるのだろう。
女性専用車をつくるなら、半分は女性専用、ついでに男専用車両にしてしまえ、と皮肉りたくもなる。
「廻りに女がいなければ、痴漢に間違えられないように気を遣わなくてもいい」
等と思っている気の弱いサラリーマンもいる筈だ。社内で気を遣い、その上車内でも気を遣うのなんてまっぴら。
そんな風に思っている男もいるだろう。
でもそんな社会になったら、きっと味気ないと思うよ。
だいたい世間一般で、男女を分けているのはトイレぐらいではないか。その他では、…思い浮かばない。
それさえ、高速道路のトイレ等では、女性が沢山だと、おばちゃん連中はズカズカと男の領域まで乗り出してくる。
勿論、婦人科に男は行かないけどね。
まあ、一車輌ぐらいなら、女性専用もいいと思うけど…。
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郵政民営化法案が、紆余曲折の末、ようやく国会審議の段階に入った。
これからどうなるのか見物、いや、どんな審議がされるのか大いに注目したい。
小泉首相の任期は来年9月の自民党総裁任期までだとの認識が大方だが、
首相としての実績評価は後々明らかになるだろう。
それとは別に、権力の有り様を国民の前に明らかにした功績はある。
それも国民の支持があったればこそ、だ。
勿論、首相になるには掲げる政策に国民の支持が無ければいけない。しかしそういう構造にはなっていなかった。
首相になるにはまず派閥の長にならなければいけない。それには多くのお金が必要になる。
総裁選で多数派になるためには手練手管を尽くして、派閥間の合従連衡。その中に政策など全く入る余地はなかった。
それが小泉以前の自民党総裁の選ばれ方だった。
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今年の梅雨入りはいつ頃になるのだろうか? この時期になるといつも気になる。
梅雨の時季になると梅の実を獲るからだ。その前にジャガイモの収穫をする。
今年は雨が少なかった影響か、幾分、小ぶりだった。
<K.K>
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