「文学横浜の会」
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2005年11月6日
「やっと、秋」
11月になってやっと秋らしくなった。
さてさて、自民党の圧勝で終わった総選挙の結果、政界はすっかり様変わりしてしまった。
圧倒的な与党の数から、すっかり余裕が、つまりこれだけの数があれば与党だけでなんでも出来る、
という雰囲気が生じたように思う。憲法問題から消費税の導入と、
時の政権が長年懸案にしていた諸問題を一気に解決しよう、との声も聞かれる。
それが悪いということではないが、気分というか、雰囲気とでもいうか、
流れに任せて事に当たるのは「待て!」と言いたい。
何れの問題も色々な意見や考えがあり、議題に挙がれば侃々諤々、纏めるには大きなエネルギーと政治力が必要で、
収拾には時間も掛かる。ならばこの時期にと思いたくなるのが行政側だろう。
いつかはやらなければならない問題だし、誰かがやらなければならない問題でもある。
9条の問題はあるが、60年前の憲法をそのままでいいとは思わないし、
こんなに大きな借金を抱えたままで、この先消費税に手を付けないでいられるとは思えない。
さて、1年足らずの内閣だそうだが、新閣僚も決まった。
郵政民営化問題の決着がついた今、この内閣は何を目指すのだろうか。
聞くところによれば、ポスト小泉を決めるための内閣だと言う。
それも大事なのだろうが、ただそれだけだとしたら将来に大きな禍根を残すことにはならないだろうか。
次のリーダーには、小泉流を払拭するような、そんなリーダーが出てきてもいい。
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1日、東京証券取引所のシステムに障害が発生して、お昼過ぎまで取引が出来なくなった。
新聞で大きく報道されていたから、ぼくのように株とは無縁の者でも、
そんな事が起きたのか、と言う程度に理解していた。
しかしその後の記事では、誰が責任を取るとか、そんなニュースも流れてくる。
たった半日、株の取引が出来なくなっただけなのに、と思っていたがそうでもないらしい。
例え1分でも取引が出来なくなったら、大きな問題なのだそうだ。
具体的にどんな問題が起こるのか、実感として理解できないが、
そんなに重大なことならどうして機械化するのだろうと思う。
機械化しなければ処理が追いつかないと言う事情もあるだろう。
でも機械化すれば、今回のようなことは絶対に起きないとは言えない。
どんなに万全を期しても、絶対確実ということはない。
どんなに努力しても、それは確実性を高めるためのものに過ぎない、とぼくは思う。
それより、なんかぎすぎすした社会になってしまったなぁ。
少しぐらいミスしてもいいじゃないか。失敗してもいいじゃないか。
こんなことを言っていると、きっと血相を変えて「何を言う」と怒られるだろうな。
もし、人名に危害を与えたらどうすると。それもそうだ。
でもやっぱり、仕事はのんびりとやりたい願望はある。
機械や文明などのない昔は良かった。働くと言うのは自分の食するものを得るためだし、
それに失敗したら自分や家族の首を絞めるだけで、他人に危害を及ぼすことなんてなかった。
自給自足やスローライフに憧れるのは、根底にはこんなぎすぎすした生活を嫌悪しているからだろう。
<K.K>
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