「文学横浜の会」

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2008年3月6日


「国会答弁は自分の言葉で」

 来年度の政府予算はこれからどんな展開になるのだろうか。 と、がらにもなく来月からの次年度日本の予算が気になっている。 予算案は先日衆議院を通過した(与党がさせた)から、衆議院の優先性からいずれ予算案はそのまま通るが、 問題は予算に関連する法案だ。

ご存じのように今日本の国会、衆議院と参議院では与党と野党がそれぞれ違ってねじれている。 つまり衆議院の優位性のルールのない関連法案の成立には衆参両院で可決されなければ国会を通らないことになる。 予算案が国会を通っても、関連法案が国会を通らなければどんなことになるのか…。

中でもマスコミに大きく取り上げられて問題になっているのが「道路特定財源」として3月末で切れる暫定ガソリン税の延長だ。 ぼくは「道路特定財源」としてのガソリン税には反対だ。 「道路」を造るのはいいが、何もそれだけに限定した税を徴収する必要性はなくなった。 どうしても特定財源を設けたいのなら、今の時代なら「年金特定財源」や「福祉特定財源」なら賛成できるが、 道路に限定した財源確保にはどうしても賛成できない。

 昨今、年金や薬剤をめぐる厚生労働省、前事務次官や漁船との衝突事故等の問題を起こした防衛省、 「道路特定財源」の使い方をめぐる国土交通省、等等。日本の官僚制度は大きな問題を抱えている。 明治維新によって生まれた我が国の官僚制度は、太平洋戦争の敗戦をくぐり抜けて根強く残っているが、 「官僚制度」そのものが今の時代にそぐわないものになっているのは間違いない。 その声は今に始まったものではなく、「昭和」の終わり頃からそうした声は挙がっていた。

それなのに今もって同じような事が言われているのは、官僚制度改革に対して、如何に「官僚側」の抵抗が強いかなのだが、 このままでは日本はおかしな事になってしまうのは目に見えている。 政府が法案化しようとしている「公務員改革法案」は、内容的にはまだまだだが、 「官僚制度」の改革の第一歩である事は間違いない。 しかしそれさえ「骨抜き」され、国会で成立するかどうかも怪しい状況だ。

官僚制度の主な改善点としては、 エリート特権階級の廃止ないしは競争原理の導入、省庁毎の採用人事の廃止、民間企業との人事交流の活性化(途中採用、 専門職の受け入れ)、天下りの温床となっている肩叩き退職の禁止、等が挙げられる。 中でも省庁の利益は考えてもも国の利益は考えられないという今の省庁のあり方は早急に改善すべきだ。 省庁間の重複している部分を一つにするだけで、予算の無駄使いはだいぶ少なくなるだろう。

 それにしても日本は今多くの問題を抱えている。 それなのに国会審議を聞いていると、こんな人達に国を任せていていいのだろうか。 委員会で質問されると脇にいる官僚からの回答をそのまま代弁し、質問する方も受けを狙った質問内容が多いように思う。

国会議員の皆さん、もっと国の先を見つめた真剣な議論をして下さい。 些末な質問はしないで、個々の諸問題について今後どうするのかを議論して下さい。 答弁は自分の考えを自分の言葉で述べて下さい。

<K.K>


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