「文学横浜の会」

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2008年4月5日


「今、日本は過渡期か」

 暫定税がなくなってガソリンが安くなったらしい。と言うのは自分ではまだ購入していないから実感がないのだ。 でも与党の対応次第では、すぐにもガソリン税の暫定税率が復活して、元の値段に戻る。 つまりつかの間の値下げ、と言うことになる。

考えてみれば値下げになったとは言っても、1,2年前の値段に戻ったに過ぎない。 この1年での原油の値上がりが激しかった訳だが、本当はこのことをもっと問題にすべきだと思う。 市場原理で値上がるのなら、ある意味仕方がないと思うのだが、原油が値上がりした原因はどうもそう言う事ではないらしい。

原油値上がりの原因は、原油が投機の対象になっていて、投機資金が原油に流れた結果なのだと言う。 一部の産油国は原油高騰によってますます金持ちとなり、そのお金が投機資金に回ってますます原油が値上がる、 と言う構図になっている。 何ヶ月か前は100ドルを超えると大騒ぎしていたのに、もう当たり前のようになった。

言い換えれば、投機資金が原油価格の高騰を促し、世界の大衆を苦しめている。投機の世界がどうなっているのか知らないが、 幾ら自由主義経済とは言え、投機の対象となる物には、何らかの規制が必要なのではないか、とぼくは思う。 今度のG8サミットでは環境問題と同等に、投機の規制についても検討してほしい。

 一方、この騒動で判った事は、選挙の結果がもろに生活に直結する、と言うことが実感できた事ではないだろうか。 この混乱は衆議院と参議院の与野党が逆転していることから生まれた。 日本は自民党を中心とする政権が戦後ずっと続いていて、 その結果、昨今の混乱は日本政治の脆さを露呈したように思えてならない。

問題が山積している今の日本で、税制をダイナミックに時代に適応できない問題、 官僚の権限を時代に適応させる事が出来ない問題、それらは全て政治の責任だ。 取り分け、戦後、永らく与党で有り続けた自民党の責任は重い。 それは自民党に政権を委ねた続けた選挙民の責任でもある。

 政権はダイナミックに移ってこそ、馴れ合いや現状維持と言ったまあまあ主義は排除される。政治には緊張感が必要なのだ。 ある意味、いま日本は過渡期にあるのだろう。

<K.K>


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