「文学横浜の会」

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2008年8月4日


「オリンピック開催月」

 福田内閣の組閣も終わって、果たして内閣支持率はどれだけ上昇しただろう。 今月は「北京オリンピック」が開催されるから暫くマスコミは政治から離れるだろうが、 内閣支持率がどうあろうと昨今の政治状況は予断を許さない状態が続く。

新内閣のキャッチフレーズは「五つの安心政策」だそうだ。 だが政党の発する“言葉”に国民は不審の目でみている。 「百年安心プラン」と言って医療改革を強行したのはいつのことだったか?  日々新しい出来事が起こり、絶えず新鮮な事件に飢えている報道各社にとっても、過去の記事は泡沫のように虚しい。

少子高齢化が言われて久しいが、百年先のプランを作れと言っているのではない。 少なくとも30年、50年先の国の年齢構成は推定できる。それなのにそれに対応した国の制度を決められないのは、 政治の責任と言われても仕方がないだろう。 政治家とはそうした国のプランを語ることではないか。

例えば、憲法に則って誰もが最低限の生活が出来るようにする為に、その財源はどうするか。 そのための財源となる税制をどうするか。

例えば、労働者の定年は順次引き上げて、70歳とする。 そのための賃金体系は、50歳をピークに或いは扶養手当等、見直す事も必要だろう。 70歳定年となれば、一度40歳ぐらいでリセットできるような労働慣習も必要になるかも。 そうすれば所得税は余り減らないで、消費税の税率も今のままでも良くなるかも知れない。

 老人年齢を引き上げてもっと目的意識を持たせれば、老人医療費も減るだろう。 高齢だからと言って元気な労働者から仕事を奪うような制度は、 高齢者の知識・技能を切り捨てる事になり、健康な人から仕事を奪う事で精神的にも肉体的にも悪影響を与えて、 社会的にマイナスになる事ばかりだ。

例えば、紛争に我が国は武力を行使しないと世界に宣言し、それをアメリカにも納得させる。 武力を持たないと安心できない人の為に、国連軍(そのような武力を持った組織)に積極的に参加し、 その為の武力を国連軍に提供する。 武力とはそれを持たないと安心出来ない人への対処に過ぎない。

例えば、毎年人口のコンマ1%以内で、積極的に諸外国から移民を受け入れる。 そもそも日本そのものの成り立ちが東アジアからの移民で成り立ったのだ。

例えば、道路特定財源等、利用が特定された税の見直しをたえず行い、財政の硬直化を招かない。

等等、国のプランを掲げて選挙に臨むべきだ。 「郵政民営化」と言ったたった一つの政策で選挙を行うべきではない。先の選挙で国民は大いに学んだ事だろう。

オリンピックの開催月だからと言う訳ではないが、4年毎に与党の政策を検証したらどうだろう。 4年でなくとも3年でもいい、政党の掲げた政策を検証してほしい。 報道各社も卑小なスキャンダルじみた報道ばかりでばく、政策を検証する記事を競ってほしい。

<K.K>


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