「文学横浜の会」
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2008年10月6日
「不況の中での政局」
盛り上がらない自民党の総裁選が終わり新首相が誕生して、総選挙はいつ行われるのだろうか。
世の中はめまぐるしく変化するが、それにしても変化は激しい。
アメリカでも大統領選挙の最中であり、来月には新しい大統領が登場する。
そして今、日本の経済、いや世界の経済は急速に悪化しているという。
悪化の直接の原因はアメリカにおけるサブプライム問題に端を発した金融システムの混乱が原因らしい。
要約すると返済する能力もない人にお金を貸して住宅を購入させ、それが大量に焦げ付いたのだ。
それだけならアメリカの金融機関の問題なのだが、そうした借金のつけが巧みな金融システムの仕組みの中で、
様々な金融商品として世界中にばらまかれた結果、アメリカだけの問題ではなくなっているのだ。
つまりアメリカ版住宅バブルの崩壊である。
まあ、ぼくのような平均的な生活をしている者には、
そうした金融商品に手をそめている者はそう多くはないと思うが、それによる不況の影響はもろに受ける。
好況は長く続くものではなく、忘れた頃に不況はやってくるものだが、振り返ってみれば好況感はちっとも実感できなかった。
賃金は上がらなかったし、社会的ニュースも非正規労働者の低賃金問題等、およそ実態は好況感とはかけ離れていた。
いつの時代にもバブルの種は尽きないと言うが、
お金の運用だけで利益を挙げるような仕組みについて、この際真剣に再考すべきではないだろうか。
ぼくの考えが旧いのかも知れないが、お金を右から左に動かすだけで、
莫大な利益を生むような制度そのものが胡散臭く思えてならない。
お金は、必要な人が適正な利率で利用できる仕組みが必要であり、
お金がお金を過度に生むようなシステムは見直しが必要ではないだろうか。
リスク管理は自己責任と言うが、現在のような複雑な仕組みでは、
普通の人にはリスクの内容を十分に把握できないのが実情だろう。
まさか今回のような問題を含んだ金融商品が含まれていたとは知らなかった関係者も多かっただろう。
そうしたリスク商品がどうしても生ずるなら、
そうした金融商品が混在したものは一般の個人には扱えない・販売出来ない仕組みも必要だと思う。
さてさて、日本の政局だが、麻生新政権は何時解散のカードを切るのか、首相は全精力をそれに集中しているだろう。
今の政権は長くてあと1年しかないのだから、与党にとって最良の時期を見計らって解散カードを切るのだろうが、
自分の党のことばかりを考えていないで、日本の行く末を考慮してほしいものだ。
<K.K>
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