「文学横浜の会」

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2009年3月4日


「アメリカの思惑と日本」

 ヒラリー米国国務長官のアジア歴訪に際して、最初の訪問国としての日本訪問、 オバマ大統領の最初のホワイトハウスでの首脳会談として日本の首相を招聘、 そして米国アカデミー外国語賞として日本映画「おくりびと」の受賞、 と一連の流れをみていると「米国の日本重視」という流れがみえてくる。

無論、アカデミー賞の受賞は政治とは無関係だと思われるが、全く関係ないとは断言できない。 政治の方からなんらかの力が働いたと言うのではなく、しいて言えばアメリカ全体の日本重視の力学が働いていると思われる。 だからと言って「おくりびと」の作品価値を損ねるものでは決してない。 賞の受賞ともなれば、作品の力そのもにプラスαの何かが必要なのだ。

そこで今アメリカの「日本重視」にはどんな意味があるのかと考えてみると、 日本からの資金、と言う連想が浮かんでくるのは僕だけだろうか。 この分だとオリンピック開催権も日本に譲る、なんて言うことも、、、。

 アメリカは今、不況にあえぎ、金融不安に陥っている。そこでオバマ政権は不況対策として巨額の政策資金が必要になり、 先月、議会で予算案が承認された。それには多額の国債の発行が前提となる。 その国債の売却先だが、世界を見渡せば中東諸国・中国・日本が浮かぶが、原油の値下がりで中東諸国はかつての勢いはないし、 中国は今でも世界一のドル建て債を保有しており、国内事情からこれ以上の購入は難しい。 そこで日本の資金を念頭に置いているのは間違いないし、日本重視の空気が生じたのかも知れない。

アメリカの一日も早い不況からの脱却は、日本を始め世界の国々が望む事だが、 無条件でアメリカ国債をホイホイと引き受ける事には反対だ。 日本にはそんな余裕はないし、仮に何らかの協力が必要であっても、アメリカ債を無条件で引き受けてはならない。

1ドルと言っても最近の例からみて、円換算で80円台から120円台とその幅は40円もある。 20年後・30年後に、それがどんなレートになっているのかは誰にも判らない。 また今でも日本は世界弟二位のドル建て債を保有しており、余りに巨額に保有すると<すぐ>売れない、と言う状況にもなる。 つまり売買すれば円・ドル為替レートに大きな影響を及ぼす。

 だからと言って世界共同体の一員として無関心ではいられない。ならどうしたらいいか。

ドル建て債権ではなく円建て債権なら我が国としては為替レートのリスクもないし、協力できるのではないかと思う。 ぼくはこの方面の専門家ではないから漠然と考えるだけだが、 円建て債権で協力した場合の我が国に与える功罪について検討してほしい。

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 経済不況、労働派遣、医師不足、年金資金、高齢化、少子化、等々、日本は今問題が山積している。 これらに対して政治はどう取り組んでいるのか気になるが、政局に紛れて政策は歪んではいないだろうか。 国会での遣り取りを聞いていると、屡々揚げ足取りと思われるような議論もある。 くだらない議論、政党の宣伝、或いは政党間のエゴ・メンツだけの議論を聞ていると、 政党などいらないと思いたくなる。

今回の「定額給付」に関するニュースを目にして、法案の通し方に奇異な感じを持った。 それは幾つもの法案を一括して賛成か反対かを審議するのだが、これは国会での常識なのだろうか。 法案の中には反対のもあれば賛成のもある筈だ。それなのに一括採決とは、、、。

また政党に属していると、政党が賛否を決めたらそれに従わなければいけない、と言うのも変だと思う。 幾ら議員内閣制とはいえ、それは首班指名だけに限って、各議員への締め付けは必要なのだろうか。 政党の指示に従うだけなら誰でも議員が勤まる。勉強する必要もない。 現にとんでもない議員もいる。

こうい事だから官僚国家と言われるのだし、官僚がしっかりしないと日本はダメになってしまう。 官僚を叩くのはいいが、まず政治家自身の意識を改革し、それにはそう言う政治家を当選させない国民の意識改革も望まれる。 二世議員、三世議員或いは四代に渡る国会議員もいると言う。 こうなると選挙民の意識をまず改革しなければいけない。

 これは日本の政党或いは選挙民が未成熟だからなのだろうか。

<K.K>


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